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トゥルー・ストーリーズ/ポール・オースター、柴田元幸訳
ちょっとした偶然。
人知を超えた暗号。
ときに茫然とし、ときに立ち尽くしたその瞬間を人は容易に忘れるが、作家は忘れない。
自らの体験を元に驚くべき偶然の連続を、しかし淡々と綴る名作「赤いノートブック」を始め、無名時代の貧乏生活を軽やかに描く「その日暮らし」、9.11直後のNYに捧げた「覚え書き」など、柔らかななかにも力強い声が聞こえる傑作エッセイ集。
日本独自編集。


エッセイ集で
「赤いノートブック」「なぜ書くか」「その日暮らし――若き日の失敗の記録」「事故報告」「スイングしなけりゃ意味がない」「あれを読むと、以前僕の母親の身に起きたことを思い出すよ……」「サルマン・ラシュディのための祈り」「ゴサム・ハンドブック」「ペンシルヴェニア州知事への嘆願」「訳者から」「戦争に代わる最良の代替物」「段ボール箱考」「覚え書き 二〇〇一年九月十一日、午後四時」「NYC=USA」「地下鉄」
が収録されています。
断トツに長いのが「その日暮らし」で、「あれを読むと、以前僕の母親の身に起きたことを思い出すよ……」以降は本当に短いものなので「折々の文章」という風にまとめられています。

あちこちのエッセイをまとめた作品ですが、「嘘のような本当の話」というテーマが貫かれていて小説のような雰囲気となっています。
オースターの作品を読まれる方には、そのままの感じなので読みやすいのではないかと。
また、単純に良質なエッセイなので普段読まない方にも素直におすすめできます。

例えば「母国から遠く離れた地で知り合った二人のお互いの姉がアパートの隣人同士だった」なんて異性にでもしてしまえばハリウッドの“ロマンチックラブストーリー”映画の出だしのようないかにもありえない話ですが、日々生きているとここにあるような、偶然はあちこちに散らばっているのかもしれません。
でもきっと一般人である私はすぐに忘れてしまっているんだろうなと思いました。
些細なことを「作家は忘れられない」というのは、彼らと私たちを隔てる最大の差なのかもしれません。
「赤いノートブック」から「なぜ書くか」の流れは見事でした。
貧乏暮らしを軽く描いた「その日暮らし」も良いです。
また単純に面白かったのは「ゴサム・ハンドブック」でしょうか。
ニューヨーク・シティでの暮らしの改善法が4点、書かれているのですが、ちょっとやってみようかと思っちゃいました。
(実際にやって、それが本になっているそうですが)


JUGEMテーマ:読書
| [海外作家:A〜E]ポール・オースター | 20:51 | comments(0) | - |
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