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卵の緒/瀬尾まいこ
評価:
瀬尾 まいこ
新潮社
¥ 420
(2007-06)
僕は捨て子だ。
その証拠に母さんは僕にへその緒を見せてくれない。
代わりに卵の殻を見せて、僕を卵で産んだなんて言う。
それでも、母さんは誰よりも僕を愛してくれる。
「親子」の強く確かな絆を描く表題作。
家庭の事情から、二人きりで暮らすことになった異母姉弟。
初めて会う二人はぎくしゃくしていたが、やがて心を触れ合わせていく(「7's blood」)。
優しい気持ちになれる感動の作品集。


短編集で
「卵の緒」「7's blood」
の計2編を収録。

著者デビュー作です。
表題作の「卵の緒」は坊っちゃん文学賞大賞受賞作となっております。

どちらの作品も家族を描いたものでした。
「卵の緒」では血の繋がっていないものの親密な親子を、そして「7's blood」では血が繋がっているけれど初対面な姉弟を、と血縁関係であることの不必要さと重要さをさらっとした文体で淡々と表現しています。
やや雰囲気の異なる2作ですが、共通するのは母の強さ。
母親というのは眩しい存在だったり必要以上に貶められたり、物語では象徴化されることの多いものですが、こういうあっけらかんとした母親を女性作家が描くというのが物珍しかったです。

ただ、こう、心に響くものがあるかと問われれば首を傾げざるを得ません。
現代作家らしい普通に良い話である以上の何かがあまり伝わってこない。
親子関係を描いた小説自体が好きなのでそれなりの満足はしましたし、以前読んだ著者の作品より余程良かったとは思いましたが……。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:さ行]瀬尾まいこ | 22:31 | comments(0) | - |
天国はまだ遠く/瀬尾まいこ
天国はまだ遠く
天国はまだ遠く
瀬尾 まいこ

仕事も人間関係もうまくいかず、毎日辛くて息が詰りそう。
23歳の千鶴は、会社を辞めて死ぬつもりだった。
辿り着いた山奥の民宿で、睡眠薬を飲むのだが、死に切れなかった。
自殺を諦めた彼女は、民宿の田村さんの大雑把な優しさに癒されていく。
大らかな村人や大自然に囲まれた充足した日々。
だが、千鶴は気づいてしまう、自分の居場所がここにないことに。
心にしみる清爽な旅立ちの物語。


はじめて著者の作品を読んだのですが、非常に読みやすい文体でした。
するっとはいってくる感じです。
それでいてこの物語は短く、主人公・千鶴の行き着く先が簡単に想像できて、しかもそれを悪趣味なやり方でひっくり返したりしていないので、あっという間でした。
それなのに、登場人物が浮いているんですよね…。
別に突飛な設定をしているわけではありません。
私自身、田舎生まれ田舎育ち田舎在住(←全部場所は違うのに田舎であることだけ共通している)なので「いるよ、こういう人…」と思ったりもするのに。
不思議です。
これといって心に響くことのない「良いお話」でした。
| [国内作家:さ行]瀬尾まいこ | 20:48 | comments(0) | - |
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