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みんな一緒にバギーに乗って/川端裕人
田村竜太はこの春大学を卒業したばかりの保育士。
区立桜川保育園の一歳児クラス・めだか組が彼の職場だ。
先輩に気後れしがちな彼は、子どもたちから信頼を得られず、父母たちにも不安を抱かせていた。
無力感を感じながらも、ひとりの子どもとの交流をきっかけにして竜太は成長していく。
キラキラと輝く子どもたちの姿と、子育て現場での様々な問題点を描く連作集。


区立桜川保育園に採用された田村竜太は、「どうして保育士になろうと思ったのか」と聞かれてもうまく答えられない。
理念をもって仕事に臨んでいる同期の男性保育士や、魔法のように子供たちをまとめてしまう先輩保育士たちにもまれ、何事にも自信が持てないでいる。
そんな時、担当するクラスの女の子が顔に怪我をしたことで騒動が起き……というストーリーです。

今作品紹介に「連作集」という言葉を発見して、納得。
語り手が途中変わることに物凄く違和感を感じでしまったのですが、最初にこの言葉を認識していればそんなこともなく読めたのではないかと思います。

なんというか、著者らしい視点の作品でした。
登場人物の造形を語る前に、取材した出来事で「自分」が思ったことをキャラクタの力を借りて語っちゃうあたりが。
これが私は物凄く嫌いで、物語の面白さに主義主張は関係ないから、と常に言いたくなってしまいます。
むしろ「事実」も関係がない。
(……と考えるのは、私がSFやファンタジー、ミステリが好きなせいでしょうかね……)
加えて、登場する人物が皆子供っぽい。
特に男の人。
何かこう、この作者さん、理想の男というものを勘違いしているのではないでしょうか。

ということで、好みじゃないよなぁと思いながらも、何故か読んでしまうわけですが、それは一定以上のレベルはクリアしている作家さんだからでしょう。
テーマがあるのも、それ自体は面白いですし、文章が平易なせいか読みやすいのです。
主人公(はたぶん田村竜太でしょう)の成長をメインに置いておいて、今現在保育の現場を取り巻く問題を描くのは、ありがちかもしれませんがなかなか読ませてくれます。
ただ、もうちょっと「謎の男」を軸にするなりしてまとまりのあるストーリーにするなり出来なかったのかな、と思っちゃいます。
このテーマなら小説ではなくルポで読みたかったですね。
(チェックしていないので、もしかしたらすでに書かれているかもしれませんが)


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:か行]川端裕人 | 17:25 | comments(0) | - |
川の名前/川端裕人
川の名前
川の名前
川端 裕人

菊野脩、亀丸拓哉、河邑浩童の、小学五年生三人は、自分たちが住む地域を流れる川を、夏休みの自由研究の課題に選んだ。
そこにはそれまでの三人にとって思いもよらなかった数々の驚くべき発見が隠されていたのである。
ここに、少年たちの川をめぐる冒険が始まった。
夏休みの少年たちの行動をとおして、川という身近な自然のすばらしさ、そして人間とのかかわりの大切さを生き生きと描いた感動の傑作長篇。


「川の名前」という地味なタイトルと、“夏休みの自由研究”という題材から、都会の子供が身近な自然の不思議に惹きこまれるような地味な話しかと勝手に想像しておりました。
それにしては分厚いなぁ、なんて。
それが、読んでみたらまあ、これは「夏休みの冒険」に近い。
冷めた子供だった私からすると、どこにいるんだこんな子供たち…とつっこみたくはなりますが、この著者の作品に出てくる登場人物たちはどこか浮世離れしている(と私には思える)キャラクタばかりなので、逆に子供なだけ許せるかもしれません。
それに途中の騒動が、あのアザラシの馬鹿騒ぎそのもので、リアリティがありました。
ただ、結末が私には納得がいかないのですよね。
作中にある「ステーキ肉を食べながら動物愛護を語るような無神経さ」には大きく頷きなくなりますが、そこと、たぶん著者が良しとしているであろう動物愛護や自然保護の考え方の違いが私にはわからない。
両者とも気持ちが悪い。
小説作品にメッセージをこめることは、上手にやれば素直に感じ入れるのに、あまりにストレートだと反発したくなる。
私が天邪鬼なだけかもしれませんが、小説としての面白さよりそこが気になってしまって、後味がよくありませんでした。
ですが、分厚いなぁ、と躊躇したくせに簡単に読み終えてしまえる、平易な文章は長所です。
たまにはこんな内容で、童心に返るも、自然との関わりに思いをはせるのも、良いかもしれません。
解説は神林長平氏です(私的最大セールスポイント)
| [国内作家:か行]川端裕人 | 00:51 | comments(0) | - |
せちやん 星を聴く人/川端裕人
せちやん 星を聴く人
せちやん 星を聴く人
川端 裕人

