<< 月曜日の水玉模様/加納朋子 | main | 死の蔵書/ジョン・ダニング >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
レインレイン・ボウ/加納朋子
評価:
加納 朋子
集英社
¥ 560
(2006-10)
高校ソフトボール部仲間の通夜で再会した、七人の女性たち。
二十五歳を迎え、それぞれが悩みやトラブルを抱えていた。
過酷な仕事に疲れた看護師、厄介な職場で奮闘する栄養士、過去のあやまちを引きずる主婦…。
彼女たちは、傷つき、迷いながら自分だけの答えを見つけていく――。
ミステリのエッセンスを加えながら、前向きに生きようとする女性の姿を描いた、爽やかな青春群像劇。


連作短編集で
「サマー・オレンジ・ピール」「スカーレット・ルージュ」「ひよこ色の天使」「緑の森の夜鳴き鳥」「紫の雲路」「雨上がりの藍の色」「青い空と小鳥」
の計7編を収録。

それぞれのお話の語り手は異なるのですが、7つの物語を貫くのは“牧知寿子の死”です。
高校時代の弱小ソフトボール部で一際明るく可愛かった知寿子こと“チーズ”がたった25歳で死に、そのことでそれぞれの人生を生きていた7人の女性がふと周囲を振り返る。
それにちょっとした謎と、知寿子の死にまつわる不可解な出来事を絡めた物語です。

非常に安心して読めるレベルにあります。
これといった重みがない短編集とも言えるかもしれませんが、その軽さの背後にある様々な作家としての巧さが見えるかと思います。
それに、主婦やOL、保育士に看護師にフリーター…といった立場にある女性たちの、女ゆえの悩みや不満や、そういったどうしようのないことが丁寧に描かれていて、「女の不満は甘え半分」とフェミニスト団体から苦情が来そうな発言を日頃から繰り返している私でも、共感してしまう部分がありました。
ミステリとしては、ラストの「青い空と小鳥」で明かされる謎は一冊引っ張るには小物かなと思わないではないのですが、それだけにリアルであるとも言えます。
(“彼女”の居場所はちょっとありえないですが)

語り手の一人である片桐陶子は「月曜日の水玉模様」の主役。
このリンクも嬉しいですし、陶子のことを語る昔の友人たちの言葉から彼女の立ち居地が想像できて、それも楽しかったです。
| [国内作家:か行]加納朋子 | 10:44 | comments(2) | - |
スポンサーサイト
| - | 10:44 | - | - |
コメント
こんばんは〜
(lilesdislikesさんはどうして、そんなにどんどん読めるんですか。すごいペエス ← 京極さん風綴りにしてみたりして)

この本も、確かに安心して読めました!

ただ、前作を読んだときも感じましたが、どの短編も
文章に盛り込まれた伏線に、遊びがないというか....すべての要素がラストの結論のために用意されているように感じます。それが、あまり気にならない作品と、なんだか鼻についてちょっと白けてしまう作品とがありました。
(短編ってそういうものといえば、そうなんですが...。)

でも、個人的には
「水曜日の...」よりも、こちらの方が好きかな。
如何にも居そうな人たちの、如何にも有りそうな日常に、ちょっとした心の変化をもたらす出来事がさらりと書かれていて、上手いです。特に看護婦さんの話と、栄養士さんの話が印象に残りました。

「レインボウボウ」面白かった!
あ、「レインレイン・ボウ」だった...。
| 振り飛車党 | 2007/06/30 8:59 PM |
こんにちは!お返事遅くなりました。
読書ぺエス(真似してみました)については、実際周囲の人にも指摘されます。
自分でもよくわからないのですが、一字一字処理せずに2、3行ぐらいまとめて頭に入れて読んでいる気がします。
加えて、実生活が暇なのではないかと…。


>如何にも居そうな人たちの、如何にも有りそうな日常に、ちょっとした心の変化をもたらす出来事がさらりと書かれていて、上手いです。
そうですね!
ありえない設定も楽しいですが、日常の状況をさもありえるように描くのも難しいと思うので、著者の目線には感心します。

「レインレイン・ボウ」(「レイン・レインボウ」ではないので紛らわしいです確かに)も楽しんでいただけてホッとしてます。
| likesdislikes | 2007/07/02 4:59 PM |
コメントする