スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
私と月につきあって―ロケットガール〈3〉/野尻抱介
評価:
野尻 抱介
富士見書房
¥ 609
(2007-01)
フランスが計画した、アポロ計画以来となる月面着陸ミッション。
そのサポート任務につくべく、森田ゆかりたちロケットガールズはギアナへと向かった。
しかし、月へと飛ぶ五人の少女――アリアン・ガールズのリーダー、ソランジュは冷徹にしてストイック。
姉御肌のゆかりとはそりが合わず、ことあるごとに衝突してしまう。
ミッション遂行にむけて不穏な空気が流れるなか、最初のトラブルが発生してしまい――。
あらゆる困難に打ち破り、少女は月を目指すのだ!
テクノロジーの粋と、人類の夢を詰め込んだスラップスティックSF、シリーズ第3巻いよいよ登場!


第3巻のスタートは、またもや呪われていたらしい飛行機に乗り込んだゆかりたち三人娘の災難と、フランスの少女飛行士のリーダー・ソランジュとの衝撃的な出会いから始まります。
月面着陸ミッションを共同で(というよりフランス主導に、日本は後方支援)やらなければならないというのに、出てくるフランス人は皆一癖どころか色々な方向へ歪んでいるような人たちで、あとがきで「『フランス人が嫌いなんですか?』と訊かれましたが……」という箇所があるのですが、そう思われても不思議ではないでしょう。
この3作目はよりSF的。
というか、どこで読んだのかもう思い出せないのですが、月を舞台にしたSFしかもハードでとなると身近であるが故にリアルで正しくて面白く書くのは至難の業だということです。
そう思うと、この3作目は規定路線で先が読めるかもしれませんが、かなりよくできた月モノではないかと思います。
クライマックスの盛り上がりもなかなか。
ラストにはちょっとした「夢」まで連れてきてくれて、3作の中では一番好きです。
| [国内作家:な行]野尻抱介 | 23:08 | comments(0) | - |
天使は結果オーライ―ロケットガール〈2〉/野尻抱介
「…来ちゃいました」
基地の入り口で行き倒れていた茜は、ゆかりとマツリにそう微笑んだ―。
史上最年少の宇宙飛行士、“ロケットガールズ”として今日も宇宙飛行にいそしむ森田ゆかりとマツリ。
しかし、いつものごとくのトラブル発生で、二人の乗るオービターはあろう事か日本に不時着してしまう。
そして、実験器具の故障で大ピンチに陥ったゆかりたちの前にあらわれたのは、三浦茜という「小柄」で「ほっそり」とした秀才少女だった…!
慢性的人手不足に終止符が打たれ、ついに三人目の『ロケットガール』が誕生するのか!?
スラップスティックSF、シリーズ第2巻登場。


第2巻は宇宙飛行士となってしまったがために“バイト禁止”の校則に抵触し、女子高生ではなくなってしまった(端的に言うと高校中退)ゆかりと同僚のマツリが乗ったオービターが、かつてゆかりが通っていた名門女子高の池に不時着してしまうとことから始まります。
そこで3人目の宇宙飛行士となる茜と出会い、新たなミッションに挑む……というストーリー。
前作よりよりSFらしいというか、専門用語らしきものもちらほら出てきたり、冥王星探査機の計画主任のキャラクタににやりとさせられたり、嬉しい展開でした。
宇宙に行くことの身も蓋もない不自由さをはっきり描写しているのも好きです。
読みやすさは相変わらず。
| [国内作家:な行]野尻抱介 | 22:45 | comments(0) | - |
女子高生、リフトオフ!―ロケットガール〈1〉/野尻抱介
「…ちょっとしたアルバイト?」
怪しげな男の何気ない誘いが、自分の人生と、宇宙開発史を大きく塗り替えることになろうとは、森田ゆかり自身、知る由もなかった―。
父を捜しに訪れたソロモン諸島・アクシオ島で、ゆかりはある男に出会う。
ソロモン宇宙協会の所長、那須田と名乗ったその男は、父親捜しを手伝うかわりに、ゆかりを協会にスカウトしたのだった。
アルバイト―そう、協会の開発した宇宙ロケットの、史上最年少の宇宙飛行士に!
小型で軽量、知能と度胸は抜群―日本の誇る“女子高生”は宇宙を目指す!
スラップスティックSFの傑作、新装版としてついに復活。


