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中庭の出来事/恩田陸
瀟洒なホテルの中庭で、気鋭の脚本家が謎の死を遂げた。
容疑は、パーティ会場で発表予定だった『告白』の主演女優候補三人に掛かる。
警察は女優三人に脚本家の変死をめぐる一人芝居『告白』を演じさせようとする――という設定の戯曲『中庭の出来事』を執筆中の劇作家がいて……。
虚と実、内と外がめまぐるしく反転する眩惑の迷宮。
芝居とミステリが見事に融合した山本周五郎賞受賞作。


隠れ家的なホテルのカフェ・レストランとなっている中庭で、売れっ子脚本家が毒殺される。
犯人は三人の女優なのか。
それとも、それは脚本の中の出来事なのか。
芝居と現実が、何が入れ子なのか、わからないまま進む……というストーリーです。

これは好みが別れるのではないかと思いましたが、私としては、ガッカリすることの多い著者の作品の中ではかなり好きな作品となってしまいました。
美しいです。
著者の曖昧で含みのある展開や文章の癖を逆手にとって、どこまでが現実なのか、どれが芝居(脚本)の中の出来事なのか、わからないまま進むのがはまっていたかと。
最後まで飽きずに読めました。


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| [国内作家:あ行]恩田陸 | 12:24 | comments(0) | - |
木洩れ日に泳ぐ魚/恩田陸
舞台は、アパートの一室。
別々の道を歩むことが決まった男女が最後の夜を徹し語り合う。
初夏の風、木々の匂い、大きな柱時計、そしてあの男の後ろ姿――共有した過去の風景に少しずつ違和感が混じり始める。
濃密な心理戦の果て、朝の光とともに訪れる真実とは。
不思議な胸騒ぎと解放感が満ちる傑作長編!


明日の朝には別の道へそれぞれ進むことが決定している引越し前夜、空っぽになった部屋で酒盛りを始めた男女は、離れ離れになった後、そうとは知らずに再会した兄妹だったはずだった。
しかし食い違う記憶。
お互いに抱く疑惑。
朝まで語ることで、それは何を生むのか……というストーリーです。

共有しているはずの記憶に齟齬があって、そこから得た感情も決定的に違う、ということは親しい間柄でも起こることですが、もちろんその場では口論に発展することはあっても、最後には「私は私、他人は他人」と割り切ったり、まぁいいかと忘れることにしたりするものです。
そうしないと、濃ければ濃い程人間関係が長続きしない、と思うのは私の理論でしょうか。
しかし、そういったわずかなズレをこじ開けるように物語に仕立て上げるのはさすが著者という感じの、作品でした。
目論みは好きです。
ですが、最後まで読んで、とにかくあまり面白くありませんでした。
二人の間に点在する謎の解明は、お互いおしゃべりしながら安楽椅子探偵のように指摘しあうだけなので、爽快感はありませんし、もやもやとしたものを余韻として味わうには物語りに深みがない。
結局いつもの「面白いのは最初だけ」という著者の悪い癖が目につくばかりの作品となってしまっている気がしてなりません。
というか、今まで読んだ中でも一二を争う薄味のような。
残念でした。


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| [国内作家:あ行]恩田陸 | 23:27 | comments(0) | - |
月の裏側/恩田陸
九州の水郷都市・箭納倉。
ここで三件の失踪事件が相次いだ。
消えたのはいずれも掘割に面した日本家屋に住む老女だったが、不思議なことに、じきにひょっこり戻ってきたのだ、記憶を喪失したまま。
まさか宇宙人による誘拐か、新興宗教による洗脳か、それとも?
事件に興味を持った元大学教授・協一郎らは〈人間もどき〉の存在に気づく……。


音楽プロデューサーの多聞は恩師の協一郎に呼ばれ、彼の住む水郷都市・箭納倉を訪ねる。
何のためなのか、わからないまま相次いだ失踪事件の説明を受ける多聞だったが、すぐに協一郎の弟夫婦もかつて失踪し戻ってきていたことがわかる。
そこに生じた違和感を、協一郎と多聞、それに協一郎の娘・藍子と新聞記者の高安まで巻き込んで調査していくのだが……というストーリーです。

