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ギデオン・オリヴァー教授シリーズ まとめ
邦訳順がバラバラなことや毛色の違う1作目が未訳なこともあって、さらに私が読んだ順番もめちゃくちゃで何がどうなっているのかさっぱりわからなくなってきたので、ここらでシリーズ作品をまとめておこうかと思います。
カッコの年は原書の発表年で、☆がついている作品にはミステリアス・プレス版とハヤカワ文庫版があるものです。


ギデオン・オリヴァー教授シリーズ
1.Fellowship of Fear(1982)※未訳
2.The Dark Place(1983) ☆『暗い森』感想
3.Murder in the Queen's Armes(1985) ☆『断崖の骨』感想
4.Old Bones(1987) ☆『古い骨』感想
5.Curses!(1989) ☆『呪い!』感想
6.Icy Clutches(1990) 『氷の眠り』
7.Make No Bones(1991) 『遺骨』感想
8.Dead Men's Hearts(1994) 『死者の心臓』
9.Twenty Blue Devils(1997) 『楽園の骨』感想
10.Skelton Dance(2000) 『洞窟の骨』感想
11.Good Blood(2004) 『骨の島』感想
12.Where There's a Will(2005) 『水底の骨』
13.Unnatural Selection(2006) 『骨の城』感想
14.Little Tiny Teeth(2007) 『密林の骨』感想
15.Uneasy Relations(2008) 『原始の骨』感想
16.Skull Duggery(2009)『騙す骨』


いままでの記事で、作品順が原著のものだったり邦訳順だったりとバラバラかと思いますので、修正していきます。



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| [海外作家:A〜E]アーロン・エルキンズ | 02:29 | comments(0) | - |
洞窟の骨/アーロン・エルキンズ、青木久惠訳
評価:
アーロン エルキンズ
The Mysterious Press Tokyo
---
(2000-12)

旧石器時代の遺跡の洞窟から人骨が発見された。
調査に協力したギデオンの鑑定により、事態は急転した。
人骨は旧石器時代のものではなく、死後数年しかたっていなかったのだ。
ギデオンは、以前に先史文化研究所で捏造事件が起きた時、行方不明者が出た事実をつかむが……複雑に絡みあう人類学上の謎と殺人の真相にスケルトン探偵が挑む、人気シリーズ第九作。


ギデオン・オリヴァー教授シリーズ第9作目。

犬が集めてきた人骨らしき物の出所は、あるクロマニヨン人の住居跡である洞窟だった。
しかし、その骨は最近のもので、しかも埋められていたことから殺人が疑われた。
その頃ギデオンは、安請け合いした本の執筆で頭を悩ませていた。
休暇を兼ねて、その出版する予定の本に含まれるであろう、考古学上のインチキ事件を調査する予定だった彼は、その休暇中に再会を約束していたフランス警察のルシアン・ジョリ警部から、たまたま滞在予定としていた地方にあった洞窟で発見された骨の鑑定を頼まれ、予定を繰り上げてフランスへと行く。
そのインチキ事件に関係した先史文化研究所では失踪事件が起きていて……というストーリーです。

第4作『古い骨』で登場したジョリ警部が再登場して、フランスが舞台の作品でした。
“考古学上のインチキ事件”で、日本でも起こった捏造事件が思い出されてしまいましたが、こちらはそれをより身近なミステリとしてうまく処理していたと思います。
このシリーズでは様々な骨にまつわる学者たちが登場しますが、どことなくエキセントリックで面白いですね。
日本の歴史教科書だと2ページぐらいの、クロマニヨン人とネアンデルタール(人)(この「人」をつけるか否かに論争があるとは思いもよらず)について熱く語る様は、あまり理解できませんでしたが……。
ギデオンも、愛妻ジュリーの嘆きもなんのそので、行動しますしね。
ミステリ部分ではいつものように、司法人類学の知識によって謎が解ける面白さがありましたが、ジョリ警部が(というか警察が)かなり有能で、ギデオンとは違ったアプローチで謎に近付いていた描写も良かったと思います。
いつもいつも主人公のひらめきですべてがうまくいくのは変ですからね。
それに、何かを知っていた(あるいは主人公より先に知ってしまった)キャラクタが登場しての展開は、2時間ドラマのようにお約束ですが、たまには良いものです。


