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琥珀の望遠鏡・ライラの冒険III/フィリップ・プルマン、大久保寛訳
評価:
フィリップ プルマン
新潮社
¥ 740
(2004-06)
ライラが連れ去られてしまったことを知ったウィルは、二人の天使を伴って彼女を探しにいく。
やがてウィルは森の奥深くで、母親に監禁されているライラを発見。
ライラは薬によって眠りつづけていた。
ウィルは“別世界への窓”を作ることができる神秘の短剣を使ってライラの救出を試みる。
しかし、短剣はあっけなく折れてしまった――。
冒険ファンタジーの最高峰、いよいよ完結。


<ライラの冒険>シリーズ三部作の第3作。

行方不明になってしまったライラを探し、ウィルはアスエリル卿のもとへ彼を連れて行こうとする天使と共に行動することとなる。
しかしオーソリティの力は迫り、またライラを殺そうとする者も彼女を探していた。
一方、コールター夫人によって連れ去られたライラは薬によって眠らされていたが……というストーリーです。

ようやく完結です。
続けて読んだ全2作とは間が空いてしまいましたが、ここまで読んだからには完結まで付き合わなければならないと頑張って読みました。
物語は規定路線をそのままいきます。
死者の国へ行く場面は予想外でしたし、ライラの両親の行動には疑問符付きで驚きましたが、大まかな流れや処理は想像したまま。
ラストまで「こうなるんでしょ」と考えた感じで、そういうところが児童文学ってことなのでしょうか。
(お話に没頭できなくてあれこれ考えすぎたのかもしれませんが)
たぶんキリスト教的な考えがベースにあると明示されているせいで予想しやすいのでしょう。
そのままでいくなり、反キリスト教的でいくなり、結局はそこから離れられていないと思ってしまうのは、私がひねくれているからかもしれません。

面白かったのはウィルの(つまり私達の)世界からやってきた研究者メアリーが、ミュレファという生物と交流するところ。
発想が素敵です。
ただそこまで描写する必要はあったのか、という点は疑問。
もっとオーソリティ(神)との戦いやライラの両親の話を派手に描いてくれた方が良かったような気がします。

しかし最後まで、ライラにもウィルにも一切感情移入できないまま終わってしまいました。
私にとっては異星人に等しいです。


上下巻完結。
琥珀の望遠鏡〈下〉?ライラの冒険III
琥珀の望遠鏡〈下〉?ライラの冒険III
フィリップ プルマン


JUGEMテーマ:読書
| [海外作家:P〜T]フィリップ・プルマン | 17:01 | comments(0) | - |
神秘の短剣・ライラの冒険II/フィリップ・プルマン、大久保寛訳
評価:
フィリップ プルマン
新潮社
¥ 580
(2004-01)
オーロラの中に現れた世界に渡ったライラ。
そこは魔物が住み、子どもしかいないチッタガーゼという街だった。
そこでライラは別の世界から来たウィルという少年に出会う。
二人は特殊な窓を通り、ウィルの世界とチッタガーゼを行き来する。
やがて二人は不思議な短剣の存在を知るが、ライラは大切な真理計を何者かに盗まれてしまう……。
世界的ベストセラーの冒険ファンタジー第2弾。


<ライラの冒険>シリーズ三部作の第2作。

霧の中を進み、異なる世界に渡ったライラ。
一方、現代のオックスフォードに住んでいたウィルという少年は、行方不明となった父が残したものを探して家に押しかけてくる男達と戦った後、不思議な窓を見つけ異世界にやってきた。
スペクターという魔物が出現し、その魔物に襲われない子供達しかいないチッタカーゼなる街で出会った二人。
お互いに警戒しながらも心を通わせるのだが、真理計が盗まれたことでチッタカーゼにあるという神秘の探検を探すことに。
一方、元の世界では魔女達や気球乗りのリー・スコーズビーたちが探検家のグラマンを探していた……というストーリーです。

