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聖なる暗号/ビル・ネイピア、三角和代訳
評価:
ビル ネイピア
早川書房
¥ 861
(2006-03)
古書と古地図の販売を営むハリーは、地元の名士から古い原稿の鑑定を依頼された。
それは暗号で書かれた手記で、この手記を狙って怪しげな人物が次々と現われ、依頼主が謎の死を遂げた。
ハリーは航海史を研究する女性とともに手記の解読を進め、その内容に驚愕する。
手記は16世紀の少年の航海記録で、ヨーロッパを揺るがす暗闘とキリスト教最大の遺物の存在が記されていたのだ!
過去と現在を結ぶ壮大な謎を描いた話題作。


地図と原稿が専門の古書店を経営するハリーは、地元の大地主から16世紀の暗号で書かれた手記の鑑定を頼まれる。
すぐさま考えられない値段での売却を持ちかけられたり、バッグをひったくられて暴力を振るわれたりするハリー。
しかも依頼主も殺され、八方塞となったハリーは地主の娘・デビーと航海史研究家のゾーラ、ゾーラの紹介で知り合ったドルトンと共に、謎を追いかけるため手記が送られてきたというジャマイカへ……というストーリー。

キリスト教の遺物に暗号とくれば、思い浮かぶのはヒットした「ダ・ヴィンチ・コード」でしょうが、まさしくソレ系の作品です。
ですが、サスペンスではなく雰囲気はハードボイルドか古臭い冒険小説。
世の中を斜めに見ているっぽい主人公の一人称のせいでしょう。
一方で、そのせいで愛嬌のあるキャラクタとしての愛着は持ちにくい面もあります。
それは主人公だけでなく、仲間となるゾーラやドルトン、ヒロインなのでしょうデビーにも共通するもので、文章がやや固いせいもあって、素直に主人公の苦難と共に手に汗握る展開を楽しむという感じではありません。

しかし面白いのは、キリスト教の遺物に関するもの。
著者はもともと天文学者というだけあって、観点の違う展開でした。
また、それとも関連するのですが、作中解読される暗号で書かれた手記『ぼくの旅の記録』が面白いのです。
スコットランドの田舎から出てきたオーグルヴィー少年がひょんなことから新大陸を目指す船に乗り込み、船上で起こった出来事を綴ったもの(そしてその船上での出来事が重要)なのですが、現代の出来事よりよっぽど山あり谷あり。
書いたことになっているオーグルヴィー少年の視点も新鮮。
いっそこれだけで読みたい、と思わせてくれました。

全体としてのバランスや読みやすさやオチなんかは平均レベルだと思いますが、作中挿入された手記への好感度大で読後感が良くなっております。


JUGEMテーマ:読書
| [海外作家:K〜O]ビル・ネイピア | 20:34 | comments(0) | - |
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