ぞくぞくするホラーでした。
失踪後、戻ってきた人々から受ける違和感の描写が素晴らしく、おそらく柳川をモデルにした水郷都市というシチュエーションと相まって「何かがいる」と皆が考えていく過程が凄く面白かったです。
正直夜中に読み始めたことを後悔したぐらい。
それなのに、終盤の失速は何だったのでしょうか……。
いえ、恩田陸という作家はそういう作家だというのは、今までで散々学習させられていたはずだったのですから、ここでがっかりしてしまう自分が未熟ということでしょう。
ですが、途中まで本当に良かったので、がっくりしました。
広げた風呂敷の畳み方としては、ありえる展開なのかもしれません。
しかし投げやりな印象しか持てないのは、何故でしょうか。
登場人物に引きずられたのでしょうか。

何にせよ、残念でした。


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| [国内作家:あ行]恩田陸 | 01:24 | comments(0) | - |
いのちのパレード/恩田陸
あちこちから指や手の形をした巨岩が飛び出す奇妙な村に、妻と私はやって来た(『観光旅行』)。
主人公フレッドくんが起き抜けから歌うのは、ミュージカルだから(『エンドマークまでご一緒に』)。
「上が」ってこの町を出るために、今日も少女たちはお告げを受ける(『SUGOROKU』)。
小説のあらゆるジャンルに越境し、クレイジーで壮大なイマジネーションが跋扈する恩田マジック15編。


短編集で
「観光旅行」「スペインの苔」「蝶遣いと春、そして夏」「橋」「蛇と虹」「夕飯は七時」「隙間」「当籤者」「かたつむり注意報」「あなたの善良なる教え子より」「エンドマークまでご一緒に」「走り続けよ、ひとすじの煙となるまで」「SUGOROKU」「いのちのパレード」「夜想曲」
の計15編を収録。

文句を言いつつ読み続けている著者の作品ですが、思えば前読んだ作品から間が空きました。
いつもまとめて読む傾向にあるので、たぶんこれから感想が続きます。

これは著者が影響を受けたという、早川書房の異色作家短編集のような短編集を作りたいという思いで連載した作品をまとめたものだそうです。
異色と聞けば、確かに異色だったかもしれません。
非常に読みにくかったです。
その読みやすさだけは完全に認めているはずの著者の作品を、そう思う日が来ようとは……。
たぶん、長編のような短編だからでしょう。
話ひとつひとつは、まったく繋がっていません。
他の作品のスピンオフも(たぶん)なく、ホラーやファンタジー、ミステリに近いものまで様々です。
ところが、これまた著者の言うように一冊の本として読めてしまうような、何故か雰囲気というか手触りが同じなんです。
設定は様々なのに、雰囲気は前の作品を引きずるとあって、何だかごちゃごちゃしてしまいました。
これは著者が目的通りに書ききるうまい作家である証拠なのでしょうに、うまく楽しめない自分が残念です。
ただ、著者のぐいぐい読者を引っ張りこむ力は、短編には不向きなのでは?という思いも。
加えて、これは好みの問題ですが、何だか説教臭く感じました。

面白く感じた作品は、やっぱり著者のカラーが出ていると思う「夕飯は七時」と、ありがちでブラックな「あなたの善良なる教え子より」、質より何よりミュージカル好きなんだなぁと嬉しくなってしまう(私も好きです)「エンドマークまでご一緒に」でしょうか。
一番は?と聞かれると、純粋にアイデアが面白かった「SUGOROKU」です。
しかし、最も印象に残っているのは「スペインの苔」
こんなに何度も読み直したのは久しぶりです。


