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賢者はベンチで思索する/近藤史恵
ファミレスでバイトをしているフリーターの久里子。
常連にはいつも同じ窓際の席で何時間も粘る国枝という名の老人がいた。
近所で毒入りの犬の餌がまかれる事件が連続して起こり、久里子の愛犬アンも誤ってその餌を食べてしまう。
犯人は一体誰なのか?
事件解決に乗り出したのは、意外なことに国枝老人だった。


連作短編形式で
「ファミレスの老人は公園で賢者になる」「ありがたくない神様」「その人の背負ったもの」
の計3章から成り立っています。

ファミレスでバイトをしているフリーターの主人公と、そこの常連客でボケ老人だと思われているのに主人公の前だと理知的な老人を軸としての、日常の謎系ミステリです。
著者の作品にこの系統が多いこともあってか、わかりやすい読みやすいお話でした。
らしいのは、悪意が前提なこと。
「少し不思議なお話」を謎解きするだけではなく、犯罪にはならないけど潜む悪意を女の人らしいねちっこい展開で描いています。
もうちょっと派手だったり、嫌な展開だと嬉しいのですけれど……まあ、シリーズ通しての謎もありますし、主人公は可愛い女の子なのでこのぐらいで良いのでしょう。
ただ、主人公の浪人中の弟への視点は気持ち悪くて良いです。
得体の知れなさとそれでも存在する弟への愛情がせめぎあっていて。
かくいう主人公も夢破れたフリーターですし、そのへんのどうしようもなさが変にリアルです。

シリーズ化していて続編(『ふたつめの月』)も出ています。
未文庫化作品なので読んでいませんが、このラストでどうつなげているのか気になっております。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:か行]近藤史恵 | 14:00 | comments(0) | - |
桜姫/近藤史恵
評価:
近藤 史恵
角川書店
¥ 540
(2008-02)
十五年前、大物歌舞伎役者の跡取りとして将来を期待されていた少年・音也が幼くして死亡した。
それ以後、音也の妹・笙子は、自らの手で兄を絞め殺す悪夢を見るようになる。
自分が兄を殺したのではないだろうか?
誰にも言えない疑惑を抱えて成長した笙子の前に、音也の親友だったという若手歌舞伎役者・市川銀京が現れた。
二人は音也の死の真相を探ろうと決意するが――。
封印された過去の記憶をめぐる、痛切な恋愛ミステリー。


歌舞伎役者の娘・笙子は身に覚えのない公演の招待券を貰い「桜姫東文章」を見に行く。
そこで中村銀京という若手役者から、笙子に会いたくて招待券を送ったこと、そしてそれは彼女の亡くなった兄の不審な死因を知りたいことを聞かされる。
実際には兄には会ったこともないというのに、幼少時から彼を殺す夢を見続けていた笙子は、真実を知りたいと動きはじめるが……というストーリーです。

今泉文吾シリーズの一作、ということになるのでしょうが、系統立てて読んでいないので順序がよくわかりません。
とにかく歌舞伎が絡んだ作品です。
「二人道成寺」(参考)で得た教訓を生かし「これは恋愛小説恋愛小説」と唱えて読んだせいか、それなりに楽しめました。
丁寧な作品だと思います。
ですが、やはり提示された音也少年はどうやって死んだのか、そして中盤登場する少年役者は何故死んだのか、という二つの謎に注目してしまうのも確か。
そのあたりの処理に納得がいかないというか、カタルシスがないので、平凡な読後感になってしまいました。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:か行]近藤史恵 | 17:46 | comments(0) | - |
二人道成寺/近藤史恵
恋路の闇に迷うた我が身、道も法も聴く耳持たぬ――離縁の御曹司岩井芙蓉と抜擢によりめきめき頭角を顕した中村国蔵。
人気、実力伯仲するふたりの若手女形は、かねて不仲が噂されていたが……。
芙蓉の妻・美咲が恋したのは誰だったのか。
意識の戻らぬ彼女をめぐる謎を今泉文吾が解き明かす。
切なさが胸に響く歌舞伎ミステリー。


