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一瞬の風になれ/佐藤多佳子
春野台高校陸上部、1年、神谷新二。
スポーツ・テストで感じたあの疾走感……ただ、走りたい。
天才的なスプリンター、幼なじみの連と入ったこの部活。
すげえ走りを俺にもいつか。
デビュー戦はもうすぐだ。
「おまえらが競うようになったら、ウチはすげえチームになるよ」。
青春陸上小説、第一部、スタート!


神谷新二は、サッカー強豪校で活躍し代表候補にも選ばれ、プロを当然のように目指す兄・健一と共にプレーすることを目指しサッカーを続けていたが、決して兄には追いつけないことや自分に才能がないことを悟り、高校進学の際にやめてしまう。
他に自分には何があるのか、白紙状態で入学した地元の公立高校には、小学生の頃からの友人・一ノ瀬連がいた。
中学時代陸上で全国へ行ったことのある連だが、それに執着はなく、人間関係のトラブルであっさりやめていた。
そんな連と新二が体育の授業で競争したことから、二人は決して強くない陸上部に入部することになる。
二人は、共に400メートルリレーの選手として認めあい、競争しながら成長していく……というストーリーです。

1巻、2巻……という形式の作品は巻ごとに、長くても上・中・下……という表示だとまとめて、というルールで感想を書いてきたのですが、どうしてもこの作品は分ける必要が感じられなかったので、まとめてしまいました。
第28回吉川栄治文学新人賞、2007年本屋大賞受賞作です。
直木賞の候補にもなったりと、かなり話題になったこと。
また、著者の作品が元々好きなことから、文庫化するのも待っていましたし、かなり期待をして読みました。
結果、がっかりしてしまいました。

悪い意味で普通。
感動とか興奮とか、スポーツや青春物で感じるあれこれがほとんどありませんでした。
天才的なサッカー選手である兄(この兄の扱いが酷い)と同じ競技をやっているという繋がりを無理矢理断ち切ったと思ったら、すぐに連という陸上の天才と隣で走ることになった葛藤とかがもっとあっても良いと思うんですけどね。
あっけらかんとしてて、しかも主人公まで「そっち側」の人間だなんて、安易な……。
もちろん彼なりに悩んではいますがね。
清涼飲料水の広告みたい。
そんなあっさり感が強くて、キャラクタにも魅力を感じませんでしたし、長い物語の割にエピソードのそれぞれの印象が薄いです。
もっと短くして山場をセオリー通りに作った方がマシだったかと。
あと、主人公の軽い一人称がとてつもなく苦手でした。
読みやすいですし、これがこの物語の重要な要素なのはわかりますが、こればかりは趣味の問題でして……。
やや残念な読後感でした。

この作品、あさのあつこ『バッテリー』と森絵都『DIVE!!』と同列で紹介されていましたが、納得できるような。
これらの作品が好きだったら読んでみても良いかと思います。
私も2作とも、嫌いではないのですが……。
何の事前知識もないまま読んでいたら、私の評価も違っていたかなぁと思うと、そういう意味でも残念。

それにしても、スポーツ物でコレ以外のラストはないのでしょうか?
あまりスポーツを題材にした青春小説を読んでいないのかもしれませんが、漫画も含め、コレ以外を見た記憶がほとんどありません。
そんなことはないぞ!これ面白いよ!という作品があったら紹介してもらいたいです。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:さ行]佐藤多佳子 | 21:58 | comments(0) | - |
黄色い目の魚/佐藤多佳子
黄色い目の魚
黄色い目の魚
佐藤 多佳子

海辺の高校で、同級生として二人は出会う。
周囲と溶け合わずイラストレーターの叔父だけに心を許している村田みのり。
絵を描くのが好きな木島悟は、美術の授業でデッサンして以来、気がつくとみのりの表情を追っている。
友情でもなく恋愛でもない、名づけようのない強く真直ぐな想いが、二人の間に生まれて―。
16歳というもどかしく切ない季節を、波音が浚ってゆく。
青春小説の傑作。