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| [海外作家:A〜E]アーロン・エルキンズ | 01:31 | comments(0) | - |
楽園の骨/アーロン・エルキンズ、青木久惠訳
親戚の死因を調べて欲しい――FBI捜査官ジョン・ロウの依頼でギデオンはタヒチへ飛んだ。
ジョンの叔父の経営するコーヒー農園では最近不穏な出来事が続いており、今度は娘婿が不審な死を遂げたのだ。
彼の死と一連の事件には何か関係が?
やがて、平穏に見えた農園の秘密が明らかに……陽光輝く南の島でスケルトン探偵が鮮やかな推理を見せるシリーズ第八弾。


ギデオン・オリヴァー教授シリーズ第8作目。

ハワイ火山国立公園でパーク・レンジャーをするブレンダは、公園内にある火山の石を持ち帰ったために呪いをかけられたと訴えるよくある手紙の整理をしていて、その中に従姉妹のテレーズのものがあるのを発見する。
手紙によると、彼女の父が経営するコーヒー農園では不穏な出来事が続いているという。
ブレンダはテレーズに確認を取った後、以前マフィアが関係する事件でマフィア側に不利な証言をしていたことへの復讐ではないかと疑い、FBI特別捜査官のジョン・ロウに調査を依頼する。
嫌々引き受けたジョンだったが、テレーズの内縁の夫であり農園の業務責任者であったブライアンがキャンプ地で死去したという。
事故と結論付けられすでに埋葬されたブライアンだったが、その死を不審に思ったジョンは、友人であり司法人類学者であるギデオンに調査を依頼する。
墓を掘り起こすことに及び腰ながらも、タヒチへと飛んだギデオンだったが……というストーリーです。

シリーズお馴染みのキャラクタであるジョンの家族の問題が大きく関わっていたせいか、なかなか進展しないストーリーにイライラしました。
主人公が死体を見ないと話が始まらないのに、そこに至るまでの長いこと!
本当はそんなに言う程ページ数をくっているわけではないのに、何故か長いんですよね……。
もちろんあと数十ページしか残っていない状態で一から殺人事件発生!なお話も読んだことはありますが、この作品はミステリはきっちりしながらもライトに読めるのが売り(だと勝手に思っている)なだけに、辛かったです。
あと、愛妻ジュリーがいないせいか、タヒチの魅力満載というよりはじめっとして虫がいっぱいいて、と嫌な感じ。
『密林の骨』(参考)もじめっとしていた記憶があるので、ジョンというキャラクタはそういう風に出来ているのかもしれません。
謎解きは、やや不満。
結構最初から鍵が読者にはわかってしまう作りなのに、最後がドタバタで。
しかし、にやりとしてしまう幕切れではありました。
ギデオンの専門分野たる司法人類学が大きな謎解きをしてくれていますしね。

全体的にイレギュラーな香りがしましたが、いつもいつも人類学の学会やらパーティーやらで事件ばかり起きても困りますし、シリーズ作品としてはよくできていると思います。


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| [海外作家:A〜E]アーロン・エルキンズ | 00:57 | comments(0) | - |
遺骨/アーロン・エルキンズ、青木久恵訳
司法人類学界の長老がバス事故で悲劇の死を遂げて十年、その遺骨が自然史博物館に展示されることになった。
それを記念して開催される学会に出席するため、ギデオンはオレゴンへ飛んだ。
ところが遺骨が何者かに盗まれる不可解な事件が起こり、続いて博物館の近くから謎の白骨死体が――シリーズ屈指のトリックで謎解きの醍醐味を満喫させる本格雄篇。


ギデオン・オリヴァー教授シリーズ第7作目。

司法人類学西部連盟(WAFA)という私的団体に籍を置くギデオンはその会合へ出席するため、妻のジュリーと講義を行ってもらうために呼んだ友人でありFBI特別捜査官でもあるジョンと共にオレゴン州へ行く。
その連盟の発端とも言える司法人類学の長老・ジャスパーが引退パーティーからの帰路で亡くなって十年がたち、もともと献体を希望していた彼の遺骨が自然史博物館に展示されることになったという。
しかし、公開された遺骨は盗まれてしまう。
WAFAの誰かが盗んだのか、何のために?と気になるギデオンだったが、ジャスパーの直弟子の多くは何かを隠しているようだった。
そして散歩中森の中で死体を発見したギデオンは、その白骨の再現をまかされてしまうのだが……というストーリーです。