歌舞伎役者である瀬川小菊は、人気女形・中村国蔵から探偵を紹介して欲しいと頼まれる。
学生時代の友人でり梨園に詳しい今泉を紹介した小菊ではあったが、すぐに国蔵とライバル視されている中村芙蓉と絡んでおかしな話を聞かされる。
一方、一年前、芙蓉の番頭である実は芙蓉の妻である美咲から夜中に電話で呼び出されていた……というストーリー。

著者の「ねむりねずみ」を読んでいないと「?」となる部分もあるかもしれませんが、基本的にはこれ一冊で読めるはずです。
綺麗なお話でした。
純粋にミステリとしてならこの手法は苦手なのですが、ミステリの要素がある恋愛小説と捉えれば歌舞伎という非日常の舞台設定も加わって、上手い作品です。
最初から恋愛小説として読めば、このミステリとしてのがっかり感がなかったでしょうに……。
そういう意味で残念。
もちろん全体的には好きなのですけどね。
| [国内作家:か行]近藤史恵 | 12:38 | comments(0) | - |
天使はモップを持って/近藤史恵
評価:
近藤 史恵
文藝春秋
¥ 690
(2006-06)
深く刺さった、小さな棘のような悪意が、平和なオフィスに8つの事件をひきおこす。
社会人一年生の大介にはさっぱり犯人の見当がつかないのだが―「歩いたあとには、1ミクロンの塵も落ちていない」という掃除の天才、そして、とても掃除スタッフには見えないほどお洒落な女の子・キリコが鋭い洞察力で真相をぴたりと当てる。


連作短編集で
「オペレータールームの怪」「ピクルスが見ていた」「心のしまい場所」「ダイエット狂想曲」「ロッカールームのひよこ」「桃色のパンダ」「シンデレラ」「史上最悪のヒーロー」
の計8編を収録。

とにかく探偵役のキリコがキュートで、可愛い作品でした。
ジャンルとしては日常の謎系でしょう。
舞台が同じ会社内なので、こんなにぎすぎすして大丈夫?と思わないでもないですが、登場した人物が次の話でもきちんと働いて出てきたりするので、ちょっと安心したり…。
そして最後の「史上最悪のヒーロー」は、お話の最後を飾るのに良いストーリーでした。
| [国内作家:か行]近藤史恵 | 11:17 | comments(0) | - |
狼の寓話/近藤史恵
評価:
近藤 史恵
徳間書店
¥ 600
(2007-04)
大阪の南方署、刑事課に配属の會川圭司は最初の現場でどじを踏んでしまった。
犯行現場のバスルームで鑑識がみつけた髪の毛を流してしまったのだ。
そんなヘタレな刑事が新しく組んだ相棒が黒岩という女刑事。
こちらもお荷物扱いのようだが……。


刑事課に配属されやる気満々だったはずの圭司は、初めての現場で死体にうろたえ証拠を駄目にしてしまう。
処罰をびくびくしていた彼が組まされたのが黒岩という女刑事で、すでに犯人が判明しているらしい事件の裏づけを2人でやれという。
早速飛ばされたか、としょげる圭司だったが、取り組むことになった事件は何だか一筋縄ではいかない雰囲気で……というストーリー。

主人公の圭司の一人称で進む警察ミステリです。
派手さはないのですが、長くないお話の中で登場人物たちがそれぞれ肉付けされていて、圭司とその弟の会話もほのぼのしていてクスッと笑いたくなりますし、黒岩刑事のオンオフも面白い。
そして事件そのものはわりと陰惨。
直接的に残酷な描写があるわけではありませんが、悲しくなりました。
| [国内作家:か行]近藤史恵 | 11:07 | comments(0) | - |
スタバトマーテル/近藤史恵
スタバトマーテル
スタバトマーテル
近藤 史恵

欠けたものは欠けたもの同士で、寄り添っていけばいい―プロの資質を備えながらも、本番で歌えない声楽家・りり子。
若くして高名を得ながら、母親なしでは作品を描けない版画家・大地。
惹かれあい、つきあい始めた二人。
しかしりり子に次々と危険が…!
愛と不信が交錯する恋愛ミステリー。


