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弱法師/中山可穂
評価:
中山 可穂
文藝春秋
¥ 550
(2007-02)
かなわぬ恋こそ、美しい──雨の気配を滲ませた母子に宿命的に惹かれ、人生設計を投げ捨てたエリート医師(「弱法師」)。
編集者の愛を得るために小説を捧げ続けた若き作家(「卒塔婆小町」)。
父と母、伯母の不可思議な関係に胸ふるわせる少女(「浮舟」)。
能のモチーフをちりばめ、身を滅ぼすほどの激しい恋情が燃えたつ珠玉の3篇。


短編集で
「弱法師」「卒塔婆小町」「浮舟」
の計3編を収録。

全てが能をモチーフにし、叶わぬ恋がテーマです。
恋愛小説では使い古されたテーマだというのに、それも表題作「弱法師」以外は元となった話からストーリーの流れが予測できたというのに、すごく切なくなりました。
久しぶりに泣きました。
中山可穂といえばレズビアンの、それも性描写がある小説という印象が強いですが、これは著者本人が「書くのに飽きた」と書いているように、直接的なものはありません。
セックスを描かずに官能を描くよう努めたという著者の試みに完全にやられました。
どれも表面的には静かな恋だというのに、内に秘めた激しさが心に残りました。
| [国内作家:な行]中山可穂 | 21:19 | comments(0) | - |
花伽藍/中山可穂
花伽藍
花伽藍
中山 可穂

ひと夏の狂おしく濃密な恋を描く「鶴」。
失恋したばかりの女性が経験する一夜の出来事「七夕」。
別れた亭主が転がり込んだことからはじまる再生の物語「花伽藍」。
別れの余韻が静かに漂う「偽アマント」。
未来への祈りにも似た「燦雨」。
結婚というルールを超えて結ばれた無垢で生々しい愛の歓びと痛み、そして愛にあぶりだされた孤独を、鮮烈に彩り豊かに描いた珠玉の短編集。


短編集。
「鶴」「七夕」「花伽藍」「偽アマント」「燦雨」
の前5編。
どれも結構好きです。
「鶴」はあまりに濃くて、私が立ち入るのは辛い感じなのですが、短編としては良い出来じゃないかな、と思います。
あと「燦雨」は綺麗過ぎて壮絶な物語。
好きなのは「七夕」
短編は軽い話が好きなので、このぐらいのが良いです。
| [国内作家:な行]中山可穂 | 17:42 | comments(0) | - |
深爪/中山可穂
深爪
深爪
中山 可穂

どうしようもなく好きになった。
体が溶けるほど求め合い、もう二度と離れられないと知った。
運命の恋なのに、涙が止まらない。
なぜならあなたは人妻だから―。
強く惹かれあい、もつれあい、傷つけあう二人の女性「なつめ」と「吹雪」。
幼い子供を守るために、壊れかけた家庭を再生しようという吹雪の夫「マツキヨ」。
相容れぬ二つの絆で結ばれた者たちが織り成す、愛と赦しの物語。


三部構成です。
いわゆる三角関係となった「なつめ」と「吹雪」と「マツキヨ」がそれぞれ視点となっています。
レズビアンでなければわりと平凡な恋愛小説なのでしょうが(ただ自分の愛人を「友人」と称して夫に紹介するのは異性愛だと危険ですよね)異色なのは最後の「マツキヨ」の章。
女が想像する都合の良い夫像が投影されているようで、同じ女として居心地の悪さを感じないでもないのですが、妙に感動しました。
あと、恋人が人妻であることをそう気にしていなかった「なつめ」が、夫との仲睦まじい姿を垣間見せられて、二人はセットだと感じ激しい嫉妬に苛まれる部分はすっと心に入ってきました。
軽いな、と思っていたのに、それ以降は真面目に読んでしまいました。
こういうふと入る込んでくる部分があるので、非現実的な恋愛小説として馬鹿にするだけで終わらないのですよね。
タイトルの「深爪」は作中の詞より。
隠微。
| [国内作家:な行]中山可穂 | 17:28 | comments(0) | - |
サグラダ・ファミリア 聖家族/中山可穂
サグラダ・ファミリア 聖家族
サグラダ・ファミリア 聖家族
中山 可穂

孤独なピアニスト響子がかつての“恋人”透子に再会した。
家族の温もりを求めてシングルマザーとなり赤ん坊の桐人を育てている透子に対して、変わらぬ情熱を抱きながらも子供の存在を受け容れられない響子。
そんな三人の不安定な関係が、透子の突然の死によって崩壊した時、響子の前に謎の青年が現れた…。
山本周五郎賞作家が新しい“家族”のかたちを問う、とびきり切ない愛の名品。


全ての作品を読んでいない状態で、賢しげに言うのはどうかとは思いますが、この方の作品には「家族」が深く関わっていることが多い気がします。
恋愛小説なのですが、二人の関係だけでなく、周囲も巻き込み巻き込まれる。
それは同性愛であるということも関わっているでしょうし、著者の考えも入っているでしょう。
それはちょっとうっとおしくもあり、物語に深みが出て引き込まれると同時に、過激なだけでなくほっとさせられる部分です。
この「サグラダ・ファミリア」はその家族への問いかけが大きく出た作品です。
劇的な人生を歩む登場人物たちだというのに、細かい部分で頷ける部分があって、感動できる。
おすすめですね。
| [国内作家:な行]中山可穂 | 20:27 | comments(0) | - |
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