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蜻蛉始末/北森鴻
評価:
北森 鴻
文藝春秋
¥ 770
(2004-08)
明治十二年、政商・藤田伝三郎は贋札事件の容疑者として捕縛された。
その十七年前、高杉晋作の元に集まる志士たちの中に伝三郎がいた。
幼馴染みの“とんぼ”宇三郎が影のように寄り添う。
奇兵隊結成、禁門の変……幕末から明治にかけての激動の世の中で「光」と「影」の宿命を負った二人の友情と別離、対決を描く傑作歴史長篇。


見に覚えのない贋札で厳しい取調べを受ける傳三郎。
その贋札の特徴を聞かされた傳三郎は、自分にかけられた罠が一体誰の手によるものかを悟る……という冒頭のシーンから過去を遡る形式で描かれた作品です。

最も悪いのは、歴史小説だと思わずに読み始めた自分かもしれません。
これはミステリではないでしょう。
肩透かしを食らった感じでした。
加えて、私は全体的にどの作品でも著者の描くキャラクタに深みをあまり感じないので、これといった「謎」のない物語にはまりこめず。
力が入っている作品であることや、傳三郎とその幼なじみ“とんぼ”の関係に幕末の動乱は魅力的だったのですが……。
| [国内作家:か行]北森鴻 | 10:10 | comments(0) | - |
触身仏―蓮丈那智フィールドファイル<2>/北森鴻
触身仏―蓮丈那智フィールドファイル〈2〉
触身仏―蓮丈那智フィールドファイル〈2〉
北森 鴻

「わが村には特殊な道祖神が祀られている」美貌の民俗学者・蓮丈那智のもとに届いた手紙。
神すなわち即身仏なのだという。
彼女は、さっそく助手の内藤三国と調査に赴く。
だが調査を終えた後、手紙の差出人が失踪してしまった―。
那智はいにしえの悲劇の封印を解き、現代の事件を解決する(表題作)。
山人伝説、大黒天、三種の神器、密閉された昏い記憶。
本格民俗学ミステリ集。


収録は
「秘供養」「大黒闇」「死満瓊」「即身仏」「御蔭講」
の計5編。
1作目があまりに駄目だったので、全然期待しないで読んだら、わりと普通でした。
那智と三國の関係がシリーズものらしく変化していくのもありです。
ただ、やっぱり題材のわりに底が浅すぎます。
“民俗学ミステリ”という文句からそれ系が好きな人が想像すると辛い。
| [国内作家:か行]北森鴻 | 23:16 | comments(0) | - |
凶笑面―蓮丈那智フィールドファイル<1>/北森鴻
凶笑面―蓮丈那智フィールドファイル〈1〉
凶笑面―蓮丈那智フィールドファイル〈1〉
北森 鴻

“異端の民俗学者”蓮丈那智。
彼女の研究室に一通の調査依頼が届いた。
ある寒村で死者が相次いでいるという。
それも禍々しい笑いを浮かべた木造りの「面」を、村人が手に入れてから―(表題作)。
暗き伝承は時を超えて甦り、封じられた怨念は新たな供物を求めて浮遊する…。
那智の端正な顔立ちが妖しさを増す時、怪事件の全貌が明らかになる。
本邦初、民俗学ミステリー。


シリーズものの短編集です。
収録は
「鬼封会」「凶笑面」「不帰屋」「双死神」「邪宗仏」
の計5編。
これが私には駄目でした…。
折角おいしい設定があるのですから、もっとよく噛み砕いてから書いて欲しかったです。
これもまた私が民俗学的なことが大好きで、よくそういう類のものを読んでいることからくる過度な期待感からの評価なのかもしれませんが、主人公二人のキャラクタが安易過ぎます。
残念。
| [国内作家:か行]北森鴻 | 23:07 | comments(0) | - |
顔のない男/北森鴻
顔のない男
顔のない男
北森 鴻

多摩川沿いの公園で、全身を骨折した惨殺死体が発見された。
空木精作―彼は周辺の住民との接点も交友関係もない男だった。
原口と又吉、二人の刑事は空木の自宅で、一冊の大学ノートを発見する。
ノートを調べるうちに二人は次々に新たな事件に遭遇する。
空木とは一体何者だったのか?
本格長篇ミステリー。