この著者はデビュー作から粘着質な恋愛ミステリを書いた方ですから、これもまた非常にある意味「怖い」作品でした。
主役で語り手のりり子がまた可愛いだけの女じゃない。
すべからく女というのはそういうものなのでしょうが、加えて生きるのに不器用なところが感情移入を助けております。
ただこういう分野だと頭を切り替えて読まないと、苦手な人にはイラっとくる部分がたくさんありそうです。
| [国内作家:か行]近藤史恵 | 00:45 | comments(0) | - |
アンハッピードッグズ/近藤史恵
アンハッピードッグズ
アンハッピードッグズ
近藤 史恵

最初に人を好きになったときから、わたしは失う予感におびえている。
どんなに言葉と約束を重ねても、その予感はなくならない。
でも、苦い想いを積み重ねた先には、新しい風景が広がっているのかもしれない―。
パリを舞台に交差する男女を描く気鋭の恋愛小説。


結構あっさり読める恋愛小説です。
パリで同棲しているカップルの所に、強盗に遭って行き場を失くした新婚旅行の夫婦が宿泊する。
この最初の部分だけでその後の展開が読めてしまうのですが、決着のつけ方が捻りがないようであるようで、好みでした。
文章も読みやすいですし、恋愛小説がお好きな方は良いのではないでしょうか。
ただ私は恋愛の機微というやつが一切ない人間でして、昔から聞きたいことはすぐに聞くし言いたいことははっきり言う、嫌な部分があれば嫌だと抗議し結論を早く出せと怒鳴ってきたので、このアンニュイな雰囲気は作り物としては楽しめても実感には程遠い。
しかも舞台がパリ!
下手なファンタジー小説より、個人的にはファンタジーです。
(恋愛ってそんなものなのかもしれませんが)
| [国内作家:か行]近藤史恵 | 00:36 | comments(0) | - |
ガーデン/近藤史恵
ガーデン
ガーデン
近藤 史恵

小函を抱えて今泉文吾探偵事務所を訪れた奥田真波は「火夜が帰ってこないんです」と訴える。
カヤ、人を魅惑せずにはいない謎めいた娘だ。
函の中身を見て只事ではないと行動を開始した探偵は、幾人もの死を招き寄せるあやかしの庭へ……。
周到な伏線と丹念に組み立てられた物語世界、目の離せない場面展開がこたえられない傑作ミステリ。


これは駄目でした。
「ねむりねずみ」を先に読んでおかなかった私が悪いのかもしれませんが、これのせいでしばらく近藤史恵はいいや…という気分になってしまったのは事実。
現実と虚構が入り乱れる構成や雰囲気は悪くはないのでしょうが、何しろ文章が拙い。
デビュー前に書かれた作品というのですから仕方がないのかもしれませんが、それを補って余りあるような魅力が私には届かなかったということです。
| [国内作家:か行]近藤史恵 | 22:43 | comments(0) | - |
凍える島/近藤史恵
凍える島
凍える島
近藤 史恵

得意客ぐるみ慰安旅行としゃれこんだ喫茶店〈北斎屋〉の一行は、瀬戸内海の真ん中に浮かぶS島へ。
かつて新興宗教の聖地だった島に、波瀾含みのメンバー構成の男女八人が降り立つ。
退屈する間もなく起こった惨事にバカンス気分は霧消し、やがて第二の犠牲者が……。
孤島テーマをモダンに演出し新境地を拓いた、第四回鮎川哲也賞受賞作。


孤島ものにみせかけて実は心理ミステリという構造は嫌いではありませんが、べたべたした表現にうんざり。
恋愛が大きく絡んだ作品は好き嫌いが激しいのです。
女性作家らしい作品と言えば良いのでしょうが、もっとストレートなものを想像していただけに驚きました。
ただ肝心のトリック的な部分は良いです。
ラストも読書中はいらいらしたというのに、嫌ではありませんでした。
かろうじて、という個人的な評価です。
| [国内作家:か行]近藤史恵 | 22:35 | comments(0) | - |
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