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| [国内作家:あ行]恩田陸 | 01:02 | comments(0) | - |
ネクロポリス/恩田陸
評価:
恩田 陸
朝日新聞出版
¥ 756
(2009-01-09)
英国と日本の文化が融合した世界「V.ファー」の「アナザーヒル」では、死者と交流する「ヒガン」と呼ばれる行事が毎年行われている。
「V.ファー」で連続殺人事件が発生した年、聖地である「アナザーヒル」でも事件が起きる。
犯人探しが進むなか、不思議な風習に彩られた「アナザーヒル」が変質し始める――。
著者初の上下巻作品となった大作ファンタジーが待望の文庫化。
解説は漫画家・萩尾望都氏。


アナザー・ヒルと呼ばれる聖地に一ヶ月篭る「ヒガン」という儀式。
それは死者が「お客さん」として生者の前に実体を持って現れるというもの。
その信じがたい儀式は、イギリス領であるもののもともと日本人が多く混血が進み、日本の伝統行事や文化が奇妙な姿で残っているV.ファーでは毎年のものだ。
しかし今年は皆の興味の的として「血塗れジャック」と言われる連続殺人事件があった。
5人の被害者たちは「お客さん」としてあらわれ、そして犯人を告発するのか?
初めて参加することが許可された日本人の学生ジュンは、半信半疑で船に乗り込むが……というストーリー。

上下巻で長かったですが、文章がうまいし設定が面白いのでさくっと読めました。
実質2時間ちょっとぐらい。
最初からファンタジーな設定で飛ばしてくれるので慣れるまでにやや戸惑いましたが、納得してしまえばなんとも魅力的でした。
それだけに、謎の解決があっさりしていて拍子抜け。
上下巻1600枚も書くなら、起承転結のバランスにも注意して欲しいです。
オチはありかなと思えるだけに残念。
たぶん設定と登場人物が多すぎるんですね。
これがライトノベルみたいに1巻、2巻……と続けて書けるなら横道にそれても良かったのでしょうが……。
まあ、「死者が生身の身体を持って帰ってくる」というゾンビ設定でほのぼのさせることが出来るのはさすがの一言でした。

しかし著者のヤタガラス好きはよくわかりません。
あと、語り手のジュンが東京に残してきた恋人「苑子」が思わせぶりに描かれているのですが、どこかの作品とリンクしているのでしょうか?
(恩田陸を読むにあたってアドバイスしてくれた友人曰く、思い当たらないということですが……)


上下巻完結。
ネクロポリス 下 (朝日文庫)
ネクロポリス 下 (朝日文庫)
恩田 陸


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| [国内作家:あ行]恩田陸 | 10:33 | comments(0) | - |
ユージニア/恩田陸
評価:
恩田 陸
角川グループパブリッシング
¥ 660
(2008-08-25)
あの夏、白い百日紅の記憶。
死の使いは、静かに街を滅ぼした。
旧家で起きた、大量毒殺事件。
未解決となったあの事件、真相はいったいどこにあったのだろうか。
数々の証言で浮かび上がる、犯人の像は――。


K市で起きた、帝銀事件にも似た大量殺人事件。
家人の誕生日を祝うその日に、旧友からの贈り物として振舞われた祝いの飲み物の中に農薬が入っていたことで、旧家は凄惨な事件現場となる。
死亡者は17名。
一族の者以外に、近所の人間や出入りの業者も巻き込まれ、生き残ったのはそこの美しい、盲目の少女のみ。
それから10年の時が過ぎ、事件の際にその場に居合わせた少女が長じてフィクションともノンフィクションともとれる本を出版するが……というストーリー。

第133回直木賞候補作にもなり、第59回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門賞を受賞した作品です。
いかにも「恩田陸」らしいと思いました。
著者が作り上げた舞台(事実としての舞台では金沢ですね)も、登場人物も、事件も、すべて真っ当なミステリを構成させるぬ相応しいものなのに、すべてがぼんやりとした印象のままお話が進みます。
多くの関係者の証言で物語が出来上がっていく手法は「Q&A」(参考)と同じ。
とはいえ「犯人」を著者は読者に推理させていますが、それが「真実」なのかどうかは決して書ききらないままラストへ……という雰囲気です。

