<< クドリャフカの順番/米澤穂信 | main | DIVE!!/森絵都 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
鳥類学者のファンタジア/奥泉光
「フォギー」ことジャズ・ピアニストの池永希梨子は演奏中に不思議な感覚にとらわれた。
柱の陰に誰かいる……。
それが、時空を超える大冒険旅行の始まりだった。
謎の音階が引き起こす超常現象に導かれ、フォギーはナチス支配下、1944年のドイツへとタイムスリップしてしまう――。
めくるめく物語とジャズの魅力に満ちた、ファンタジー巨編。
山下洋輔作曲のオリジナルテーマ曲楽譜も特別収録。


ジャズピアニストのフォギーは、客の入りの悪い店内に熱心な「柱の陰の聞き手」がいることを想像して演奏しろという名言通りに、柱の陰に人の気配を感じる。
店の外にまでその人影を追いかけて会話を交わしたフォギーは、ジャズを軽視したような発言をした女性に、何故か強烈に惹かれてしまう。
そして、ひょっとしてあれはピアニストであった自分の祖母ではなかっただろうかと疑い、戦時中にヨーロッパで途絶えた消息を調べることに。
そしてそのまま、1944年戦時下のドイツへフォギーが迷い込むこととなる……というストーリーです。

いやあ、面白かったです。
最初は京極夏彦並の分厚さと(文庫で1300円という値段で推して知るべし)主人公の希梨子(フォギー)の一文が長いうえに例え話や修飾の多い一人称の文章にくじけそうになったのですが、読み進めるとあっという間でした。
どこが良かったかうまく言い表せないのですが、良い。
主人公が不思議な旋律に引かれ、ナチス政権下のドイツにタイムスリップしてしまう……と説明すればファンタジー小説としか言いようがありませんが、それだけではないです。
ジャズを小説で表現しようとしたのかな〜と思う部分が、語り口を筆頭にあれこれあり、そしてラストに涙さえ感じました。
私はジャズなんて聞きもしなければ、音楽といえばこれっぽっちも上達しなかったピアノぐらいしか齧ったことはないのですけれどね。
これはそちらの分野に興味がある方には格別の余韻があるのではないかと思います。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:あ行]奥泉光 | 22:13 | comments(0) | - |
スポンサーサイト
| - | 22:13 | - | - |
コメント
コメントする