連作短編の形式を取りながら、最後に謎が収束するタイプの長編です。
短編の独立性が低いので、あれ?という驚きがないのが辛いところ。
物語の構造が読めるのも結構早めです。
全体として暗いので駄目な方は拒否反応を示しそうだな、と思いつつも私はそう嫌いではありません。
ただこういう雰囲気で長編を仕上げるには、著者の描写の方向性が違う気がしてなりません。
とにかく犯人だけでなく登場人物全体でも行動の動機が納得できない、しっくり来ないものが多く、人物描写も甘い。
その甘さやそれに合った軽いテンポの作品は著者らしい楽しみをもたらしてくれ、シリーズものになるとキャラクタの厚みも増し、こちらも慣れてくる分安心してよめるのですが、長編単体となると辛い。
それが違和感になって降り積もってきます。
この辺りは単に著者との感覚の違いだと思いますが、私には「作者買い」(同著者のものならシリーズやジャンル、話にこだわらず条件反射的に購入)するに至らない理由です。
ということでこの作品も「まあまあ」という感じになっちゃうのです。
| [国内作家:か行]北森鴻 | 22:56 | comments(0) | - |
闇色のソプラノ/北森鴻
闇色のソプラノ
闇色のソプラノ
北森 鴻

夭折した童話詩人・樹来たか子の「秋ノ聲」に書かれた「しゃぼろん、しゃぼろん」という不思議な擬音の正体は?
たか子の詩に魅せられた女子大生、郷土史家、刑事、末期癌に冒された男、医師、そしてたか子の遺児・静弥が神無き地・遠誉野に集まり、戦慄の事件が幕を開ける。
驚愕の長篇本格ミステリー。


作中の「夭折した童話詩人」のモデルは金子みすゞでしょう。
私は彼女の詩があまり好きではないので(というか詩を鑑賞する能力が私にない)それに引きずられて、最後まであまり楽しめず。
というか著者の作品は(事件の内容とは別に)ちょっと軽過ぎない?というぐらい明るいテンポのものばかり読んでいたので、これは雰囲気からして違います。
ただ二転三転する展開はミステリとしてはありなのではないでしょうか。
私は読めてしまったのですが…まあ意地の悪い読者ですからね〜。
擬音の正体という謎も普通で、北森作品の中では個人的にはハズレタイプ。
| [国内作家:か行]北森鴻 | 22:46 | comments(0) | - |
桜宵/北森鴻
桜宵
桜宵
北森 鴻

一度たずねてみてください。わたしがあなたに贈る最後のプレゼントを用意しておきました―。
そう綴られた亡き妻の手紙だけを頼りに、ビアバー“香菜里屋”にやってきた神崎。
マスター・工藤が語った、妻がプレゼントに込めた意味とは…。
客から持ちかけられた謎の数々を解明かす連作短編集の第2弾。


「花の下にて春死なむ」の続編。
収録は
「十五周年」「桜宵」「犬のお告げ」「旅人の真実」「約束」
の計5編。
形式は変わらず、バーのマスター・工藤が安楽椅子探偵役です。
アームチェアディテクティブものは登場人物の謎解きとはらはらしながら付き合う面白みはありませんが、短編に求められるオチのキレは出しやすいですよね。
相変わらず人物描写には納得できない部分が多いのですが(キャラクタの書き分けが私には出来ていない気がするのです)それも短編なせいでしょうし、逆に短編だから許せます。
「花の下にて春死なむ」が気に入った方はどうぞ。
相変わらずビアバー“香菜里屋”の料理は美味しそうで、ビールが苦手な私でも「一杯やりたい」と思ってしまいます。

しかし前作と比べると「どうしたの?」というぐらい文字が大きいです。
馬鹿にされているようでイライラします。
昔の文庫の細かさが懐かしい…。
| [国内作家:か行]北森鴻 | 22:34 | comments(0) | - |
花の下にて春死なむ/北森鴻
花の下にて春死なむ
花の下にて春死なむ
北森 鴻

年老いた俳人・片岡草魚が、自分の部屋でひっそりと死んだ。
その窓辺に咲いた季節はずれの桜が、さらなる事件の真相を語る表題作をはじめ、気の利いたビアバー「香菜里屋」のマスター・工藤が、謎と人生の悲哀を解き明かす全六編の連作ミステリー。
第52回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門受賞作。