恩田作品をよく読まれる方にはお馴染みかもしれませんが、これが合う方と合わない方がいらっしゃるでしょう。
私はどちらかというと苦手です。
読みやすさも、物語に引き込む力もさすがという感じなので、これを素直に読めない自分がちょっと嫌かも。


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| [国内作家:あ行]恩田陸 | 17:28 | comments(0) | - |
蒲公英草紙―常野物語/恩田陸
20世紀初頭の東北の農村。
少女峰子は、集落の名家・槙村家の聡子嬢の話し相手を務めていた。
ある日、聡子の予言通りに村に謎めいた一家が訪ねてくる。
不思議な力を持つ一族を描く感動長編。


「常野物語」第2作。

医者の娘である峰子は、村の名家である槙村家の末の娘・聡子の話し相手として屋敷に通うようになる。
生まれつき心臓が悪く長生きできないと言われている聡子は美しく聡明な少女だった。
昔ながらの豪農である槙村家には自称発明家や、洋画家、書生の青年など多く滞在していて賑わしいのが常であったが、ある日不思議な春田一家が訪れ……というストーリーです。

「光の帝国―常野物語」のシリーズとしての続編、となりますが、話を一切憶えていない私でも素直に読めたので気にする必要はないかと思われます。
というか、こんな大正期の話はあの短編集にはなかったと思うので、不思議な力を持つという常野一族のあれこれを様々な角度で追いかけるのが著者の狙いなのでしょう。

峰子という少女の回顧形式で語られる物語は、少女時代の美しい記憶を思い出しているという設定からか最初から物悲しかったです。
物語の中心となる主家の娘・聡子の死が度々近いものだと予告されているせいもあるでしょう。
しかし、その雰囲気をうまく使って、読者に魅せている作品でした。
ただ、それだけに、途中登場する常野一族が浮いているような……。
特にシリーズ作品にせずとも、処理できたお話のような気がします。
どうしても超能力(っぽいもの)でしかクライマックスを作れないのでしょうか。
確かに、文章の読みやすさが、この手の物語に軽さを与えてしまいかねないのはわかりますし、峰子の視点が視点でしかないような、深みが感じられないものではありましたが。
全体的には読みやすいですし、悪くはないと思います。
でも次の「常野物語」が文庫化した時には、この作品の内容も忘れているような気がするなぁ。


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| [国内作家:あ行]恩田陸 | 18:01 | comments(0) | - |
夏の名残りの薔薇/恩田陸
沢渡三姉妹が山奥のクラシック・ホテルで毎年秋に開催する、豪華なパーティ。
参加者は、姉妹の甥の嫁で美貌の桜子や、次女の娘で女優の瑞穂など、華やかだが何かと噂のある人物ばかり。
不穏な雰囲気のなか、関係者の変死事件が起きる。
これは真実なのか、それとも幻か?
巻末に杉江松恋氏による評論とインタビューも収録。


沢渡グループの先代社長の頃から行われている山奥のホテルでのパーティは、その娘の三姉妹の手によって恒例となっていた。
湊時光は姉・桜子の縁で招かれていたが、三姉妹の長女・沢渡伊茅子に招かれたお茶会で衝撃的な忠告を受け……というストーリーです。

というかはっきりしたストーリーがない作品です。
繰り返し繰り返し同じような、しかしどこか異なったストーリーが「第一変奏」「第二変奏」……というように語られ、どこからどこまでが事実でどこからどこまでが登場人物の妄想なのかわからないのです。
事件は起きます。
しかしそれを真っ当に解決しようと思ったら駄目です。
登場人物たちはまったくそれをしようとしませんし、この作品が求めているところとも異なります。

それが気に入ったかと聞かれれば、YESともNOとも言い難い感じ。
モチーフにしたという、そして各所で引用されている「去年マリエンバートで」という映画と散文が邪魔だと感じ、気に入りませんでした。
また登場人物の関係は、著者の筆でさらっと流してしまえそうですが、個人的には気色が悪いです。
だから良かった、という感想はあまりないのですが、だからといって面白くなかったかというとそういうこともありません。
テーマ自体は面白いのです。
雰囲気そのものも嫌いではありません。
何だか不思議な読後感でした。
ただ巻末インタビューは面白かったです。