ちょっと不器用な登場人物を描くのがうまいのですが、ここでもそれを発揮して、正統派青春小説に仕上げています。
中学生ではこんな行動はできないし、17歳になればもっと安易な方向に流れてしまいそうで、16歳という年齢設定は絶妙。
すぐさま「恋愛」に落ち込んでいかない緊張感が良いです。
| [国内作家:さ行]佐藤多佳子 | 15:52 | comments(0) | - |
神様がくれた指/佐藤多佳子
神様がくれた指
神様がくれた指
佐藤 多佳子

出所したその日に、利き腕に怪我を負ったスリ。
ギャンブルに負けて、オケラになったタロット占い師。
思いっ切りツイてない二人が都会の片隅でめぐりあった時、運命の歯車がゆっくり回り始めたことを、当人たちはまだ知らない。
やがて登場するもう一人がすべてを変えてしまうことも。
「偶然」という魔法の鎖で結ばれた若者たち。
能天気にしてシリアスな、アドベンチャーゲームの行方は。


著者の作品はこれが最初でした。
この作品が日本推理作家協会賞の候補にあがっていてそれで興味を持ったので、てっきりミステリ畑の人だと思って購入しました(児童文学出身の人とは思いませんでした)
うまくまとまっていて、ミステリとしてはインパクトに欠けるものの、とにかく魅力的な登場人物に引っ張られて最後まで読ませてくれます。
純粋に面白かったです。
| [国内作家:さ行]佐藤多佳子 | 15:45 | comments(0) | - |
しゃべれどもしゃべれども/佐藤多佳子
しゃべれどもしゃべれども
しゃべれどもしゃべれども
佐藤 多佳子

俺は今昔亭三つ葉。
当年二十六。
三度のメシより落語が好きで、噺家になったはいいが、未だ前座よりちょい上の二ツ目。
自慢じゃないが、頑固でめっぽう気が短い。
女の気持ちにゃとんと疎い。
そんな俺に、落語指南を頼む物好きが現われた。
だけどこれが困りもんばっかりで…胸がキュンとして、思わずグッときて、むくむく元気が出てくる。
読み終えたらあなたもいい人になってる率100%。


語り手の三つ葉は駆け出し噺家。
何故か話ベタな幼馴染に話し方を教えるはめになったのをきっかけに、問題児ばかりの“生徒”たちに落語を教えることになってしまうのです。
特にツンツンしているくせに酷く傷つきやすい女性にはお互い振り回されてしまい、これが主人公にとっても成長話であることもわかります。
大団円が予想できるというのに、とても気持ちの良いお話でした。

どうも国分太一主演で映画化、来年公開みたいです。
わかりやすーい、恋愛メイン映画になっていそうで不安…。
| [国内作家:さ行]佐藤多佳子 | 15:30 | comments(0) | - |
サマータイム/佐藤多佳子
サマータイム
サマータイム
佐藤 多佳子

佳奈が十二で、ぼくが十一だった夏。
どしゃ降りの雨のプール、じたばたもがくような、不思議な泳ぎをする彼に、ぼくは出会った。
左腕と父親を失った代わりに、大人びた雰囲気を身につけた彼。
そして、ぼくと佳奈。
たがいに感電する、不思議な図形。
友情じゃなく、もっと特別ななにか。
ひりひりして、でも眩しい、あの夏。
他者という世界を、素手で発見する一瞬のきらめき。
鮮烈なデビュー作。


連作短編の形式で
「サマータイム」「五月の道しるべ」「九月の雨」「ホワイト・ピアノ」
の4編からなります。
表題作からしてノスタルジーを感じさせてくれますが、これはジャズの名曲から。
広一の母親がジャズピアニストだからでもありますし、夏の物語だからでもあります。
思春期の子供たちの独特の世界が綺麗に描かれていて、そしてその後も読めます。
私は「ホワイト・ピアノ」が好きですね。
“サマータイム”自体は子守唄なんですけど、歌詞は結構間抜けというか…私が読んだ訳がまずかったのか…あまり気にしないで読んだ方が良いかと思います。
| [国内作家:さ行]佐藤多佳子 | 15:18 | comments(0) | - |
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