レーベルは富士見ファンタジア、女子高生が宇宙飛行士になる設定と聞けば
「ああ、ライトノベルね」
で済ませてしまえそうですが、それがなかなか読ませてくれます。
父親を捜しにきただけの女子高生が宇宙飛行士にスカウトされるのは、その体重のせいなのです。
ソロモン宇宙協会が開発した有人宇宙船は色々な問題があって、体重が極端に軽い飛行士しか計算上乗れないのです。
ということですでにいたはずの飛行士はお役御免、たまたま訪れたゆかりとソロモン島の原住民の娘であるタリホ族の娘・マツリが選ばれるというわけで、軽いながらもしっかり「SF」ではあるわけです。
とはいえ、会話主体で極端な人物設定、おまけにタリホ族の「呪い」まで登場するとあって、読みやすさはご想像の通り。
「太陽の簒奪者」から野尻作品に触れた私には、やや苦痛なまでの軽さでしたが、楽しめました。
| [国内作家:な行]野尻抱介 | 22:34 | comments(0) | - |
ベクフットの虜―クレギオン〈7〉/野尻抱介
評価:
野尻 抱介
早川書房
¥ 714
(2004-11-09)
ミリガン運送の見習い航法士として、ときには危険な業務にも従事するメイだったが、故郷ヴェイスの両親には“安全かつ健全な毎日です”という偽りの手紙を送り続けていた。
そんなある日、両親がアルフェッカ号を訪ねてくることになった。
しかも次の仕事先は、艦隊消失事件が起こった戒厳令下の惑星ベクフット。
あろうことか海賊の潜水艦に拉致されてしまったメイは、無事に両親との再会を果たせるのか…シリーズ第7弾。


最終巻です。
そういえば家出同然でアルフェッカ号に乗船したんだったメイが、最終巻は華々しく主役です。
自分の子供からのメールに“安全かつ健全な毎日です”と書かれていたら、それは嘘だろうと親なら思うだろうし、余計に心配になるに違いない。
当然危険なことはいっぱいで、だから親が会いに来るとなれば大慌てする子供、という図式は普遍的で軽く吹き出してしまいます。
そこからの展開はいつものノリ。
私はメイがあまり好きじゃないのでメイが主役のお話には点が辛いのですが、これは最終巻であることや、藻の話やラストの雰囲気が好きです。
これで終わりとは寂しい限り。
| [国内作家:な行]野尻抱介 | 12:36 | comments(0) | - |
アフナスの貴石―クレギオン〈6〉/野尻抱介
「ミリガン運送は解散した」―とある軌道都市での業務完了後、突然の置き手紙を残してロイドが失踪した。
アルフェッカ号は売却され、あえなく失業者になってしまったマージとメイ。
彼の行方を追う二人にとって唯一の手がかりは、“生きた宝石”アフナサイトにからむ怪しい儲け話の存在だった。
アルフェッカ号の新たな船主クランとアルチナに雇われた二人は、ロイドを追ってアフナス星系へと向かうが…シリーズ第6弾。


今回の主役はミリガン運送社長の能天気男ことロイド。
自分の夢のためなら他人に迷惑をかけてもいいと言い切る迷惑な企業主ですが、そんなロイドの大切さをマージとメイが再認識するような旅でした。
主役のロイドはあまり目立ちません。
彼の存在をなぞるような手法は、ライトノベル風小説にしては珍しかったかもしれません。
| [国内作家:な行]野尻抱介 | 12:26 | comments(0) | - |
タリファの子守歌―クレギオン〈5〉/野尻抱介
自転によって明暗境界線に凄まじい砂嵐が発生する、苛酷な惑星タリファ。
そこでは、希少宝石タリファ・オパールの採掘を夢みる男たちが、遊牧民のような生活を送っていた。
この辺境の星を訪れたミリガン運送の面々だったが、マージはひとり、ある追憶に浸っていた。
彼女を優秀なパイロットに育てあげたかつての教官ホセが、タリファにいるという噂を聞いたのだ。
だが、恩師との再会は意外なものだった…シリーズ第5弾。


お馴染みの面子ではあるが「毎回“主人公”が存在する」らしいクレギオンシリーズ第5巻のメインは頼れる姉御・マージ。
ゴールドラッシュに沸くタリファへ行こう!と言い張るロイドに、辺境惑星になんか行きたくないと主張するマージ。
多数決をということで意見を求められたメイが迷っていると、マージがかつての教官がその惑星にいることをぽろっとこぼしてしまったから、仕方がない。
と軽い調子で始まるも、舞台となる惑星・タリファは思っていたより過酷な状況で……というストーリー。
とにかく彼女が格好良い一作。
大好きです。
それ以外に、明暗境界線に砂嵐が発生する惑星の描写も印象が強い作品でした。
| [国内作家:な行]野尻抱介 | 00:47 | comments(0) | - |
サリバン家のお引越し―クレギオン〈4〉/野尻抱介
評価:
野尻 抱介
早川書房
¥ 714
(2004-05-07)
ミリガン運送がふとした縁で請け負ったのは、惑星フラードルから軌道コロニーまでの3人家族の引越し業務だった。
初仕事にはぴったりと、見習い社員のメイを現場の最高責任者に指名するロイド。
その期待にこたえ、家財の梱包から資材調達までを順調にこなすメイだったが、そこへ思わぬ難題が降りかかる。
さらには軌道上の突発事故やコロニーの不穏な動きまでがからみ、ミリガン運送はかつてない危機に…シリーズ第4弾。

