スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet/桜庭一樹
評価:
桜庭 一樹
角川グループパブリッシング
¥ 500
(2009-02-25)
その日、兄とあたしは、必死に山を登っていた。
見つけたくない「あるもの」を見つけてしまうために。
あたし=中学生の山田なぎさは、子供という境遇に絶望し、一刻も早く社会に出て、お金という“実弾”を手にするべく、自衛官を志望していた。
そんななぎさに、都会からの転校生、海野藻屑は何かと絡んでくる。
嘘つきで残酷だが、どこか魅力的な藻屑となぎさは序々に親しくなっていく。
だが、藻屑は日夜、父からの暴力に曝されており、ある日――。
直木賞作家がおくる、切実な痛みに満ちた青春文学。


漁師だった父は死に、ひきこもりの兄と中学生の自分を抱えて母がパートで稼ぐだけではどうしようもない家庭に育つ山田なぎさは、早く大人になって“実弾”=お金を稼げるようになることしか興味がなかった。
しかし有名人を父に持ち、自分は人魚だと主張する海野藻屑という少女が引っ越してきたことにより、なぎさの退屈で閉鎖的な世界は崩される。
と同時に、藻屑が自分とは違った世界に生きていることも知るのだが……というストーリーです。

2004年、富士見ミステリー文庫から出版されたものの再版です。
タイトルには出ませんでしたが「Sakuraba kazuki Collection」として角川文庫から出たものです。

冒頭で結末が提示され、そこに至るまでの過程が描かれる作品でした。
その手法が綺麗で、悲劇的であればあるほど映えてきて、うまいと思わされました。
もともとはあまり好きではなかったはずなのですが(最後のオチに驚かされる方が好きです)この作品にはよく合っています。
どうしようもない結末に向かって雪崩のように進んでいってしまう少女たちの姿に、生々しさはあまりないのですが、それも合っていると思ってしまいました。

個人的には最後の、担任の役割に驚きました。
ラストで美味しいところを全部持って行ってしまう脇役って映画ではよくいますが、まさにそんな感じ。
そして作中登場する“ヤバイクイズ”をどこで聞いたか私はよく憶えていないのですが、この作品ではないことは確かなので、ちょっと気になりました。
よく引用されるのでしょうかね。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:さ行]桜庭一樹 | 04:40 | comments(0) | - |
赤×ピンク―Sakuraba Kazuki Collection/桜庭一樹
東京・六本木、廃校になった小学校で夜毎繰り広げられる非合法ガールファイト、集う奇妙な客たち、どこか壊れた、でも真摯で純な女の子たち。
体の痛みを心の筋肉に変えて、どこよりも高く跳び、誰よりも速い拳を何もかも粉砕する一撃を――彷徨のはて、都会の異空間に迷い込んだ3人の女性たち、そのサバイバルと成長と、恋を描いた、最も挑発的でロマンティックな青春小説。


許可を得ているのかいないのかわからない廃校を会員制のクラブの場所とし、女同士の格闘“キャットファイト”をして見せるショーに立つ少女たち。
14歳という設定のまゆ、SMクラブで女王様を兼業とするミーコ、決して少女たちと一緒に着替えをしない“女嫌い”の皐月。
それぞれの少女たちの行く末とは……というストーリーです。

もともとライトノベルのレーベルで発売されていたものです。
角川文庫から再版され、タイトルに「Sakuraba Kazuki Collection」とついているので、今後ここでこの方向を続けるつもりなのかもしれません。

