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警視庁幽霊係/天野頌子
「あなたは亡くなられたんです」――“特殊捜査室”所属の柏木雅彦警部補はストレスで痛む胃を押さえながら告げた。
大企業の前会長未亡人殺人事件の被害者、つまり死者に事情聴取をしているのだ。
すると、彼女が犯人に心あたりがあると証言、緊張が走るが……。
難航する捜査に自称柏木の守護天使・結花も大活躍!
快調コミカルミステリー、待望の文庫化!


連作短編形式で
「洋館の人びと」「沈丁花の家」「幽霊が多すぎる」「幽霊はブラームスがお好き」「五年目の月夜」
にプロローグとエピローグがくっついて、加えて番外編
「警視庁幽霊係外伝 卒業写真」
が収録されています。
本当は「第一話」「第二話」……とあるのですが、感想を書いてなかったことを思い出して久々に開いてみる前短編集だと思い込んでいたので、そういう内容だということで。

下手な演技に馬鹿馬鹿しい演出、あるようなないような脚本で、夜8時台に放映されそうな設定の小説でした。
殺人事件の被害者が幽霊となって登場し、それ専門の捜査官(つまり霊感がある刑事)が事件解決に動くのが基本です。
被害者に聞くわけです。
「あなたを殺したのは誰ですか?」
と。
知人と話し合いの途中喧嘩になって、という事件でもない限り、案外被害者は犯人を知りません。
考えれば「後頭部を突然ガツンとやられた」と想定してみれば犯人の顔を見ていないのも当然で、そのあたりをうまく使いつつ、主人公の気の弱い男を語り手にコミカルに展開して、非常に読みやすかったです。
軽いのも、そうと思って読めば悪くありません。
文章も、作品の雰囲気にあったものにはなっていますが、つっかかりなく読める素直なもの。
シリーズ化しているのもわかります。

印象に残っているのは、主人公が強盗殺人の被害者幽霊に身体を乗っ取られてしまう「沈丁花の家」です。
どうってことのない普通の、ひねりのない話ですが、好きでした。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:あ行]天野頌子 | 22:26 | comments(0) | - |
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