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走るジイサン/池永陽
評価:
池永 陽
集英社
¥ 420
(2003-01)
頭の上に猿がいる。
話しかければクーと鳴き、からかえば一人前に怒りもする。
お前はいったい何者だ―。
近所の仲間と茶飲み話をするだけの平凡な老後をおくっていた作次。
だが、突然あらわれた猿との奇妙な「共同生活」がはじまる。
きっかけは、同居する嫁にほのかな恋情を抱いたことだった…。
老いのやるせなさ、そして生の哀しみと可笑しさを描く、第11回小説すばる新人賞受賞作品。


頭の上にニホンザルが乗っている、というシュールな設定をあっさり飲み込んで生活する作次の姿が切ない作品でした。
サルが何を象徴しているかは皆様それぞれ考えがあるのでしょうが、私には老いて社会にも家庭にも居場所がなくなっていく主人公の救いのように感じました。
年寄りだって人間です。
年を取ったというだけで、仙人のようになれるわけもなく、同居することになった若い嫁に恋心を抱くこともあれば、傷つけられて憔悴することもある。
さらっと描かれていて読みやすいのですが、なかなかにきつい話ですね。
| [国内作家:あ行]池永陽 | 00:02 | comments(0) | - |
コンビニ・ララバイ/池永陽
評価:
池永 陽
集英社
¥ 630
(2005-06-17)
小さな町の小さなコンビニ、ミユキマート。
オーナーの幹郎は妻子を事故で亡くし、幸せにできなかったことを悔やんでいた。
店には、同じように悩みや悲しみを抱えた人が集まってくる。
堅気の女性に惚れてしまったヤクザ、声を失った女優の卵、恋人に命じられ売春をする女子高生…。
彼らは、そこで泣き、迷い、やがて、それぞれの答えを見つけていく―。
温かさが心にしみる連作短編集。


「カンを蹴る」「向こう側」「パントマイム」「パンの記憶」「あわせ鏡」「オヤジ狩りの夜」「ベンチに降りた奇跡」
の7話からなる連作短編集です。
大好きな形式なのですが、いまいち話に入り込めず。
全部いい話っぽくて、それでいて生臭くて、ラストに救いがあり過ぎる。
いい話で後味が良くてひくというのは私が天邪鬼なだけかもしれませんが、どうも胡散臭いんですよね。
ミステリなんかだと最初から事件や謎自体が「嘘くさい」ので最初から了解して読んでいるのに、こういう系だと余程人物像にリアリティがない限り受け入れがたい部分があります。
そういう意味で、この小説の登場人物には「?」
主役とも言えるオーナーの幹郎は、第1話の「カンを蹴る」で妻は自殺だったのではないかとうじうじ悩んでいたというのに、第6話「オヤジ狩りの夜」では格好良過ぎです。
| [国内作家:あ行]池永陽 | 22:17 | comments(0) | - |
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