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タイタンの妖女/カート・ヴォネガット・ジュニア、浅倉久志訳
評価:
カート・ヴォネガット・ジュニア
¥ 672
(2000)
すべての時空にあまねく存在し、全能者となった彼は人類救済に乗り出す。
だがそのために操られた大富豪コンスタントの運命は悲惨だった。
富を失い、記憶を奪われ、太陽系を星から星へと流浪する破目になるのだ!
機知に富んだウィットを駆使して、心優しきニヒリストが人類の究極の運命に果敢に挑戦した傑作!


とある時間等曲率漏斗のなかへ飛び込んでしまった、ウインストン・N・ラムファードはあらゆる過去と未来を知る全能の存在となる。
彼は地球の自宅で59日に1時間だけ実体化して「予言」をする。
妻のラムファード夫人と大富豪のマラカイ・コンスタントが火星で結婚し、子供が生まれ、タイタンまで旅をすることになると……。
そしてその運命は、マラカイたちを翻弄することに……というストーリーです。

これSF?というのが第一感想です。
凄く面白かったのと同時に最初に読むのではなかったの頭を抱えた「タイムクエイク」も「これSF?」と思ったのですから、著者の作品はそういうものなのかもしれません。
どうしてこんな話になってしまうのか、とページをめくってみてびっくりするような展開と、唐突な場面展開や人物登場にくらくらしますが、結局のところ著者が書きたかったのは最後の数ページなのでしょう。
皮肉にまみれたお話をしておいて、最後の最後に慈愛としか言いようがないところに持ってきてくれています。
ちょっと泣けました。


JUGEMテーマ:読書
| [海外作家:U〜Z]カート・ヴォネガット | 22:29 | comments(0) | - |
タイムクエイク/カート・ヴォネガット、浅倉久志訳
評価:
カート ヴォネガット
早川書房
¥ 798
(2003-02)
2001年2月13日、時空連続体に発生した異常――タイムクエイクのために、あらゆる人間や事物が、1991年2月17日へ逆もどりしてしまった。
ひとびとはみな、タイムクエイクの起きた瞬間にたどりつくまで、あらためて過去の行為をくりかえさざるをえなくなる。
しかも、この異常事態が終わったとき、世界じゅうは大混乱に……!
SF作家のキルゴア・トラウトやヴォネガット自身も登場する、シニカルでユーモラスな感動の長篇。


2001年、突然「膨張を続けることに疑問を覚えた宇宙が収縮した」ため、人々の意識は10年前の1991年に戻ってしまった。
しかし人間に自由意志はなく、「過去」の10年回を忠実にリプレイする自分の身体を止めることは出来ないのだ……というストーリーです。

めちゃくちゃ面白かったです。
著者のエッセイとタイムクエイクが起きた地球とそれを経験した老SF作家キルゴア・トラウトの物語が入り混じった、どこからどこまでが真実なのか創作なのか判断つきかねる作風です。
これがもう、本当に面白い!
笑うところあり、感動するところあり、納得させられるところあり、凄いです。
と、同時にこの作家さんの作品を読む順序を間違えている気がする……と思ってAmazonのレビューを見たら、案の定「これから読むことはおすすめしません」という言葉が……。
そもそも「リピート」(参考)の大森望氏による解説に紹介されていた時間SF作品を読んでみようという目的で手に取ったわけで、SF初心者がやるべきことではなかったのでしょう。
読んだことには全く後悔はしていませんが、もうちょっとレビューなりを参考にするべきだったのではないかとついつい考えてしまいます。
素晴らしく面白かった(これ以外に言うことがない)のですが、この作家さんの別作品を1作でも手にとってからこれに挑戦することをおすすめします。


JUGEMテーマ:読書
| [海外作家:U〜Z]カート・ヴォネガット | 18:47 | comments(0) | - |
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