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少年トレチア/津原泰水
都市のまどろみが生んだ欲望と邪悪の怪物!
混沌と邪悪の都市に生息する彼らは、殺戮と暴力の幻想と現実の狭間を漂っている。
サテライトを巡る風聞、謎、「何か」の存在が、曼陀羅のように結び合い創り出したものとは!?


恋人を送った帰り、拝島竜介は“トレチア”に「キジツダ」という言葉と共に襲われる。
竜介の友人である楳原崇は恋人の有希と共に見舞いに行くが、その途中はぐれ、そのまま有希は行方不明になってしまう。
これも“トレチア”の仕業なのか。
恐怖する崇だったが……というストーリーです。

ホラー小説と幻想小説の間にあるような作品でした。
残酷な描写や読者を不安にさせるような記述が多数あるので、最初はホラーのつもりで読んでおりましたが、ラスト付近で幻想小説なのかな、と。
(正直「幻想小説」の区別がよくつかないのですが、雰囲気で)
タイトルにある“トレチア”とは少年の悪意のようなものです。
噂話が一人歩きして世代を超えて「存在」するようになっていくことは、小説世界の中でなくてもよくあることでしょう。
子供の頃の怪談の多くにその傾向があったかと思います。
それを作り出した崇や竜介の世代が現実世界に戻って子供の頃の悪意を忘れて生活しているというのに、再びそれによって壊されていく様は見事でした。
それだけに終盤の展開は残念だったような気がします。
そのでいで、ただ好きか嫌いかという単純な感想なら、やや苦手。
濃い物語を堪能はしましたが、感情移入が一切できないキャラクタばかりというのは読むのが辛いですし、終わり方でもやもやしちゃいました。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:た行]津原泰水 | 16:52 | comments(0) | - |
蘆屋家の崩壊/津原泰水
定職を持たない猿渡と小説家の伯爵は豆腐好きが縁で結びついたコンビ。
伯爵の取材に運転手として同行する先々でなぜか遭遇する、身の毛もよだつ怪奇現象。飄々としたふたり旅は、小浜で蘆屋道満の末裔たちに、富士市では赤い巨人の噂に、榛名山では謎めいた狛犬に出迎えられ、やがて、日常世界が幻想地獄に変貌する――。
鬼才が彩る妖しの幻想怪奇短篇集。


短編集で
「反曲髄道」「蘆屋家の崩壊」「猫背の女」「カルキノス」「超鼠記」「ケルベロス」「埋葬虫」「水牛群」
の計8編を収録。

ホラー・幻想小説の短編集です。
主人公は猿渡という、30を過ぎても定職を持たずにふらふらしている男。
その猿渡が出会った「伯爵」というあだ名のついた小説家と事故が原因で知り合い、お互い無類の豆腐好きということで意気投合、伯爵の取材や旅行に同行しそこで出会う数々の怪異……というのが基本路線ですので、猿渡のみしか登場しない作品もありますが、連作短編集とも言えるかと思います。
よく出来た作品でした。
まず本当に短い「反曲髄道」でその雰囲気の飲み込まれ、次の「蘆屋家の崩壊」(「アッシャー家の崩壊」ですね)で完全にはまってしまいました。
ぞっとするようなものもあり、それでいて笑ってしまうものもあり、まだ解説の皆川さんが言及しているように最後の「水牛群」は凄い。
著者とはティーンズ小説が出会いだったので、これには驚きました。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:た行]津原泰水 | 21:52 | comments(0) | - |
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