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| [国内作家:あ行]恩田陸 | 23:49 | comments(2) | - |
黄昏の百合の骨/恩田陸
強烈な百合の匂いに包まれた洋館で祖母が転落死した。
奇妙な遺言に導かれてやってきた高校生の理瀬を迎えたのは、優雅に暮らす美貌の叔母2人。
因縁に満ちた屋敷で何があったのか。
「魔女の家」と呼ばれる由来を探るうち、周囲で毒殺や失踪など不吉な事件が起こる。
将来への焦りを感じながら理瀬は――。


「麦の海に沈む果実」の続編。

イギリスで暮らしていた理瀬は、祖母の遺言に従ってかつて彼女と暮らした洋館に戻ってきていた。
理瀬が暮らさないと館の処分ができないというからだ。
血が繋がっていない叔母・梨南子と梨耶子の二人と「魔女の館」と周囲から噂されながら暮らすことになった理瀬も、そして叔母二人もそれぞれ目的があるようで……というストーリーです。

これぞ恩田陸!というような世界観でした。
正直、前作の「麦の海に沈む果実」(参考)は気に入るも気に入らないもない程度だったのですが、こちらは良かったです。
はまりました。
女だけが住む洋館の不吉な噂話に、祖母の不自然な死、彼女が遺したとされる“ジュピター”とは何なのか、と主人公の理瀬にとっては誰も信用が出来ない状態で、その不安定さが綺麗に描かれています。
また、読者にとって面白いのは、理瀬すら「信用」できないのです。
前作でもそうでしたが、それは所謂「信頼できない語り手」であってこの作品とは方向性が違います。
善意が突如として悪意に変化する醍醐味を存分に味わいました。
これは続きも楽しみです。

これ単体でも読もうと思えば読めるのでしょうが、個人的には「麦の海に沈む果実」だけでなく「図書室の海」(参考)収録の「睡蓮」も読んでおいた方がわかりやすいと思います。


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| [国内作家:あ行]恩田陸 | 19:13 | comments(4) | - |
puzzle/恩田陸
評価:
恩田 陸
祥伝社
¥ 400
(2000-10)
学校の体育館で発見された餓死死体。
高層アパートの屋上には、墜落したとしか思えない全身打撲死体。
映画館の座席に腰掛けていた感電死体――コンクリートの堤防に囲まれた無機質な廃墟の島で見つかった、奇妙な遺体たち。
しかも、死亡時刻も限りなく近い。
偶然による事故なのか、殺人か?
この謎に挑む二人の検事の、息詰まる攻防を描く驚愕のミステリー。


検事の関根春は、同期の黒田志土に誘われ、廃墟が残る無人島へ行く。
そこではほとんど同時刻に死んだと思われる3体の死体が発見されていた。
偶然からそのうちの一人が志土の高校時代の行方不明になっていた友人だということがわかったものの、他の二人の身元は判明しないまま。
死因もそれぞれ別々。
この事件を春は志土と共に現場検証をしながら考えていくが……というストーリーです。

祥伝社文庫創刊十五周年記念の400円文庫なので、非常に薄く短いお話です。
そのため、それでなくてもさらっと読める筆の著者だというのに、余計にあっさり。
面白くなかったわけではないので、このボリュームのなさが物足りませんでした。
綺麗にまとまっているとは思うのですけどね。
ミステリらしい部分もあり、恩田さんらしいはっきりしない読後感もあり、まあまあというところなのではないでしょうか。
トリックは馬鹿馬鹿しさもあるかもしれませんが、私はこういう大仰なものが好きなので納得。
物語のメインは物質的な謎解きではないでしょうしね。

検事として登場する関根春は、「六番目の小夜子」(参考)に出てきた関根秋の兄であり、「象と耳鳴り」(参考)でもお馴染みのキャラクタでもあります。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:あ行]恩田陸 | 13:14 | comments(0) | - |
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