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楽園/宮部みゆき
評価:
宮部 みゆき
文藝春秋
¥ 700
(2010-02-10)

評価:
宮部 みゆき
文藝春秋
¥ 680
(2010-02-10)

未曾有の連続誘拐殺人事件(「模倣犯」事件)から9年。
取材者として肉薄した前畑滋子は、未だ事件のダメージから立ち直れずにいた。
そこに舞い込んだ、女性からの奇妙な依頼。
12歳で亡くした息子、等が“超能力”を有していたのか、真実を知りたい、というのだ。
かくして滋子の眼前に、16年前の少女殺人事件の光景が立ち現れた。


9年前世間を騒がせた連続誘拐殺人事件に深く関わり、フリーライターとしての仕事が出来なくなってしまっていた前畑滋子が、ようやく立ち直りかけた頃、知人から奇妙な依頼が舞い込んでくる。
自分の死んだ息子が超能力者だったのではないかと、あちこちの業界関係者に調査を依頼してまわっている女性がいるというのだ。
勝手に自分の名前を出され、困惑しつつも会うことを承知した滋子は、善良なその女性の話に引き込まれて調査をすることに……というストーリーです。

著者はわりとよく超能力モノを書くかと思いますが、今回はそうとも言えず。
また主人公が『模倣犯』で重要な役回りを演じた女性ということで、単純に続編かというと、そうとも言いにくい。
加えて、著者お得意の事件モノかと思いきや、雰囲気が微妙に違う。
なかなか不思議なポジションにあるお話かと思います。

上下巻で長いお話でしたが、まったく疲れず読めました。
読みやすさ、上手さはさすが。
著者の作品を読むとひっかりがほとんどなくて、ホッとさせられます。
それなりに酷い場面もあるというのに、語り口が優しいせいか、あまり深刻にならないのは長所か短所か……(私には嬉しいですが)

ただ、それぞれの登場人物たちの家庭の問題が絡み合いながら丁寧に描こうという姿勢は納得できるのですが、作品としては難しい読後感でした。
滋子が浮かび上がらせるのは、実家に問題があり二人慎ましく暮らしてきた親子やぐれた長女を殺害して家の下に埋めたまま暮らしてきた両親と知らずに過ごしていた妹という家族だけではありません。
滋子自身の家庭もあり、調査で関わる人物や捜査関係者の家族のこともあり、事件を起こした側の家庭の事情までも。
現実に日本は、家庭内での事件が多い国です。
親が子を、子が親を、というニュースをよく耳にします。
さらに事件化する前段階として、親が子の行いにどう対応するか、どう処理するかは、重要です。
そんなことを読後考えさせられはしましたが、そういった重みと「面白かったか」はバランスが難しいところで、私にはやや不満が残りました。
どうしてもエンタテイメント性を優先させたものが好きなので。
それに著者の作品だというだけでハードルが高くなるのは仕方がありません。
超能力を扱う必要があったのか、そもそも『模倣犯』と同じ世界観で描く必要があったのか、等々気になりだしたら止まりません。

それでも、久しぶりに落ち着いて読書できた気がしました。
爽やかな満足感があります。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:ま行]宮部みゆき | 17:19 | comments(0) | - |
誰か Somedody/宮部みゆき
評価:
宮部 みゆき
文藝春秋
¥ 680
(2007-12-06)
今多コンツェルン広報室の杉村三郎は、事故死した同社の運転手・梶田信夫の娘たちの相談を受ける。
亡き父についての本を書きたいという彼女らの思いにほだされ、一見普通な梶田の人生をたどり始めた三郎の前に、意外な情景が広がり始める――。
稀代のストーリーテラーが丁寧に紡ぎだした、心揺るがすミステリー。


今多コンツェルン会長の娘を妻にした杉村三郎は、義父から自転車のひき逃げで死亡した彼の運転手に残された娘たちの相談に乗ってくれないかと頼まれる。
亡き父の人生を本にしたいというのだ。
元編集者でグループ広報誌を作る職についている三郎が名指しされたのはよくわかったので、三郎は聡美と梨子という姉妹に話を聞くのだが、乗り気な妹と異なり、姉は父親の過去を掘り返すことに恐怖を憶えているようで……というストーリーです。

