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無法地帯―幻の?を捜せ!/大倉崇裕
空前の「食玩」ブームにより、400万円のプレミアがついたレアグッズをめぐる争奪戦が勃発。
怪獣大好きのヤクザ、食玩コレクターの私立探偵、モラルゼロのオタク青年──。
幻の?を奪い合う、仁義なき戦い。
勝者は誰だ!
オタク道38年の著者がおくる、情熱のオタクミステリー!


一匹狼のヤクザの大葉は、かつての組長の借金返済を迫ってくる同業者から400万円の価格がつくプラモデル『ザリガニラー』を三日以内に探し出せば借金えお忘れてやると言われる。
大物ヤクザ組長・韮山の息子である敏郎がコレクターで、息子に甘い彼への手土産としようというのだ。
その頃食玩コレクターの私立探偵・宇田川はマンション販売員の中里から、マンション購入に興味を持っている顧客への餌として『ザリガニラー』を是非探し出して欲しいと依頼される。
そしてプラモデルコレクターの敏郎とオタク仲間の多々見は、とうとう『ザリガニラー』を手に入れられるかもしれないと聞かされ、対抗心からそれを探すことに……。
三者の思惑とコレクター精神が交錯する……というストーリーです。

私にはちょっと近寄りがたい世界でしたが(所有欲があまりないのでコレクターにはなれそうにありません)オタクオタクした情報をあちこちに散りばめておきながら、本筋ではしっかりサスペンスなのが楽しかったです。
バラバラだった主要人物がつながっていくところは爽快感があります。
当初から、ヤクザも私立探偵もオタク男も、この『ザリガニラー』騒動に巻き込まれる要因となった背景に韮山というヤクザの息子がいることはわかるわけで、どう接触するのかハラハラします。
しかし、それだけでは終わらないのがさすがという感じ。

そして、登場人物たちがそれぞれめちゃくちゃなのが笑えました。
怪獣好きの暴力的なヤクザに加え、食玩のコレクションのためには強盗も辞さない探偵に、実際の撮影所に侵入してコスチュームや着ぐるみを盗んでコレクションする(そしてそれで食べている)男と、犯罪行為のオンパレードです。
彼らは正義のために行動したりはしません。
基本、コレクターとしての情熱(?)に突き動かされての行為なのです。
そこまでするか?というような、そしてそこまでしちゃうのだろうな……というような世界でした。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:あ行]大倉崇裕 | 16:41 | comments(0) | - |
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