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幽霊人命救助隊/高野和明
浪人生の高岡裕一は、奇妙な断崖の上で3人の男女に出会った。
老ヤクザ、気弱な中年男、アンニュイな若い女。
そこへ神が現れ、天国行きの条件に、自殺志願者100人の命を救えと命令する。
裕一たちは自殺した幽霊だったのだ。
地上に戻った彼らが繰り広げる怒涛の救助作戦。
傑作エンタテインメント、遂に文庫化!


何故だかわからないまま絶壁を登りきった場所で、裕一はエネルギッシュな老人、気弱そうな中年男、それに倦怠感をまとわせた若い女と出会う。
彼らによると、なんと自分達は幽霊で、ここは死後の世界らしい。
自分が自殺したことを思い出した裕一は後悔の念にかられるが、じっくり思いをはせる暇もなくパラシュートで自分は神だと名乗る男がやってきて、4人に天国へ行くための試練を与える。
それは現世で49日間のうちに自殺しようとしている人間を100人救うこと……というストーリーです。

軽いエンタテイメント作です。
幽霊が自殺志願者を助けるという設定はつくづくファンタジーですし、自殺したという4人にはこれといった悲壮感が感じられません。
鬱などで悩んで自分で自分の命を絶とうという人にはもっと陰惨な雰囲気があって当たり前だと思うのですが、主人公たち以外の登場人物にもなし。
ラストも悪く言えば適当。
しかも、これが私が大笑いしたものなのですが、自殺しようとする人たちをどうにか思いとどませる方法が間抜けなのです。
幽霊であるのに空も飛べなければ壁抜けも出来ない、当然ポルターガイストなんて話題にも上らないという状況でどう翻意させるかというと、耳元で特別なメガホンを持って叫ぶのです。
「ここで死んでも何にもならないぞ!」
「奥さんと子供はどうする!」
などと。
聞かされた方は何となくそういう気分になることがある(虫の知らせとかのレベルですね)というこの状況が完全に阿呆。
態度が冷たくなっていた妻の支えが必要となれば、妻の耳元で
「好きよ、好きよ、ジュテーム」
ですよ?
映像化されたところを想像して吹き出しました。
もちろん身体に入り込んだら感情や記憶を読み取れるという特殊能力はあるのですけどね。
私のように完全にお笑いとして読むには自殺問題にさらっと切り込んでいる内容から不謹慎かもしれませんが、読みやすい楽しい作品であることは間違いないと思います。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:た行]高野和明 | 17:49 | comments(0) | - |
グレイブディッガー/高野和明
グレイヴディッガー
グレイヴディッガー
高野 和明

改心した悪党・八神は、骨髄ドナーとなって他人の命を救おうとしていた。
だが移植を目前にして連続猟奇殺人事件が発生、巻き込まれた八神は白血病患者を救うべく、命がけの逃走を開始した。
首都全域で繰り広げられる決死の追跡劇。
謎の殺戮者、墓掘人の正体は?
圧倒的なスピードで展開する傑作スリラー巨編。


デビュー作の評価が高いと2作目はきついものですが、私はこれの方が好きです。
とんでもない悪党だった八神が骨髄移植のドナーとなるという流れも好きですし、キャラクタも面白い。
それに悪党だったが故に、死体を発見しても通報したりしない(できない)で逃げることになるという流れがスムーズ。
これがドナーとなるためのタイムリミットと警察や謎の殺人者との追いかけっこにつながるわけで、時間を区切ることでスピード感が増しますし、普通ならありえない逃避行に読者として納得できます。
「墓掘人」云々は?と思わないでもないですが、この構成が大好きなので、多少他キャラクタに個性がなかろうと、文体が軽かろうと、許せちゃうんですね。
これは本当に好みの問題です。
「十三階段」で大感動したした方と文章が許せなかった方以外には、読んでみても良いのではないかと言える…かも。
| [国内作家:た行]高野和明 | 20:56 | comments(0) | - |
十三階段/高野和明
13階段
13階段
高野 和明

犯行時刻の記憶を失った死刑囚。
その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。
だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。
処刑までに残された時間はわずかしかない。
2人は、無実の男の命を救うことができるのか。
江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。


デビュー作としては相当な力作であることは確かです。
後から考えると「あそこが駄目」「この部分の描写はどうなの?」と色々考えてしまうのですが、一気に読ませる力は凄いです。
ただ、正直後味が悪く納得するのにも力が要りました。
これも主人公の二人、南郷と三上が両者とも感情移入しにくい人物として描写されていたことが大きいのでしょう。
死刑制度についての意見は、多少浮き気味。
小説に自分が調べたことを思い切り詰め込みたくなるのはわかりますが、消化した感じでさらっと書かれていた方が泥臭さはなくなりますよね。
映画化は納得…映像化に合った作品だと思います。
江戸川乱歩賞はミステリというよりサスペンスですが、これも純粋に謎だけならかなりわかりやすいです。
なので、主人公たちと一緒にどきどきしてあげられる方には良いかと思います。
| [国内作家:た行]高野和明 | 20:46 | comments(0) | - |
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