これが一般小説へと進む区切りとなったというだけあって、私は女の子青春小説として特殊な世界を描きながらもわかりやすいお話だったと思います。
ただ、このわかりやすさが読みやすさと安っぽさの両方の原因かもしれません。
それに第1部はまゆ、第2部はミーコ、第3部は皐月、とバトンを渡すようにメインが変わっていきますが、どの女の子への視点も女性的ではなく男性的な気がします。
ライトノベルのメインターゲットは少年なのですから当然かもしれませんが、このあたりに違和感が。
女同士って、たとえ少女という年齢でももっとドロドロした展開を見せるのが普通だと思っているので、何だかさっぱりしすぎているような……。
まあこれは好みの問題でしょう。
私は、今はまったくと言ってよい程手に取りませんが、もともとラノベを読んでいたのでそれなりに楽しめました。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:さ行]桜庭一樹 | 19:51 | comments(0) | - |
少女には向かない職業/桜庭一樹
あたし、大西葵13歳は、人をふたり殺した……あたしはもうだめ。
ぜんぜんだめ。
少女の魂は殺人に向かない。
誰か最初にそう教えてくれたらよかったのに。
だけどあの夏はたまたま、あたしの近くにいたのは、あいつだけだたから――。
これはふたりの少女の凄絶な《戦い》の記録。
「赤朽葉家の伝説」の俊英が、過酷な運命に翻弄される少女の姿を鮮烈に描いて話題を呼んだ傑作。


大西葵は13歳。
学校ではひょうきんな存在として生活し、幼馴染みの男の子と行うゲームに救いを求め、酒びたりで働かない義父と愚痴で彼女を攻撃する母と暮らす家では息を殺している。
夏休みのある日、葵は目立たないクラスメイト・宮乃下静香と出会い……というストーリー。

なんと直木賞作家になってしまった著者の青春ミステリ。
私はどちらかというと、ミステリというより青春小説として読みました。
解説が凝っていて、ミステリとしての仕掛けなんかにも言及されていますが、単に主人公が人を殺してしまうだけという気がして。
それより、思春期の女の子の心理を描くのがうまいのです。
救いがない生活と、学校での抑圧と、クラスメイトとのいざこざと、いかにもありそう。
そこにふっと殺人という行為が入り込んでしまう。
非現実的と非日常の境目のような感じで、違和感がありません。
誰でももしかしたら踏み出してしまうかもしれない、と思えました。
ただ、主人公の女の子のベタベタな一人称が苦手でした。
ラノベ風というか(もともとの出身がそうだからでしょうが)読みにくいのです。
これは好みの問題でしょう。
主人公視点自体は、この物語の構成では必要なものでしょうし。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:さ行]桜庭一樹 | 10:48 | comments(0) | - |
ブルースカイ/桜庭一樹
ブルースカイ
ブルースカイ
桜庭 一樹

西暦1627年、ドイツ―魔女狩りの苛烈な嵐が吹き荒れるレンスの町で、10歳の少女マリーは“アンチ・キリスト”に出会った…。
西暦2022年、シンガポール―3Dアーティストの青年ディッキーは、ゴシックワールドの昏い眠りの中、絶滅したはずの“少女”というクリーチャーに出会う…。
そして、西暦2007年4月の日本。
死にたくなるほどきれいな空の下で…。
3つの箱庭と3つの青空、そして少女についての物語。


私が桜庭一樹という作家さんの名前を目にしたのは「少女には向かない職業」という本ででした。
文庫化したら買おう、他の作品は?と検索して、ライトノベル畑の人であると知りました。
そんななか、これはハヤカワで、手に取りやすかったのですね。
(というか、猛烈にあれほど愛したライトノベルのコーナーに立つのが恥ずかしかった…)
それで感想なんですが……。
読みやすいし、綺麗にまとまったお話なのに、これといった強く惹かれるものがなくてですね。
かといってどこが駄目かと聞かれれば困る。
嫌いじゃないだけに困る。
ひねり出せば、少女の造形が曖昧なことでしょうか。
それよりも第1部のマリーという少女の方がインパクトがあって、それからどうなったんだ!と叫びたくなりました。
うーん、もっと想像力を働かせろってことなんでしょうね〜。
趣味の問題だと思います。
| [国内作家:さ行]桜庭一樹 | 17:12 | comments(0) | - |
| 1/1PAGES |