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クラブ・ポワブリエール/森福都
会社員の夫が帰宅すると、妻が消えていた。
パソコンに残されていたのは、大学時代の五人の同級生に配信された五つのメール。
日常に潜む小さな軋みが人生の落とし穴に変わるとき、浮かび上がった妻の意外な顔……。
異色のラブ・ミステリー!


連作短編集で
「火曜日の糸杉」「アディクティド」「第三の女」「家庭菜園ノススメ」「グラン・メゾン・フォートラスの落日」「トレースルート・ラプソディ」
の全6編収録。

金曜日の夜久々に早く帰宅してみると、妻がいない。
荒れた室内に不審を憶えた拓也は、マナー違反と思いつつ妻のパソコンのメールを盗み見る。
そこには「君がメールで配布した小話を通して読んでみると面白いことがわかる」という意味深なメールがあった。
気になった拓也は、妻が書いたという小説を読むことにするが……という話です。
それぞれの短編の作中には妻が(あるいは妻の友人が)書いたという小説があり、それ自体もミステリなのですが、その5編を読み解くと妻の行方が判明するという構造。

私は作中小説は非常に楽しんで読みました。
いかにも日常系のミステリでありそうな佳作、といった雰囲気の短編で、読みやすいですしミステリとしてのオチもかなり好きなものが。
ですから、その5編を読んだ末に判明するという大きな謎の普通さにちょっとがっかりしました。
すぐにわかります。
この構成を面白く思っただけにやや拍子抜けというか…。
でも奇抜であればいいというものでもないですし、小説から妻の行方を探すという非日常的な出来事の結末としては、こんなものなのかもしれません。

著者といえば中国を舞台にした怪奇小説を想像してしまうのですが、現代物もなかなかおすすめです。
特に映画好きな方は、あちこちにあるネタにちょっと嬉しくなってしまうかもしれませんね。
| [国内作家:ま行]森福都 | 21:17 | comments(0) | - |
長安牡丹花異聞/森福都
評価:
森福 都
文藝春秋
¥ 650
(2005-07-08)
唐の都・長安。
利発な少年黄良は病母のため、夜に輝く牡丹を発明する。
花競べが盛んな時代、名花奇花は大金で売れるのだ。混血の偉丈夫と西域の美貌の舞姫が黄良に加勢、三人は一攫千金を図るが、狡猾な宦官が花と舞姫をつけ狙う。
表題作は松本清張賞を受賞。
妖美と機知と冒険、雄大華麗な中国奇想小説、全6篇。


中国を舞台にした短編集で、
「長安牡丹花異聞」「累卵」「チーティング」「殿」「虞良仁膏奇譚」「梨花雪」
の全6編。
ミステリ色が強く、皇帝への献上競技を利用して大量殺人犯を見つけようとする「累卵」や、科挙試験でのカンニング犯を探す「チーティング」なんかは好みでした。
文章がまたしかりしていて、紛れがなく、読ませてくれます。
また松本清張賞を受賞したという表題作は読後感も爽やかですし、中国が舞台だけあってぞっとしてしまう描写も。
色々楽しめる良質な短編集でした。
| [国内作家:ま行]森福都 | 19:06 | comments(0) | - |
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