久しぶりに宮部作品を読みましたが、さすがというような読みやすさで、ひっかかるところがまったくありませんでした。
ですが、これだけ長いお話でミステリらしい興奮が全然感じられなかったのが残念。
もちろん人が一人、自転車にひき逃げされるという状況ではありますが死んでいるのですから、明かされる真実はたくさんあります。
主人公が善意からはからずも解いてしまう謎は意外なものです。
ですが、派手さは一切なし。
もともと著者の作品では、このような淡々としたタイプのものは他にもありますから、わからないでもないのですが……。
主人公の男は自分の身の丈がわかったうえで幸せをかみ締めることの出来る良い男ですが一見すると逆玉に乗ったとしか思えない身分で、それ故の周囲の反応はいささか子供っぽい。
これをテーマにしたとしたら、物足りないですね。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:ま行]宮部みゆき | 14:26 | comments(0) | - |
ブレイブ・ストーリー/宮部みゆき
ブレイブ・ストーリー (上)
ブレイブ・ストーリー (上)
宮部 みゆき

小学五年生の亘は、成績はそこそこで、テレビゲームが好きな男の子。
大きな団地に住み、ともに新設校に通う親友のカッちゃんがいる。
街では、建設途中のビルに幽霊が出るという噂が広がっていた。
そんなある日、帰宅した亘に、父は「この家を出てゆく」という意外な言葉をぶつける。
不意に持ち上がった両親の離婚話。
これまでの平穏な毎日を取り戻すべく、亘はビルの扉から、広大な異世界―幻界へと旅立った!


ファンタジーらしからぬ味付けがいかにも宮部作品らしくシビアです。
ですが、話の持って行きかたはジョブナイル小説を意識し過ぎたのか、なんとなく中途半端。
ラストも予定調和でしょうが、好みではありませんでした。
どこかで読んだような設定、よくあるキャラクタ、それでももう少しうまく調理してくれれば良かったのに、と思わずにはいられません。

ブレイブ・ストーリー (中)
ブレイブ・ストーリー (中)
宮部 みゆき
ブレイブ・ストーリー (下)
ブレイブ・ストーリー (下)
宮部 みゆき
| [国内作家:ま行]宮部みゆき | 14:24 | comments(0) | - |
地下街の雨/宮部みゆき
地下街の雨
地下街の雨
宮部 みゆき

麻子は同じ職場で働いていた男と婚約をした。
しかし挙式二週間前に突如破談になった。
麻子は会社を辞め、ウエイトレスとして再び勤めはじめた。
その店に「あの女」がやって来た…。
この表題作「地下街の雨」はじめ「決して見えない」「ムクロバラ」「さよなら、キリハラさん」など七つの短篇。
どの作品も都会の片隅で夢を信じて生きる人たちを描く、愛と幻想のストーリー。


短編集です。
「地下街の雨」「決して見えない」「不文律」「混線」「勝ち逃げ」「ムクロバラ」「さよならキリハラさん」
の7編を収録。
ちょっとSFやホラーっぽい作品も混ざりつつ、すべて短いのでさらっと読める作品集です。
私は好きです。
表題作が一番かな。
| [国内作家:ま行]宮部みゆき | 19:26 | comments(0) | - |
火車/宮部みゆき
火車
火車
宮部 みゆき

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。
自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して―なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?
いったい彼女は何者なのか?
謎を解く鍵は、カード会社の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。
山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。


カード破産という暗いテーマの社会派作品ですが、著者の作品で何をまず人に薦めるかと聞かれればこれをあげるほかありません。
出来た作品です。
語り手の刑事以下、皆が探し人物像か作り上げられていく女性が、結局ほとんど登場しないという構成がいいですし、淡々としていて読みやすい文体も作品にあっています。
こんなに地味なのに、これほどメジャーな作品はそうないのではないでしょうか。
| [国内作家:ま行]宮部みゆき | 19:21 | comments(0) | - |
スナーク狩り/宮部みゆき
スナーク狩り
スナーク狩り
宮部 みゆき

織口邦男が勤める釣具店に、関沼慶子は鉛版を買いに来た。
不審に思った織口は、彼女が銃を持っていることを知り、ある計画を思い付く。
そのためには今晩じゅうに銃を盗まなければならない。
が、その晩、彼女は元恋人・国分慎介の結婚式に散弾銃を持って現われた。
新郎新婦が雛壇に戻る瞬間を狙って…。
スナークとは何か…!?
人間の真実を抉る傑作サスペンス。


ミステリではなくサスペンスなので、それぞれの登場人物の行動は読者は俯瞰できます。
間に合うのか、助かるのか、というハラハラ感と著者らしい「犯罪者の更生」と人間味がうまく合わさった作品です。
暗いですし、最後も私は好みではないのですが、作品としては嫌いではありません。
| [国内作家:ま行]宮部みゆき | 19:16 | comments(0) | - |
淋しい狩人/宮部みゆき
淋しい狩人
淋しい狩人
宮部 みゆき