旅情ミステリの傾向が強いシリーズ作品ばかり読んでいたので、司法人類学者としての真っ当な仕事が詳しく描かれていて興味深かったです。
例えば、偶然ギデオンが見つけてしまう埋められた白骨死体も、「土壌圧縮地」なるものがあったため。
この「土壌圧縮地」とは、死体を埋めて地面を元どおり平らにした場合に起きる現象らしく、たまたま訪ねたアパートの一室で関係者が死んでいたり、工事現場から偶然発見される白骨死体よりもかなり面白いですし、登場人物やシチュエーションに合っていてよく出来ています。
また、読んでいない作品も多いので滅多なことは言えませんが、いつも骨をいじくり回して炎症の痕やナイフで傷つけられた痕を見つけるギデオンが、顔面再生なるものをするのも物珍しかったです。
しかもそれが劇的に使われていました。
最後は、紹介文の煽り通り、珍しく派手なトリックがあって読み応えがありましたし。
引っかかる部分がなかったとは言えませんし、著者お気に入りのキャラでいつもどこかに出したいというジョンがいてもいなくても良かった気もしないでもありませんが、充分満足です。


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| [海外作家:A〜E]アーロン・エルキンズ | 23:51 | comments(0) | - |
骨の城/アーロン・エルキンズ、嵯峨静江訳
環境会議の会場となった古城近くで発見された人骨。
調査に乗り出した人類学教授ギデオンは、骨の特徴があぐらをかく職種の人間のもので何者かに殺害されたのだと推定する。
やがて、数年前同じ場所で開かれた環境会議で参加者たちが諍いをしていた事実と、会期終了後参加者の一人が熊に喰われて死んでいたことが明らかに。
さらに今回の参加者が城から転落死を遂げ……一片の骨から不吉な事件の解明に挑むスケルトン探偵。


ギデオン・オリヴァー教授シリーズ第13作目。

変わり者で有名な資産家・コズロフが主催する環境シンポジウムの学会会員に選ばれた妻・ジュリーと共に、イギリスのセント・メアリーズ島のコズロフの城にやってきたギデオン。
学者根性を出して妻の仕事を邪魔しないように、また退屈を紛らわせようと、ディナーで同席になったシリー諸島博物館の館長・マデリンが長年悩まされてきた所蔵されたままになっている人骨の鑑定に乗り出す。
そこで彼は明らかに他殺のあとの残る骨を見つけてしまい……というストーリーです。

スケルトン探偵とまで言われる形質人類学者のギデオンが主人公の旅情本格ミステリシリーズですが、まさにその通りの内容でした。
それを求めて読み始めたので、満足しました。
とはいえ、シリーズ作としては謎はやや平凡です。
骨から事件が発覚し、それが古城に招待された学会員たちに関係しているあたりの展開が非常に雑に感じました。
悪くはないのですが、シリーズでうまい作品を読んでしまっているので、期待してしまうのでしょう。
また旅情という点でも、あまり島が魅力的ではなかったような……。
加えて、私はこの翻訳の方が苦手なようで、あちこちに引っかかってしまいました。
(これは趣味の問題ですね)

良かったのは、島の警察官コンビ。
偏屈な上司と明るい部下の組み合わせが素敵でした。
再登場しても良いかもしれません。


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| [海外作家:A〜E]アーロン・エルキンズ | 21:38 | comments(0) | - |
密林の骨/アーロン・エルキンズ、青木久恵訳
アマゾン河を旅する格安ツアーに参加したギデオンだが、同乗者は奇妙な人間ばかりだった。
不穏な雰囲気の漂う民族植物学研究者一行、秘密を持つ船長、出自不明のガイド。
やがて事件が勃発する。
岸の方から槍が飛来し、船内に突き刺さったのだ。
そしてその穂先の基部に巻かれていたのは……さらに接岸した場所で不思議な穴のあいた骨が発見され……一片の骨から名推理を展開するスケルトン探偵ギデオンが密林の闇に挑む。


