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夜にその名を呼べば/佐々木譲
1986年10月、ベルリン。
欧亜交易現地駐在員の神崎は何者かに襲撃された。
親会社の共産圏への不正輸出が発覚、証拠湮滅を図る上層部の指令で命を狙われたのだ。
殺人の濡れ衣まで着せられた神崎は壁を越えて東側へと亡命、そのまま消息を絶つ――それから五年、事件の関係者に謎の手紙が届けられ、神崎を追う公安警察もその情報を掴む。
全員が雨の小樽へと招き寄せられたとき、ついに凄絶な復讐劇の幕が切って落とされた!


欧亜交易という親会社に横浜製作所を持つ会社に出向していることになっている神崎は、西ベルリンで会社社長の西田から呼び出される。
ココム規制違反がばれたことで、何らかの行動を起こさねばならないのかと考えていた神崎だったが、銃撃されたことで事態は一変。
さらに西田が殺され、その犯人に仕立て上げられた神崎は、やむなく東ベルリンへと逃走する。
そしてそのまま行方不明になっていた神崎から、日本の関係者へ5年ぶりに手紙が届き……というストーリーです。

「警官の血」で話題となっている作家さんですが、遥か昔に「エトロフ発緊急電」を途中で断念したことと時代小説を1冊読んだことがあるだけでした。
その時代小説があんまり好みじゃなかったこともあって敬遠していたわけですが……面白かったです。
これはいままでもったいないことをしていたかもしれません。

冒険小説とサスペンスを足して二で割った感じなのですが、もうぐいぐい読まされます。
神崎という男が遭遇した事件の部分はともかく、5年後の小樽が舞台となったあたりで登場人物も増えるのですが、全然混乱しないのですよね。
それぞれの人物も一癖二癖あって、共感出来ない性格だったりするのに、何故か魅力的。
まったく、3人以上キャラクタがいる場面では誰が何を喋っているのかわからなくなるような作家さんに読ませてやりたいです(誰とは言いませんが、続けて読んだのでウンザリしました)
あと、とにかく作品に漂う雰囲気が良い。
解説にあるような「叙情」とまでは私にはうまく言えませんが、暗いのが良いです。
小樽が舞台というのも関係しているのかもしれませんが、北海道という地は何となく情感溢れる作品に合う気がします。



JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:さ行]佐々木譲 | 02:57 | comments(0) | - |
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