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「死体」を読む/上野正彦
東京都監察医務院の監察医として数多くの殺人事件の解剖を手がけてきた著者。
その経験に裏打ちされた目は、迷宮入りの代名詞ともなった芥川龍之介の『藪の中』にさえ、真犯人を発見してしまう。
他に探偵小説の祖・ポーや性の深遠を描いた文豪・谷崎純一郎などの文学作品、また帝銀事件や下山事件など、未だに歴史上に謎を残す事件死体に挑戦する。
『「藪の中」の死体』改題。


著名な法医学者である著者が、『犬神家の一族』の犯人を、その法医学知識で殺害方法から予想しながら読み解いたり、また戦後の重大事件に挑むエッセイです。

凄く面白い作品でした。
著者の作品は有名な『死体は語る』を読んだだけで、ワイドショーで意見を述べている姿を目にする方が多いぐらいでした。
ですが、やはり読みやすくて面白い。
『死体は語る』もミステリ好き(加えて2時間ドラマ好き)としては興味深い内容でしたが、こちらは直球で架空の殺人事件、あるいはすでに過去のものとなり科学的な証拠が残っていないような事件を分析してくれるのですから、たまりません。
加えて、例えばミステリの中にあるミスをミスとしてねちねちと指摘するのではなく「小説はフィクションであるから、少しぐらい現実離れした跳躍があった方がおもしろい」という態度ですから、余計に。
サッパリとした文体で、章ごとに一つないしは二つの謎・事件について言及されているので、少しずつ読むような方にもおすすめです。
ただ、盛大にネタバレしているので、ご注意を。

それにしても芥川の『藪の中』が付録でついているとは……。
久しぶりに読みました。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:あ行]上野正彦 | 20:53 | comments(0) | - |
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