ギデオン・オリヴァー教授シリーズ第14作目。

妻のジュリーが、友人でFBI特別捜査官のジョンの妻・マーティと連れ立って旅行に行くこととなり、ギデオンもジョンと共に、馴染みの旅行会社添乗員のフィルが企画したアマゾン河ツアーに参加することに。
観光業に派手に乗り出すチャンスを窺っている船長が持つ元は護送船だったという船に乗り込む一行だったが、同行する民族植物研究者のグループは、誰も彼も不満と秘密を持っていそうで、彼らをガイドする現地人の男は明らかに薬物中毒で怪しい。
面白い旅行になりそうだと思ったギデオンだったが、事件が次々と起こり……というストーリーです。

今回はいつもの同行者・妻ジュリーが不在で、しかし観光ミステリーらしく、かわりに友人二人とはるばるアマゾンまで出かける内容でした。
ところが、この観光がいつもと雰囲気が違います。
今まで読んだ作品だと主人公が訪れる異国がかなり魅力的に描かれていた記憶があるのですが、この作品ではまったく行きたくありません。
描写が下手なのではなく、作中のアマゾンは、実にねっとりとした危険と隣り合わせの場所として異常なまでの存在感があります。
謎と相まって、かなりうまいと思います。
おかげで、ライトさと本格ミステリの面白さが両方味わえる貴重なシリーズではありますが、今回はかなりドキドキさせられました。
……で、アマゾンには決して足を踏み入れたくなくなったわけですが。

ミステリ部分だと、いつもよりびっくりさせられたかもしれません。
訳ありのグループはありがちですが、単純にそれだけで終わらせていないとは思っていませんでした。
最後は消化不良気味な部分もありましたが……。
あと、原題の「Little Tiny Teeth」が良いですね。

今回の主役はアマゾン!と言って良い、シリーズではやや異色の作品かもしれません。


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| [海外作家:A〜E]アーロン・エルキンズ | 22:48 | comments(0) | - |
原始の骨/アーロン・エルキンズ、嵯峨静江訳
評価:
アーロン エルキンズ
早川書房
¥ 861
(2009-09-05)

ネアンデルタール人と現生人類の混血を示唆する太古の骨――この大発見の五周年記念行事に参加すべく骨の発掘されたジブラルタルを訪れたギデオン。
だが喜ばしい記念行事の影には発掘現場での死亡事故をはじめ、不審な気配が漂っていた。
彼自身まであわや事故死しかけ、発見に貢献した富豪が自室で焼死するに至り、ギデオンは疑いを深めるが……。
一片の骨から先史時代と現代にまたがる謎を解く、スケルトン探偵の名推理。


ギデオン・オリヴァー教授シリーズ第15作目。

人類学に多大な貢献をしたという理由で表彰されるガンダーソンのためのシンポジウムと国際古人類学会に出席するためにジブラルタルへ妻・ジュリーと共に行くことになったギデオン。
ジブラルタルではネアンデルタール人現生人類の混血があったとされる人骨が発見されており、ガンダーソンはその発掘にも関係しており、シンポジウムに集まる学者たちはもちろん、ギデオンも鑑定に協力していた。
しかしジブラルタルでの観光中、ギデオンは事故死しかけ、自分は突き落とされたのではないかという疑惑を抱く。
さらに表彰されるはずだったガンダーソンまでが焼死。
過去発掘現場で死亡事故があったことも知り、ギデオンは調査に乗り出すが……というストーリーです。

珍しくここ最近読書をしていませんでした。
忙しかったのも体調を崩していたこともありますが、暇な時間が出来ても読もうとしなかったのは私自身不思議なぐらい、離れていました。
今リハビリのようにそろそろと読み始めていますが、積んである中からこれをまず手に取ったのはまた間違い。
いくらシリーズ順に読み始めていないとはいえ(刊行も順序良くない)未読のシリーズ前作があるのに新作を読み始めるのはよくありませんね。
ちょっと反省です。