もともと地味なシリーズですが、この第4巻はそれに輪をかけて地味です。
主役は見習い航海士(というにはすでに活躍済みですが)のメイ。
ふとしたことで知り合った男の子に頼まれて、コロニーへのお引越しを引き受けたはいいが、まず問題は荷物にあった…という話です。
面白かったのはコロニーの設定。
クライマックス部分ともつながるのですが、そういう知識に疎い私には新鮮でした。
| [国内作家:な行]野尻抱介 | 23:05 | comments(0) | - |
アンクスの海賊―クレギオン〈3〉/野尻抱介
評価:
野尻 抱介
早川書房
¥ 630
(2004-03-09)
麻薬原料の密輸を潔しとせず、積荷を偽物とすり替え代金を騙し取ったのが、ミリガン運送とマフィアのクレメント・ファミリーの因縁の始まりだった。
またしても追っ手を逃れ、ロイドら3人が逃げこんだのは、原始星系アンクス。
しかし新たな仕事を請け負い、無数の彗星が飛び交う航路を進むアルフェッカ号に、宇宙海賊の船影が迫る。
さらにクレメント・ファミリーの捜索の網はこの星系にまで及んでいた…シリーズ第3弾。


前作に続き新米航行士のメイが大活躍。
なんですが、その辺りの話よりも私は、宇宙航行をこんな真面目に計算しなければならないのか…!という衝撃がありました。
何しろ軽いテンポで書かれている作品なので、ごく普通のSFあるいはスペ・オペか宇宙を舞台にしたものなら何でもいいのですが、「キャラクタにピンチが!」となれば絶体絶命のその瞬間にまるで魔法のように救援が現れるのが簡単に想像できます。
物語の山場です。
ところがこの作品はハードSFというジャンルなので、そんな“魔法”は使えません。
エネルギーがこれだけで、方向転換にこれぐらい時間がかかって、結果そこに到達するには何日かかるので間に合いませんよ?な検討が真面目に作中で行われます。
この舞台裏を描く辺りが地味さにつながるのですが、私には凄く新鮮でした。
(「宇宙空間に生身で放り出されると血が沸騰する」という話が嘘であることを教えてくれたのも、そういえばこのシリーズ)

と、大好きなのに、妙に気に障るのは何故かと考えると、私はメイというキャラクタが嫌いなのではないかという所に落ち着きそうです……。
| [国内作家:な行]野尻抱介 | 00:22 | comments(0) | - |
フェイダーリンクの鯨―クレギオン〈2〉/野尻抱介
麻薬組織の追跡を振りきり、とある恒星系に逃げこんだミリガン運送のロイドとマージ、そして新任航法士の少女メイ。
愛機の故障による窮地から3人を救ったのは、ガス惑星フェイダーリンクのリング上で暮らすコロニーの人々だった。
しかし、星系政府が推進するフェイダーリンクの太陽化計画によって、彼らの居住地は消滅の危機を迎えていた。
恩義に報いるため、ロイドらは一計を案ずるのだが…傑作ハードSF活劇第2弾。


今回は(というか今回も?)前作でミリガン運送社員となったメイがメイン。
それもほのかな恋物語と共に…なんですが、うーん、これが微妙。
ガス状惑星で暮らす人々の生活は非常に面白かったのですが、メイの煮え切らない態度と相手の男の子のちょっとずれた感じが私には合いませんでした。

展開は相変わらず地味。
地味だから面白くないわけでは決してなく、展開もしっかりしていますし、そのラストも幻想的で素敵です。
表紙の意味は作品をお読みになって是非。
| [国内作家:な行]野尻抱介 | 00:12 | comments(0) | - |
ヴェイスの盲点―クレギオン〈1〉/野尻抱介
社長のロイドに、女性パイロットのマージ、そして、かなりガタのきた恒星間宇宙船+シャトルのアルフェッカ号―それが銀河の零細企業・ミリガン運送のすべてだった。
愛機の修理費を稼ぐため、惑星ヴェイスへと向かったロイドとマージ。
だが、その軌道は『大戦』の負の遺産である機雷原に覆われていた。
それを突破して地表へと降下するには、優秀なナビゲーターが不可欠だったが…傑作ハードSF活劇いよいよ開幕。


思考する機雷原を抜けて、その先に荷物を運ぶという危険な仕事を、その報酬に目が眩んで請け負ってしまったミリガン運送。
必須のナビゲーターとして乗り込んできたのは、この仕事でデビューの美少女。
初っ端から不安だらけだったが、その仕事の裏には陰謀が…?という物語。

ネットワークRPG「クレギオン」の設定をもとにした小説だそうで、もともと富士見ファンタジア文庫で出版されていたものがハヤカワで復刊しています。
能天気に採算度外視で「男のロマン」を叫びそうなロイド、有能なパイロットらしくしっかりしていて厳しくてちょっと抜けているマージ、それに…というシリーズスタートの話らしい出来の長編となっています。
しっかりハードSFなので派手さには欠けるのですが、何しろ軽いテンポと愛嬌のあるキャラクタでするっと読めます。
| [国内作家:な行]野尻抱介 | 23:58 | comments(0) | - |
| 1/2PAGES | >>