2作目では、パラレルワールドファンタジーらしく私たちが住んでいる世界が登場します。
そこの住人で新たに登場する少年がウィル。
現代の少年なわけですから、彼には感情移入しやすいはず……がこれまた全然駄目。
展開としては面白いのですが、ライラと同様に彼にも違和感しかつきまといません。
そのせいで、この第2作は読むのが苦痛でした。
私は「黄金の羅針盤」(1作目)で喋るホッキョクグマ・イオレクの存在に救われました。
異世界の住人に相応しい異形のキャラクタであったからです。
ところが不思議なことに、同じ人間としてリアリティを感じやすいはずのキャラクタとまったく合いません。
百歩譲って、ライラの世界の住人は守護精霊なる半身を持つからと思っても、ウィルにまで納得できる行動が見出せないとくれば読みにくいことこの上ありません。
また、ようやくライラの存在やアスエリル卿の目的が見えてくるわけですが、これまた微妙な感じ。
キリスト教圏の方には「おお!」と思うようなことかもしれませんが、キリスト教のエッセンスを多用した和製ファンタジーらライトノベルなんかをよく読んでいた身としては、この作品の方がより深い意味で使っていることはわかっても新鮮味がないのですよね。
切れ味の鋭いファンタジーであることは認めますが……。

とにかく第1作目より途中巻の印象が強いので、第3作目に期待したいところです。

上下巻完結。
神秘の短剣 (下) ライラの冒険II
神秘の短剣 (下) ライラの冒険II
フィリップ プルマン


JUGEMテーマ:読書
| [海外作家:P〜T]フィリップ・プルマン | 10:45 | comments(0) | - |
黄金の羅針盤・ライラの冒険/フィリップ・プルマン、大久保寛訳
評価:
フィリップ プルマン
新潮社
¥ 620
(2003-10)
両親を事故でなくしたライラは、お転婆な11歳の女の子。
そんな彼女のまわりで子供が連れ去られる事件が起きる。
どうやら北極で子供たちが何らかの実験に使われているらしい。
ライラと彼女の守護精霊は子供たちを助けるために、船上生活者ジプシャンに同行する。
世界に6つしかない黄金の羅針盤を持って北極へと向かったライラだったが……。
世界的ベストセラーの冒険ファンタジー!


<ライラの冒険>シリーズ三部作の第1作。

オックスフォード大学の権威あるジョーダン学寮に住むいたずら好きの少女、ライラは両親を亡くし後見人の叔父・アスリエル卿の招かれた晩餐を盗み見することで、有力者たちが「ダスト」と呼ばれる何かに関心を持っていることを知る。
その頃、ゴブラーと呼ばれる人攫いがあちこちに出没していた。
神隠しにでもあったかのように子供たちが行方不明になるなか、ライラの悪友であるロジャーまでもが……。
そのことにショックを受ける彼女のもとへコールター夫人という美しい未亡人がやってきて、ライラを引き取る。
ジョーダン学寮を離れ、新しい生活に心躍らせるライラだったが、別れ際に学寮長に貰った「真理計」という黄金の羅針盤の存在が重くのしかかり、次第に夫人に陰謀の影を感じ……というストーリーです。

映画化原作本ということで自分としては珍しいものを手に取りました。
おかげで、海外ファンタジーを読み慣れていないせいか、最初は読み進めるのにも苦労する始末。
世界観はわかりやすいです。
特筆すべきは人間が守護精霊(ダイモン)と呼ばれる自分の分身のような存在を持っていて、それをとても大切にしていることぐらいで、他は技術力や言葉の違いはありつつもほとんど現代と変わりがないパラレルワールドのようなものです。
ところが、一応子供向けなのかなと思わせる妙な文体と主人公以下キャラクタのある意味人間味が溢れる設定、それにキリスト教圏の作品では仕方がないのかもしれませんがあちこちで出てくる所謂「神」の記述が掴みにくい。
これは途中で投げ出してしまうかも……という疲労から、第2部になってようやく解放されます。
それ以降は一気読みでした。
どうも私はキャラクタに愛着を持って読むタイプらしく、第2部になって登場したよろいぐま(喋る鎧をつけて戦うホッキョクグマのようなもの)のイオレクが救い主。
このキャラクタが大好きです。
同時に彼と交流することになるライラが、それまでのこまっしゃくれた可愛げのない性格を少し引っ込めてくれるせいで、物語に没頭しやすくなったせいかもしれません。

完全に続き物で、ライラの存在意義や真理計の謎、アスリエル卿とコールター夫人の目的やダストとは何なのかの問題が解決しないままのラストでしたが、楽しく読み終わることが出来ました。
子供向けというにはリアルな部分も多く辛い場面もありますし、じゃあ完全に大人向けかというと首を傾げざるを得ないと、ターゲット層がいまいちわからない作品ではありましたが。

上下巻完結。
黄金の羅針盤〈下〉?ライラの冒険
黄金の羅針盤〈下〉?ライラの冒険
フィリップ プルマン


JUGEMテーマ:読書
| [海外作家:P〜T]フィリップ・プルマン | 10:31 | comments(0) | - |
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