しかし、そんな配慮なぞいらん!とばかりに、「いつも通り」の内容でした。
いつまでたっても熱々な妻・ジュリーと共に観光地を訪れ、そこで事件に巻き込まれる……という展開そのまま。
安心できるシリーズです。
今回の舞台はジブラルタルで、世界史も地理も疎い私には聞いたことがある程度の地名でしたが、魅力的に描かれていたと思います。

ただ、ミステリの部分は微妙。
結構ありがちというか、かなり先が読めるというか、冒頭から謎の鍵が予想できてしまうありがちさ。
ありがちでも面白ければ構わないのですが、これまた困ったことに私が今まで読んできたシリーズの翻訳者と違う方だったせいか、テンポが違うんですよね。
何となくですが、乗り切れない。
犯人も動機もなんだか大雑把な印象でしたし……。
私がリハビリ中ということを考えても、また翻訳の部分は目をつぶるにしても、シリーズ作品で良作とは言いがたいのではないかと思いました。


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| [海外作家:A〜E]アーロン・エルキンズ | 11:02 | comments(0) | - |
骨の島/アーロン・エルキンズ、青木久惠訳
イタリア貴族の当主ドメニコは姪に信じがたい言葉をかけた。
「私の子を産んでほしい」と。
時は流れ、産まれた子は、実業家として財を増やそうとする。
だがその矢先、一族の人間が誘拐され、さらに前当主のドメニコの白骨死体が地中から発見された。
調査を始めた人類学教授ギデオンは、骨に隠された一族の数々の秘密を知ることになるが……円熟味を増したスケルトン探偵ギデオン・オリヴァーの推理が冴える本格ミステリ。


ギデオン・オリヴァー教授シリーズ第11作目。

旧友・フィルが勤める<安く旅する会>のガイド役としてイタリア湖水地方を旅するにあたって、ギデオンの愛妻・ジュリーを旅行の助手として引っ張り込んだ。
結果ギデオンもイタリアを訪ねることとなる。
フィルは実はイタリア人で、彼の親戚である旧伯爵家の住む島へ二人を招くが、そこでは当主の息子が誘拐されるという事件が発生していた。
そして一族が経営する建設会社が開発のために掘り起こした土地からは骨が発見され……というストーリー。

ハヤカワミステリ文庫でこのシリーズを順に追いかけると3冊目になりますが、実際は11作目。
作品紹介に「円熟味を増した」とありますが、なるほど破綻のない構成と慣れた展開で安心して読めます。
ギデオンは相変わらずですし、ジュリーとの熱々ぶりもいつも通り。
観光地ミステリとしての要素だと、今回はイタリア湖水地方(この呼び方に縁がないのですが、ミラノという名が登場するのでイタリア北部のようです)で、それも同じく。
ただ、ストーリーにまで既視感があっては困ります。
読んでいる最中から、込み入った血族関係の旧家の陰謀とは第4作「古い骨」に似ているなぁと思ったものですが、解説にまで「上質な焼き直し」と書かれるようでは……。
しかも本当に“上質”であれば、シリーズ作品ですから納得もできますが、どうしても「古い骨」の出来が良いので比べてしまいました。
シリーズを追いかける身としては問題なく読みましたが、ちょっと残念。


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| [海外作家:A〜E]アーロン・エルキンズ | 11:59 | comments(0) | - |
暗い森/アーロン・エルキンズ、青木久惠訳
ワシントン州の国立公園の大森林で人骨の一部が発見された。
遭難したハイカーの遺骸なのか?
だが、ギデオン・オリヴァー教授の鑑定の結果、骨は六年前に殺された男性のものと判明する。
そのうえ、殺人の兇器は一万年前に絶滅したはずの種族が使っていた槍だった!
森の奥深くに住むという伝説の猿人が本当にあたりを徘徊しているのか……一片の骨から縦横無尽の推理を繰り出すスケルトン探偵が真骨頂を示す初期代表作。


ギデオン・オリヴァー教授シリーズ第2作目。

オリンピック国立公園内で男性ハイカーが2人、行方不明になって6年。
そして再び、今度は女性ハイカーが行方不明になった。
その後、100年以上前から使用されていると思われるインディアンの墓地から人骨が発見され、FBIのジョンに呼ばれたギデオンは6年前のハイカーらしいと鑑定する。
しかし国立公園にインディアンがいたという話はなく、それなのに中石器時代の武器で殺されていた……というストーリー。

