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海神の晩餐/若竹七海
評価:
若竹 七海
光文社
¥ 740
(2007-02-08)
タイタニック号沈没の際、ある著名作家が、自身最後の未発表原稿を空き瓶に入れた……。
20年後、資産家の息子・本山は旧友から謎の原稿を買わされた。
米国に向かう氷川丸に乗り込んだ彼の船室に、何者かが盗みに入る――原稿には、何らかの暗号が隠されていたのだ。
さらに続発する怪事件とは?
たっぷりのユーモアとほろ苦い結末。
船上ミステリーの名作。


金持ちの道楽息子である高一郎は、まったく働かないことに腹を立てた父親にアメリカ行きを宣告される。
しかしどこまでものん気な高一郎は、氷川丸での船旅を楽しみにしていた。
その前日、3年ぶりに出会う友人からタイタニック号から持ち出された探偵小説だという原稿を買わないかと持ちかけられる。
胡散臭さを感じながらも旧友のためにお金を払い高一郎は船に乗り込むが、しかし船上ではおかしなことばかりが起き……というストーリー。

満州事変の頃、上海から神戸、横浜、そしてバンクーバーからシアトルへと旅する日本船が舞台とあって、ひたひたと時代の足音が聞こえます。
主人公がのん気で人が良い青年なだけに途中それを忘れて楽しんでいると、他の登場人物が叫ぶのですね。
「リットン調査団は悪い知らせを持ってくるだろう」
「日本はもう中国と戦争をしているようなものだ」
「国家と友人とどちらをとるのだ」
等々と。
それだけに、そして主人公の能天気ぶりが罪悪であるかのような描かれ方に、何だか苦い読後感でした。
長い物語を飽きさせず読ませる力はさすがですが、正直あまり好きではありません。
いわゆるトリックは簡単に判明します。
この簡単さも何だか拍子抜けというか……メインではないのはわかるのですがね。
同じ著者同じ船上ミステリーなら、「名探偵は密航中」の方が単純で好きです。
| [国内作家:わ行]若竹七海 | 18:46 | comments(0) | - |
船上にて/若竹七海
「ナポレオンが三歳の時の頭蓋骨!?」。
欧州行き豪華客船の中で、若き富豪が大枚をはたいた宝物が姿を消した。
盗む価値などないはずなのになぜ?
そこには意外な盲点が。(表題作)
屋上から突き落とされたOLが、混濁した意識の中で推理した事件の真相とは?(「優しい水」)
鮮やかなプロットで描く、人々の「密かな悪意」。
著者自選の傑作ミステリー8編を収録。


短編集で
「時間」「タッチアウト」「優しい水」「手紙嫌い」「黒い水滴」「てるてる坊主」「かさねことのは」「船上にて」
の計8編を収録。

最初の作品「時間」がわりと普通だったので、そういう気持ちで読み進めたらやはりというか著者らしいというか、短編らしいトリッキーな作品ばかりでした。
“トリッキー”と言っても、作中のトリックが凄いのではなく、読後に読者に「やられた!」と思わせるタイプのものです。
ミステリー作品なだけに詳しく説明できないのが残念ですが、どれも楽しんで読みました。
後味は相変わらず悪い部類でしょう。
私はその悪さがたまらなく好きですが……それだけではない何とも言えない終わり方だったのが「手紙嫌い」
どう評価して良いのか、自分の中でさっぱりまとまりません。
ラストに配置された表題作が明るい話で救いです。
| [国内作家:わ行]若竹七海 | 23:25 | comments(0) | - |
悪いうさぎ/若竹七海
悪いうさぎ
悪いうさぎ
若竹 七海

女探偵・葉村晶は、家出中の女子高校生ミチルを連れ戻す仕事で怪我を負う。
一ヶ月後、行方不明のミチルの友人・美和探しを依頼される。
調査を進めると、他にも姿を消した少女がいた。
彼女たちはどこに消えたのか?
真相を追う晶は、何者かに監禁される。
飢餓と暗闇が晶を追いつめる……好評の葉村晶シリーズ、待望の長編。


葉村晶シリーズとしては3作目。
初めての長編とあってちょっと雰囲気は違いますが、その後味の悪さはパワーアップ。
短編ではトリッキーなオチとして使われていた怖さが、これでは全開です。
それでも面白いし、淡々とした筆が好印象。
深みには欠けますが、もともと求めていなかったので問題なし。
可愛いタイトルの意味に気付くと、感心すると同時に気分が悪くなるかと思いました。
私に人並みの想像力がなくて良かったです。
| [国内作家:わ行]若竹七海 | 23:00 | comments(0) | - |
依頼人は死んだ/若竹七海
依頼人は死んだ
依頼人は死んだ
若竹 七海

念願の詩集を出版し順風満帆だった婚約者の突然の自殺に苦しむ相場みのり。
健診を受けていないのに送られてきたガンの通知に当惑する佐藤まどか。
決して手加減をしない女探偵・葉村晶に持つこまれる様々な事件の真相は、少し切なく、少しこわい。
構成の妙、トリッキーなエンディングが鮮やかな連作短篇集。


トリック重視、性悪説前提の色が強く出た連作短編集。
女探偵・葉村晶シリーズとすれば第2弾です。
収録は
「濃紺の悪魔」「詩人の詩」「たぶん、暑かったから」「鉄格子の女」「アヴェ・マリア」「依頼人は死んだ」「女探偵の夏休み」「わたしの調査に手加減はない」「都合のいい地獄」
の計9編。
とにかく後味が悪いです。
私はトリッキーで人物描写に欠けるところのあるミステリが大好きなのですが、このシリーズだと人間が悪いせいか淡白な文章だというのに妙に迫るものがあるのです。
これに付き合うと気分が悪くなるので、簡単に物語として楽しんでいます。
それが出来ない、あるいは苦手という方は読む前に深呼吸をどうぞ。
好きなのは「詩人の死」
オチが素敵です。
いえ、ども作品も素敵なんですけど、その中でもお気に入り。
| [国内作家:わ行]若竹七海 | 22:43 | comments(0) | - |
プレゼント/若竹七海
プレゼント
プレゼント
若竹 七海

トラブルに愛され、慕われるフリーターの葉村晶。
ピンクの子供用自転車で駆けつける小林警部補。
間抜けな隣人たちが起こす事件はなぜか危険なものばかり…。
2人が出会った事件を綴った連作短編集。


純粋に葉村晶が主人公の短編が
「海の底」「ロバの穴」「あんたのせいよ」「再生」
の4編。
小林警部補側が
「冬物語」「殺人工作」「プレゼント」
の3編。
それが交互にあって、最後に両者が工作する「トラブル・メイカー」となる、計8編からなる連作短編集です。
実は私は、先に葉村晶シリーズの別作品を読んでからこの作品を手に取ったので、自然と葉村サイドに注目してしまっていたのですが、いざ感想を考えると小林警部補がメインの短編の方が切れ味が良いかもしれません。
コロンボっぽい(といっても私は映画、しかもテレビでしか見たことがないのですが)
あるいは古畑っぽいと申した方が通りが良いでしょうか。
好きなのは「ロバの穴」と「殺人工作」
「ロバの穴」の方は真面目に読むとかなりやりきれない気もしますが、これが葉村シリーズの味だと割り切って楽しんでいます。
「殺人工作」はやや情緒的で、それが好きです。
| [国内作家:わ行]若竹七海 | 22:24 | comments(0) | - |
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