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グルジェフの残影/小森健太朗
評価:
小森 健太朗
文藝春秋
¥ 740
(2006-07)

20世紀初頭、革命前夜のロシアに彗星のごとく現れた神秘思想家グルジェフとは、いったい何者なのか?
ラスプーチン、スターリンなど歴史を彩る大物をはじめ、魅力的な思想家群像を描きながら、“20世紀最大のオカルティスト”の正体に迫るスリリングな本格歴史ミステリ長篇。
奥泉光氏との特別対談を収録。


ペテルブルグにあるネヴァ川にかかる橋から身投げしようとしていたオスロフは、寸前に敬愛する神秘思想家・ピョートル・デミアノヴィチに声をかけられたことで救われる。
天啓のひとつだと思ったオスロフは、彼の弟子のような活動を始めるが、彼自身が魔術的な力を持つと喧伝されているGという男を師と仰ぎはじめたことが面白くない。
そしてロシアは革命の時代を歩み始めるのだが……というストーリーです。

巻末に収録されている対談の中で奥泉氏の
『最初に読んだ時は、「G」=グルジェフをめぐる歴史ミステリかと思ったんですね』
という発言があるのですが、まさしく私もそう思いました。
そう思ったまま読み進めて、ほとんど最後のあたりに本格推理らしい謎が提示された時はびっくりしました。
殺人事件が起きても、それを探偵役が解くなんて予想もしていませんでした。
この作品で一番の驚きでしたね。
おかげでトリックがどうだったとか、そんなものは頭になかったです。
すごいミステリ作品だと思いました。
……まあ、冷静になれば単に遅すぎるわけですが。
個人的には、そのまま歴史ミステリで突き進んで欲しかったです。
グルジェフもデミアノヴィチ(ウスペンスキー)もよく知らないですし、面白かったので、もう歴史小説でも良かったぐらい。

ということで評価が難しい作品でした。
あまりミステリだとか歴史モノだとか、内容を予想しない・期待しないで読むのをおすすめしたいです。

気に入らなかったのは語り手の青年。
盲目的な語り手はミスリードが予想できて警戒してしまい感情移入できませんし、単純に気持ちが悪いです。


「Gの残影」改題


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:か行]小森健太朗 | 02:55 | comments(0) | - |
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