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デカルトの密室/瀬名秀明
ヒト型ロボットが実用化された社会。
ロボット学者の祐輔と進化心理学者の玲奈は、ロボットのケンイチと共に暮らしている。
三人が出席した人工知能のコンテストで起こった事件から、悪夢のようなできごとは始まった。
連続する殺人と、その背後に見え隠れする怜悧な意思が、三人を異世界へ引き寄せる――。
人間と機械の境界は何か、機械は心を持つのか。
未来へ問いかける科学ミステリ。


メルボルンで行われたAIコンテストで、自作のAIで参加していた尾形祐輔は参加者名簿の中に10年前に死んだはずのフランシーヌ・オハラの名を発見する。
そして会場に現れた彼女は、自分そっくりのロボットに車椅子を押されていて、祐輔にAIコンテストとは逆の考え、誰が一番機械らしいかの競争をしようと持ちかける。
流されるままそれに従った祐輔だったが、その後行方不明に。
そして彼を助けようとした祐輔のロボット・ケンイチはフランシーヌを射殺してしまう……というストーリーです。

分厚い本で、読み応えもありましたし、面白かったとも思うのですが……ミステリと言われると何だか不思議な感じがします。
私は途中からSFだと思って読みました。
読みましたが……「何故ケンイチ(ロボット)はフランシーヌ(人間)を殺したのか」という一点で突き進めてくれたらもっと読みやすかったかな?という気がします。
もちろん続く殺人でも同じテーマなのはわかるのですが、自己と自我という哲学を持ち出してそれにのめりこんでしまっているような、これだけの分量で面白かったという感想もありつつ、何故か中途半端な印象です。
結局ジャンルがミステリでもSFでも何でも良いのですが、エンタテイメント作品なのだとしたら、わかりやすい部分も必要なのではないでしょうか。
違う意味で「わかりやすい」というラストの地味にまとめた感がまた微妙。
予定調和は嫌いではないのですけどね。
あと、どうもシリーズ2作目らしい雰囲気にちょっと戸惑ったり。
(「メンツェルのチェスプレイヤー」が第1作のようです)
何にしてもこういった作品を書ききる筆力には感心せざるを得ませんがね。

哲学や思想に関しては、「何言っているのかわからない」と思ったら無視することをおすすめします。
何となく読んでいればわかるはず。
私は大学時代の知識を掘り起こしましたが、ヴィトゲンシュタインなんて懐かしさでいっぱいです(つまり憶えていない)


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:さ行]瀬名秀明 | 17:11 | comments(0) | - |
ハル/瀬名秀明
ハル
ハル
瀬名 秀明

魂を感じさせる妻そっくりのヒューマノイド、幼い日の記憶のなかで語る科学館のロボ次郎、地雷撤去のため、探知犬と共にタイ東部国境をゆくデミル供玩具として売られたロビタ―機械と人間をむすぶ切なく感動的なドラマが、現代科学の周到な知識のもと熱を孕んだ筆で描かれる。
間近に迫る「あした」の物語。


「あしたのロボット」を改題した、連作短編集です。
収録は
「ハル」「夏のロボット」「見護るものたち」「亜希への扉」「アトムの子」
の5作品の間に、「WASTELAND」という短い文章が1〜6まで挿入されている形式です。
どうも納得できない作品を書く作家という印象の強い瀬名氏ですが、これは良かったです。
そもそも私が長編よりも短編、とくに連作を好むと言う要因は大きく関わっているでしょうが、読後に面白かったと思えたのは事実。
それにロボットに関する緻密な記述が、さすがロボットに関する科学ノンフィクション作品も書いた方だと思えました。
あとがきにあるように、「通常のSF作品だと省略されがちな問題を丁寧に扱っている」点が好ましかったということでしょう。
一番好きなのは「亜希への扉」
ちょっとしたラブロマンスになっている点がヒットしました。
| [国内作家:さ行]瀬名秀明 | 23:49 | comments(0) | - |
BRAIN VALLEY/瀬名秀明
BRAIN VALLEY〈上〉
BRAIN VALLEY〈上〉
瀬名 秀明

BRAIN VALLEY〈下〉
BRAIN VALLEY〈下〉
瀬名 秀明

人類最後の秘境=脳。
その研究のために、各分野の気鋭の学者が巨大施設「ブレインテック」に集められた。
脳科学者・孝岡護弘もその一人だ。
だが彼は赴任早々より、奇怪な現象に次々遭遇する。
白き光芒を放つ女、幽体離脱体験、そしてエイリアンによる誘拐。
孝岡の身に起きた出来事の意味は?
そして、このプロジェクトの真の目的とは何なのか―。
超弩級エンターテインメント。


脳の問題に行き着くと、結局オカルトめいてしまうということなのでしょうか。
SFと言えばSF以外の何者でもない気がする一方で、納得がいかない読後感でした。
大作なのは認めますが、個人的には面白くなかったです。
UFOとかアブダクトだけでも頭を抱えたくなるというのに、幽体離脱に霊感に、最終的には「神」ですか…。
微妙。
| [国内作家:さ行]瀬名秀明 | 23:43 | comments(0) | - |
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