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ニッポン硬貨の謎 エラリー・クイーン最後の事件/北村薫
ミステリ作家にして名探偵エラリー・クイーンが出版社の招きで来日、公式日程をこなすかたわら、東京に発生していた幼児連続殺害事件に関心を持つ。
同じ頃アルバイト先の書店で五十円玉二十枚を千円札に両替する男に遭遇していた小町奈々子は、クイーン氏の観光ガイドを務めることに。
出かけた動物園で幼児誘拐の現場に行き合わせるや、名探偵は先の事件との関連を指摘し……。


ミステリ作家であり探偵でもあるエラリー・クイーンは、出版社の招きで来日する。
熱いファンとの語らいや、東洋の神秘触れる日々だったが、彼は連続する幼児誘拐事件に興味をおぼえる。
いくら探偵とはいえ、異国の地で自分には関わってこないと思っていたエラリーだったが……というストーリーです。

この作品はエラリー・クイーンの未発表作が発見され、それを著者が「訳した」という設定で描かれています。
パスティーシュですね。
日本を勘違いしているような描写もその設定のためで、ところどころに著者による「訳者解説」が入るのも楽しいです。
また、作中エラリー・クイーン論も展開され、ミステリファンには嬉しい「五十円玉二十枚の謎」も。
色々心くすぐられる点が多い作品だと思います。

ただ、お恥ずかしい限りですが、私はクイーンの作品を1、2冊読んだ記憶も曖昧なぐらい。
そもそも難しいことを考えてミステリを読む志向もなければ、その知識もない。
ただただ単純に「面白かった!」と思えるかどうかが、評価のかなりを占めるような人間なので、その点からだとこの作品はちょっと物足りなかったです。
謎解きが、作中の言葉を借りれば「飛躍」しているようにしか思えません。
あと、バランスが微妙。
クイーン論と五十円玉二十枚の謎と連続幼児誘拐殺人事件と、そもそものパスティーシュとしての存在と、何とも言えない居心地の悪さと申しましょうか。
すっきりしません。
面白くなかったわけではないのですし、著者の変わらず読みやすい文章には清々しい気持ちにさせられましたが、こればかりは好みの問題かもしれません。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:か行]北村薫 | 12:39 | comments(2) | - |
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コメント
はじめまして。

>クイーン論と五十円玉二十枚の謎と連続幼児誘拐殺人事件と、そもそものパスティーシュとしての存在と、何とも言えない居心地の悪さと申しましょうか。
>すっきりしません。

クイーン論としては面白いのですが、殺人事件はあまり納得ができないですね。
そもそも50円玉20枚の謎も、謎としては興味深いのですが、ミステリーになるとすっきりと納得させてくれません。
それをこのミステリーでも感じましたね。

若き日の若竹七海さんに両替を頼んでいたおじさんには、自首して(?)欲しい!(笑)

| かつき | 2009/06/15 12:20 PM |
>かつき様

はじめまして!コメントありがとうございます。

>そもそも50円玉20枚の謎も、謎としては興味深いのですが、ミステリーになるとすっきりと納得させてくれません。
>それをこのミステリーでも感じましたね。
その「すっきりと納得」という点、よくわかります。
面白かったり、なるほどと思ったり、そうきたか!と驚かされたり以上に、この納得できるかどうかが読後感にかかわってくる気がします。
(偉そうですが)

クイーンをほとんど読んだことがないので、納得できない殺人事件も、もしかしてクイーン風にわざわざそういう味付けにしてあるのだろうか、と疑ったりもしましたが……。
| likesdisulikes | 2009/06/17 3:07 PM |
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