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強奪 箱根駅伝/安東能明
12月30日の夜、神奈川大学駅伝チームの女子マネージャーが誘拐され、監禁中の彼女の映像がTV局に届く。
駅伝生中継のジャックをも仄めかし、次々と要求を突きつけてくる誘拐犯。
混迷の中でスタートした駅伝。
そして、激走とシンクロするように誘拐犯・TV局・警察の熾烈な攻防戦が始まった。
ハイテクを駆使し可能性の限界に挑んだ犯罪の結末は。
一気読み間違いなしの傑作サスペンス巨編。


箱根を前にして神奈川大学の最後の出場選手が津留康介に決定した。
四年生の津留にとって最初で最後の箱根だった。
しかし、マネージャーの水野友里が何者かに誘拐され、届いた犯人の要求は「津留康介を箱根で走らせないこと」――。
犯人は駅伝中継に割り込んで人質となった水野の姿を見せ、そのままプロデューサーの幸田を交渉の窓口としてくるが……というストーリーです。

正月恒例の大イベント・箱根駅伝を扱ったサスペンスです。
この文庫の発売が平成18年12月。
正月・箱根を目前にしての文庫化だったのでしょう、それを即買いして今日まで放置してしまいました。
実際の箱根は二度スルーですね。
それは期待したものと雰囲気が異なったせいです。
「一体誰が」ではなく犯人側も描かれるサスペンスなのです。
駅伝と駅伝中継に命をかける者たちと、それを滅茶苦茶にしようとする犯人の知恵比べという感じでした。
このタイプの作品があまり好きじゃないのが積読の原因でした。
これは好みの問題ですね。

加えてキャラクタ性のなさが、物語に引き込まれない原因かと。
全体としてはバランスも良いですし、よく出来上がっている作品なのに、もっと派手にもっとスピーディーにもっとキャラクタを熱く書くことができなかったのだろうかと、思ってしまうのです。
巻き込まれる選手・津留にしても人質になってしまうマネージャーにしても、もっと言えば幸田や監督、警察側も、すべてが薄い。
ただ、皮肉なことに私が苦手とする犯人視点が、救いですね。
この犯人、やっていることはとことん下劣ですが、オチの鮮やかさと計画の中身の面白さで、何だか好きになってしまいました。
(他キャラクタの書き込みが甘くて、特筆すべきが犯人だけになってしまったような気がしますが……)
犯人を好きになることは大変珍しいので、個人的にはいまさらですが、記憶に残る作品になりそうです。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:あ行]安東能明 | 23:28 | comments(0) | - |
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