学校の裏山にぽつんと建つ摂知庵という奇妙な家。
少年三人組はそこで神秘的な中年男と出会った。
銀色のドームに篭もり、遠い星に思いを馳せる日々。
「宇宙」に魅せられた少年たちはそれぞれ大きな夢を追いはじめた。
しかし大人になって見上げる空は、ときに昏く…。
切なくほろ苦い青春の果てを描く傑作小説。


プロットがしっかりある作品です。
主人公が星に憧れ、しかしバブル期にふらふらし、最後社会的に挫折した後の展開は本当に苦い。
その苦さとクライマックスが噛み合って、一気に読ませてくれる作品です。
少年三人組の行き先がちょっとドラマチック過ぎないか?とか、本当に中学生にもなって男の子というやつは“悪の組織”なんて口にしたりするのか?とか、色々言いたいことはありますが、筋自体が気に入ってしまったので目を瞑ります。
“小説”ですから、多少浮ついたところがあろうと、良いのですね。
| [国内作家:か行]川端裕人 | 00:43 | comments(0) | - |
動物園にできること/川端裕人
動物園にできること
動物園にできること
川端 裕人

動物園は絶滅危惧種を救えるか?
大自然から切り離された動物たちは幸せなのか?
動物園先進国アメリカでのルポルタージュを通じて、子供たちの夢をはぐくむ娯楽施設の裏に隠されたフィロソフィーを探る、新感覚フィールドワーク。
日本に於ける最新事情を加筆した“動物園を知るためのバイブル”最新版。


取材場所がアメリカなのでいまいち身近には感じられないという点はありますが、「動物園」という懐かしい響きさえする場所の存在を新たに考えさせてくれる一冊です。
動物園が行っている様々な努力、特に動物たちをより「幸せ」にする方法以外に、種の保存に重要な役目を負っていることに感心しました。
今現在、旭山動物園のブームもあることですし、これからの動物園とはどのような場所であるべきか考える手がかりになってくれるはず。
著者があれこれインタビューするたびに考えをうろうろさせるのは、ルポとしてどうあんおかはわかりませんが、私にはありでした。
動物園は大嫌いなのですが(臭いし。そもそも動物が嫌いだ)今度行ってみようかな、と思います。
| [国内作家:か行]川端裕人 | 00:34 | comments(0) | - |
夏のロケット/川端裕人
夏のロケット
夏のロケット
川端 裕人

火星に憧れる高校生だったぼくは、現在は新聞社の科学部担当記者。
過激派のミサイル爆発事件の取材で同期の女性記者を手伝ううち、高校時代の天文部ロケット班の仲間の影に気づく。
非合法ロケットの打ち上げと事件は関係があるのか。
ライトミステリーの筋立てで宇宙に憑かれた大人の夢と冒険を描いた青春小説。
第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞のデビュー作。


高校時代にロケット打ち上げに魅入られた大人たちが、一夏の冒険に踏み出す小説です。
語り手は新聞社科学部担当記者、友人に芸能界で成功して大金を手に入れた者、商社で宇宙事業担当となった者、宇宙開発事業団で研究者となった者、特殊金属メーカーで働く者、とそれぞれが得意分野を持ち寄って夢を叶えようとあがくわけです。
あれです。
子供の頃買えなかったおもちゃを、大人になってお金にまかせてドカンと一気に買っちゃうやつ。
本当は青春SFミステリとしてそれなりの体裁を保っている作品だろうに、私には「大人買い」にしか思えないのは、登場人物たちの思考パターンや行動が阿呆だからの一言に尽きます。
どうしても大人になったが故の悲哀が感じられない。
突き進むばかりです。
多少の強引な展開やくどい説明に目をつぶろうという私の気持ちを逆なでするんですね。
夢を追いかけることに夢中になった男の子ってのはこういうものなのかな、と思いつつも、キャラクタが肌に合わなかった作品でした。
| [国内作家:か行]川端裕人 | 00:05 | comments(0) | - |
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