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大いなる聴衆/永井するみ
評価:
永井 するみ
東京創元社
¥ 1,239
(2005-06-30)
札幌で行なわれたコンサートで、ピアニストの安積界は直前に予定を変更し、自ら封印したはずの『ハンマークラヴィーア』を演奏。
不審な曲目変更に驚きを隠せない周囲。
その背景には、界の婚約者がロンドンで何者かに誘拐されるという事件があった。
脅迫状には、短い一文のみ―“『ハンマークラヴィーア』。完璧な演奏をしろ。さもなくば、ミカリは二度とお前の元には帰らない”と。


単に音楽業界に関わるものが巻き込まれた事件というだけでなく、音楽という努力だけでは如何ともし難い選ばれた人々をきちんと、そして皮肉に描いた作品でした。
探偵役は二人。
安積界がいる日本・札幌の音楽祭で仕事をする界の元同級生と、ミカリが誘拐されたロンドンに残っている界のマネージャー。
この二人の視点が主で舞台がころころと変わるのですが、二人とも嫌な人物なのです。
片やスタッフに怒鳴り散らし常にイライラしているような女。
もう一方は、この誘拐事件をネタにさらに稼ごうと画策する男。
お互いがお互いを嫌っていて、情報交換もきちんとしない。
そんななか、ピアニストとしての繊細な神経をすり減らしていく界に、誘拐されている声楽家としての将来を約束されたミカリの純粋さが描かれています。
それが大逆転する終盤の流れは見事。
犯人や事件そのものは複雑ではないのですが、作品すべてがミステリらしい出来でした。
| [国内作家:な行]永井するみ | 11:07 | comments(0) | - |
樹縛/長井するみ
評価:
永井 するみ
新潮社
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(2001-01)
秋田杉の樹海から白骨死体で発見された男女。
道ならぬ恋に落ちた二人の無理心中なのか。
女の妹・直里と男の友人・勲は、その謎を探るうちに杉の建材をめぐる不審な動きを知る。
同じ頃東京では新築マンションの入居者に杉花粉症に似た症状が現れ、マンションの床材の杉が原因だと判明する。
秋田から運び出されたその杉材に隠された秘密とは。
直里と勲が直面する驚愕の真実―。


デビュー作「枯れ蔵」(参考)が農業ミステリで次がこの林業ミステリだったため、「漁業ミステリも書いて第一次産業ミステリシリーズか?」なんて言われたと解説にありましたが、確かに珍しいジャンルの作品です。
ですが専門用語も難しくなく、さりげなく解説が入っているため、さらっと読めます。
ミステリとしてもなかなかの出来で、安心して読める展開でした。
| [国内作家:な行]永井するみ | 10:55 | comments(0) | - |
枯れ蔵/永井するみ
評価:
永井 するみ
新潮社
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(2000-01)
富山の有機米農家の水田に、T型トビイロウンカが異常発生。
日本に存在しないはずの害虫がなぜ―。
有機米使用の商品を企画した食品メーカー社員・陶部映美は調査を開始するが、その矢先、友人であるツアーコンダクターの不可解な自殺を知る。
その謎は次第に害虫騒動と不気味な関連をみせはじめた。
「コメ」をテーマに据えた前人未踏の農業ミステリーにして、第1回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作。


何とも珍しい農業ミステリです。
何が良いって、安心して読めるその構成。
サスペンスやミステリを読みなれた人間にとっては、非常に馴染みがある「起承転結」なんですね。
だから読みやすいのです。
それに専門的なコメの用語も違和感なく説明されていて、そこで足踏みしている方がいたら大丈夫ですよと言いたい。
主人公以下キャラクタも適度な定型で、大きな感動は生まないかもしれませんが、サスペンス色の強いミステリ好きな方には良い作品だと思います。
| [国内作家:な行]永井するみ | 01:56 | comments(0) | - |
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