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十一月の扉/高楼方子
評価:
高楼 方子
新潮社
¥ 620
(2006-10)
中学二年の爽子は、偶然みつけた素敵な洋館「十一月荘」で、転校前の数週間を家族と離れて過ごすことになる。
「十一月荘」の個性あふれる住人たちとの豊かな日常の中で、爽子は毎日の出来事を自分の物語に変えて綴り始めた。
のんびりしているようで、密度の濃い時間。
「十一月にはきっといいことがある」―不安な心を物語で鎮めながら、爽子はこれから生きて行く世界に明るい希望を感じ始めていた。


父親の転勤で引越しが決まった爽子は、双眼鏡で見つけて以来心を捉えて離さない「十一月荘」という家で下宿させてもらうことにする。
そこに暮らす人々との暖かな交流に触発されて、素敵な文具屋で買ったドードー鳥のノートにお話を書くことにするが…というストーリー。
なんというか、著者の理想が語られるための話という雰囲気で、説教臭いとまではいかないのですが、これだけの長さの作品結末がこれでは納得しかねました。
途中、母親からの手紙を読むシーンでやや表現されるような、主人公の爽子が思春期の少女らしい表現しがたい苛立ちをずーっと抱えて鬱憤しているのならいいのに、当初からわりと達観しているように思えます。
なので、「物語」というようなはっきりした山やオチが見当たらない。
最初から最後まで、「素敵でしょう?こういうの良いでしょう?」と鬱陶しい知人に興味のない少女趣味的なものを押し付けられている気分で不快です。
小説、特にこの作品のような児童文学寄りの物語にそういう要素が存在するのは当たり前でしょうが、それはあくまで仮託されるべき。
まあ、素直に読めば毒があるわけではないので、小学生高学年ぐらいの女の子が読むには良いのではないでしょうか。
| [国内作家:た行]高楼方子 | 22:09 | comments(0) | - |
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