東京下町、荒川土手下にある小さな共同ビルの一階に店を構える田辺書店。
店主のイワさんと孫の稔で切り盛りするごくありふれた古書店だ。
しかし、この本屋を舞台に様々な事件が繰り広げられる。
平凡なOLが電車の網棚から手にした本に挾まれていた名刺。
父親の遺品の中から出てきた数百冊の同じ本。
本をきっかけに起こる謎をイワさんと稔が解いていく。
ブッキッシュな連作短編集。


連作短編集で、収録は
「六月は名ばかりの月」「黙って逝った」「詫びない年月」「うそつき喇叭」「歪んだ鏡」「淋しい狩人」
の6編。
この短編集は雰囲気が良いです。
「おじいちゃんと孫」というだけで嬉しいですし、会話が良い。
孫が素直な少年なだけで終わらないので、成長物語とも捉えることが出来ます。
ミステリとしては謎は小さめですが、本がキーワードになっているので楽しいですし、日常の謎系の連作短編がお好きな方はどうぞ。
| [国内作家:ま行]宮部みゆき | 12:08 | comments(0) | - |
ステップファザー・ステップ/宮部みゆき
ステップファザー・ステップ
ステップファザー・ステップ
宮部 みゆき

巨額の遺産を相続した若い独身女性の家に侵入してみると、なぜかどの部屋のなかも鏡だらけ。
意外な結末が待ち受ける「ステップファザー・ステップ」など、すばらしい着想と軽妙なユーモアに彩られた傑作7編。


連作短編集です。
「ステップファザー・ステップ」「トラブル・トラベラー」「ワンナイト・スタンド」「ヘルター・スケルター」「ロンリー・ハート」「ハンド・クーラー」「ミルキー・ウェイ」
の計7編。
これ大好きです。
宮部作品はミステリの謎の部分に納得がいかないことが多くて、それを読みやすい文章やキャラクタや雰囲気でカバーしているという評価なのですが、これはその「雰囲気」が大好き。
(まったくもって趣味の問題で、このコメディタッチが気に入らないという方も当然いらっしゃるでしょう)
おかしな双子にいいように扱われるうちに、だんだん本当の「継父」らしくなっていく語り手の泥棒がおかしくて、ちょっとほろりとくる作品です。
他にも泥棒の「親父」や「画聖」など、犯罪者のはずのキャラクタが良いです。
裏社会(とまでハードではないのですが一応)的な謎の解決の仕方も好きです。
| [国内作家:ま行]宮部みゆき | 11:27 | comments(0) | - |
とり残されて/宮部みゆき
とり残されて
とり残されて
宮部 みゆき

勤め先の小学校で、ヒロインは「あそぼ」とささやく子供の幻に出会う。
そんな折、校内プールに女性の死体が…。
その謎にせまる表題作ほか、夢の「場所」捜しから始まる内面の旅を描いて名作の聞こえ高い「たった一人」など六篇を収録。
巧みな伏線、鮮やかな舞台設定。
清新にして熟達の筆致をおたのしみください。


短編集で
「とり残されて」「囁く」「私が死んだ後に」「いつも二人で」「おたすけぶち」「たった一人」
の6編を収録。
ジャンルははどちらかといえばホラー。
後味が多少悪いです。
印象に残っているのは表題作以外だと「おたすけぶち」
全体的に、読みきり漫画によくありそうな設定です。
| [国内作家:ま行]宮部みゆき | 11:18 | comments(0) | - |
龍は眠る/宮部みゆき
龍は眠る
龍は眠る
宮部 みゆき

嵐の晩だった。
雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、道端で自転車をパンクさせ、立ち往生していた少年を拾った。
何となく不思議なところがあるその少年、稲村慎司は言った。
「僕は超常能力者なんだ」。
その言葉を証明するかのように、二人が走行中に遭遇した死亡事故の真相を語り始めた。
それが全ての始まりだったのだ…宮部みゆきのブロックバスター待望の文庫化。


著者が好きらしい、苦悩する少年+超能力モノ。
ぎりぎりでミステリに引っかかっているかな?と思わないでもないのですが、やはり私はこの手の小説が苦手なので…。
それに全般的に彼女の描くキャラクタにはまったく入り込めないので、それを狙った作品は私には合わないのですよね〜。
| [国内作家:ま行]宮部みゆき | 19:22 | comments(0) | - |
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