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評価:
朱川 湊人
文藝春秋
¥ 540
(2008-04-10)
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母と二人で大切にしてきた幼い妹が、ある日突然、大人びた言動を取り始める。
それには、信じられないような理由があった……(表題作)。
昭和30〜40年代の大阪の下町を舞台に、当時子どもだった主人公が体験した不思議な出来事を、ノスタルジックな空気感で情感豊かに描いた全6篇。
直木賞受賞の傑作短篇集。
短編集で
「トカビの夜」「妖精生物」「摩訶不思議」「花まんま」「送りん婆」「凍蝶」
の計6編を収録。
とても綺麗にまとめられた短編集でした。
直木賞受賞作というのも納得の端正さがあります。
著者のデビュー作「都市伝説セピア」(
参考)が候補になったにしてはやや物足りない感じだったことを思えば、何だか立派になったなぁという気分です(偉そうな)
ただ、私には情緒を感じる部分が欠けているのか、端正すぎるのか、うまく物語りに入り込めませんでした。
舞台は昭和30年〜40年代の大阪下町で共通していて、少ない著者の既読作品と変わらず、私には知らない世界です。
懐かしいと感じる方もいらっしゃいますでしょうが、何かと話題の万博も記録映像でしか知らない者にとってはファンタジーと同じレベルです。
それでも人の心の動きに素直に感動することが出来るのが小説の不思議な力で、この作品群にも確かにそのようなものはあると思うのですが、いまいち私にはヒットしませんでした。
ただ、少し不思議な話がお好きな方は、読んで損はないはずです。
出来が良いというのがストレートな感想ですね。
収録作では、気持ちが悪いとしか言いようがない「妖精生物」の印象が強いです。
これが一番。
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