著者の作品で手に取ったのは、これが2作目でした。
収録は
「花の下にて春死なむ」「家族写真」「終の棲み家」「殺人者の赤い手」「七皿は多すぎる」「魚の交わり」
の計6編。
連作短編は大好きなので、楽しんで読みました。
人物描写が少し軽めなのですが、短編ですからこんなものでしょう。
| [国内作家:か行]北森鴻 | 22:26 | comments(0) | - |
緋友禅/北森鴻
緋友禅
緋友禅
北森 鴻

古物、骨董品を専門に扱う旗師・冬狐堂こと宇佐見陶子は、銀座の画廊で見たタペストリーに魅せられ、現金で全作品を買う約束をする。
しかし作者は死に、作品は消えていた……。
騙しあいと駆けひきの骨董業界を生き抜く美貌の一匹狼を描く古美術ミステリー。


冬狐堂シリーズだと認識して勝手に講談社文庫から出ていたと思っていたら、今本棚から取り出して書店でつけてもらったカバーをめくってみれば文春文庫じゃないですか。
あらびっくり。
とはいえ、シリーズ続編的立場であることに違いはありません。
趣が違う感なのは短編集だからでしょうか。
収録は
「陶鬼」「『永久笑み』の少女」「緋友禅」「奇縁円空」
の計4編。
「奇縁円空」の長さは中編ですね。
好きなのは表題作「緋友禅」
すでに宇佐見陶子というキャラクタに愛着と親しみを抱いているシリーズ読者なので、これ単体での評価は難しいですが、普通にこれだけ読んでも楽しめるレベルにあると思います。
古美術ミステリーといったら、私の手元には「文福茶釜」(黒川博行/文春文庫)があるのですが、あれの独特な切れ味とはまた違った正統派の匂いのするミステリです。
| [国内作家:か行]北森鴻 | 22:13 | comments(0) | - |
狐闇/北森鴻
狐闇
狐闇
北森 鴻

魔鏡を競り市で手に入れたことで、宇佐見陶子の運命は変わった。
市に参加していた男が電車に飛び込んだのを皮切りに周囲で命を落とす者が続出。
陶子は絵画の贋作作りの汚名を着せられ、骨董業者の鑑札を剥奪されてしまう。
狡猾な罠を仕掛けたのは誰か。
満身創痍の捜査行は日本の歴史の断層に迫っていく。


「狐罠」の続編。
前作並のものを無意識に要求していたせいか、非常にがっかりしました。
ひどく普通なんですよ。
私の勝手な期待感のせいでこういう感想に至ったということを前提にしていただけると嬉しいのですが、あまりおすすめできません。
さらに、著者の作品には別シリーズのキャラクタが絡んでくるという特徴があって、色々読んで全部のシリーズがお好きな方なんかは嬉しい展開なんでしょうが、駄目な人は要注意。
特にこの「狐闇」は「蓮丈那智フィールドファイルシリーズ」を読んでいないと、完全には楽しめないという前提があり、通りすがりや実は知人だった設定ならともかくここまで入り込んでくるのは私も苦手です。
| [国内作家:か行]北森鴻 | 22:04 | comments(0) | - |
狐罠/北森鴻
狐罠
狐罠
北森 鴻

店舗を持たず、自分の鑑定眼だけを頼りに骨董を商う「旗師」宇佐見陶子。
彼女が同業の橘董堂から仕入れた唐様切子紺碧碗は、贋作だった。
プロを騙す「目利き殺し」に陶子も意趣返しの罠を仕掛けようとするが、橘董堂の外商・田倉俊子が殺されて、殺人事件に巻き込まれてしまう。
古美術ミステリーの傑作長編。


北森鴻初読作品でありながら、いまだにこれを超えるものには出会えていません。
単純にミステリとしての仕掛けのみを評価するなら、先が読めてしまうものかもしれませんが、危ない橋を渡り続ける主人公・陶子に感情移入してしまったうえに古美術業界の濃い描写にどきどきしっぱなしでした。
これはおすすめです。
| [国内作家:か行]北森鴻 | 21:56 | comments(0) | - |
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