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木洩れ日に泳ぐ魚/恩田陸
舞台は、アパートの一室。
別々の道を歩むことが決まった男女が最後の夜を徹し語り合う。
初夏の風、木々の匂い、大きな柱時計、そしてあの男の後ろ姿――共有した過去の風景に少しずつ違和感が混じり始める。
濃密な心理戦の果て、朝の光とともに訪れる真実とは。
不思議な胸騒ぎと解放感が満ちる傑作長編!


明日の朝には別の道へそれぞれ進むことが決定している引越し前夜、空っぽになった部屋で酒盛りを始めた男女は、離れ離れになった後、そうとは知らずに再会した兄妹だったはずだった。
しかし食い違う記憶。
お互いに抱く疑惑。
朝まで語ることで、それは何を生むのか……というストーリーです。

共有しているはずの記憶に齟齬があって、そこから得た感情も決定的に違う、ということは親しい間柄でも起こることですが、もちろんその場では口論に発展することはあっても、最後には「私は私、他人は他人」と割り切ったり、まぁいいかと忘れることにしたりするものです。
そうしないと、濃ければ濃い程人間関係が長続きしない、と思うのは私の理論でしょうか。
しかし、そういったわずかなズレをこじ開けるように物語に仕立て上げるのはさすが著者という感じの、作品でした。
目論みは好きです。
ですが、最後まで読んで、とにかくあまり面白くありませんでした。
二人の間に点在する謎の解明は、お互いおしゃべりしながら安楽椅子探偵のように指摘しあうだけなので、爽快感はありませんし、もやもやとしたものを余韻として味わうには物語りに深みがない。
結局いつもの「面白いのは最初だけ」という著者の悪い癖が目につくばかりの作品となってしまっている気がしてなりません。
というか、今まで読んだ中でも一二を争う薄味のような。
残念でした。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:あ行]恩田陸 | 23:27 | comments(0) | - |
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