このシリーズは第1作目の「Fellowship of Fear」が、どうも作品自体の路線が違うためか未翻訳なので、作品を順に読もうとするとこれが一番最初に来ることになります。
シリーズミステリは順に読むことを基本的にはおすすめする私ですが……うーん、これを読んだ後は、代表作と言われる第4作「古い骨」から読んで良かったかもしれないと思ってしまいました。
いえ、本格ミステリとしての形は整っているわけですし、ギデオンが骨の鑑定をして被害者はもとより犯人を見つけ出すというシリーズ通してのかたちは示されていて、しかも主人公の公私共に良きパートナーとなるジュリーとの出会い編でもあるのですから、楽しみました。
しかし、真相が好みじゃないのですよ。
何だよそれ、と言われそうですが、何というか物凄く独創的でしてね……。
無分別に開発し続けている国土の狭い国に住んでいる身としては、あんぐりってな感じでした。
ディーヴァーの「エンプティ・チェアー」でも人が立ち入らない土地が当たり前に存在するアメリカの国土の広大さにため息が出たものですが、こちらでも同じ感想を持ちました。
何せ舞台となるオリンピック国立公園(世界遺産に指定されております)はウィキによれば太平洋に面した海岸線に氷河、熱帯雨林という様々な自然が楽しめ、面積は3,734km²。
解説では神奈川県より広いとのことでしたが、埼玉県ぐらいでしょうか。
そんな広さの土地が保護されているのですから、日本とは規模が違います。


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| [海外作家:A〜E]アーロン・エルキンズ | 20:00 | comments(0) | - |
断崖の骨/アーロン・エルキンズ、青木久惠訳
楽しいはずの新婚旅行がだいなしだった。
新妻のジュリーとイギリス南西部の風光明媚な地を訪れたギデオン・オリヴァー教授は、またもや事件に巻き込まれてしまった。
見学先の博物館から貴重な先史人の骨が盗まれ、続いて旧友が発掘中の遺跡で殺人事件が起きたのだ。
ギデオンは調査を進めるが、やがて死の危機に……骨を手がかりに事件を解決するアメリカの名高きスケルトン探偵が、伝統の国イギリスで複雑な謎に挑む会心作。


ギデオン・オリヴァー教授シリーズ第3作目。

晴れて夫婦となったジュリーと共にイギリスに新婚旅行にやってきたギデオン。
恩師であるエイブ・ゴールドスタインに頼まれ、この地で発掘作業をしている旧友・ネイト・マーカスの様子を見に行くこととなる。
彼は卓越した発掘技術を持ちながらも、その過激な言動で周囲から顰蹙を買うことの多い男だったのだが、今回もまた問題を起こしているらしい。
恩師のために旅行の合間に遺跡へと向かったギデオンは、そこで事件に巻き込まれる……というストーリー。

今回の舞台はイギリスです。
私は詳しくないので何とも言えないのですが、アメリカ人にとってイギリスへ旅行し田園風景を散歩で楽しむというのは、よくあるコースなのでしょうか。
観光地ミステリーとしての要素もあるシリーズなので、そうなんだろうなと漠然とは想像できますが、わざわざ長期滞在して散歩とは……熊野古道とかのイメージで良いのでしょうか?

さておき、この作品では新婚ほやほやのギデオンとジュリーのらぶらぶっぷりが見られます。
というかそればっかりです。
事件の根元となる部分のスタートが遅いだけに、前半部分のの二人のいちゃつきばかりが印象に残っているような。
そこがやや不満なところでもあって、最後色々な出来事が起こるのですが、そこが早足な気がするんですよね〜。
だからこそ畳み掛けるようなどんでん返しの雰囲気になって良いと思う人もいるでしょうし、これは私の好みの問題でしょう。
全体的には相変わらず楽しい作品でした。
事件の構図はあっさりしていて分かりやすかったですが、ギデオンの骨鑑定家として仕事もきっちり見れて良かったです。


JUGEMテーマ:読書
| [海外作家:A〜E]アーロン・エルキンズ | 12:09 | comments(0) | - |
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