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交換殺人には向かない夜/東川篤哉
不倫調査のため、使用人を装い山奥の邸に潜入した私立探偵・鵜飼杜夫。
ガールフレンドに誘われ、彼女の友人の山荘を訪れた探偵の弟子・戸村流平。
寂れた商店街で起こった女性の刺殺事件の捜査をおこなう刑事たち。
無関係に見えた出来事の背後で、交換殺人は密やかに進行していた……。
全編にちりばめられたギャグの裏に配された鮮やかな伏線。
傑作本格推理。


烏賊川市シリーズ第4弾。

私立探偵の鵜飼は、依頼された不倫調査のために著名な画家の屋敷に、朱美と共に向かう。
一方、調査に同行するつもりだったもののキャンセルされて沈んでいた流平は、空いたスケジュールを利用して、十乗寺さくらからの泊りでの誘いに乗る。
烏賊川市のシャッター通りでの殺人事件の捜査は、雪の中思うように進まないが……というストーリーです。

伏線だらけ過ぎて、どうストーリーを書いたらわかりやすいのかサッパリです。
いやあ、面白かったです。
最近もてはやされるミステリって、エンタメ系が多い気がするのですが(否定はしません。面白ければ正義)著者は恐ろしい程に本格推理に邁進している気がします。
メイントリックはあまり好きではないものの、最後までわからないままでいた場合の爽快感はかなりあります。
わかりにくくなっている原因が、それをコーティングする付随のトリック。
あれもこれも伏線か!と気付いて、脱帽です。
それでいてそのものずばり、テーマをタイトルにもってきてしまうところが、さすが。
最後のまとめかたに不満はありましたが、好みの問題でしょう。

シリーズ作品として追いかけている方には、いつものメンツがバタバタしていて楽しめるかと。
駄目な大人たちですが、すっかりお気に入りです。
一方で、この作品から読んでもたぶん大丈夫。
鵜飼と朱美、流平とさくらの絡みをより楽しむには前作までを読んでいた方が良いかなとは思いますが、メインのキャラクタが新人(?)ですし、トリック重視の作りになっているので、読めると思います。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:は行]東川篤哉 | 12:49 | comments(2) | - |
もう誘拐なんてしない/東川篤哉
大学の夏休み、先輩の手伝いで福岡県の門司でたこ焼き屋台のバイトをしていた樽井翔太郎は、ひょんなことからセーラー服の美少女、花園絵里香をヤクザ二人組から助け出してしまう。
もしかして、これは恋の始まり!?
いえいえ彼女は組長の娘。
関門海峡を舞台に繰り広げられる青春コメディ&本格ミステリの傑作。


下関のごく普通の大学生・樽井翔太郎はやっかいな先輩に頼まれ、たこ焼き屋台のアルバイトで海を渡った門司へ。
そこで怪しげな男二人に追いかけられているセーラー服の美少女に助けを求められ、ついつい手を貸してしまう。
その美少女はヤクザの娘で、追いかけていた男二人は娘を溺愛する組長がつけたボディーガードだったらしい。
青くなる翔太郎だったが、美少女の頼みごとは断れず、入院する腹違いで認知されていない妹を見舞いたいという彼女・絵里花に付き合って下関へ。
しかも、高額な治療費を払ってやりたいと泣かれ、思いついたのが偽装誘拐で……というストーリーです。

非常に濃い作品でした。
著者のテイストはいつも通りで安心して読めるわけですが、狂言誘拐だけで終わるのかと思ったら大間違い!という展開が凄い。
翔太郎側の話だけでなく、同時にヤクザたちの話が進むのに文庫の厚みは一般的ですから、濃くもなろうというもの。
笑いの裏で実はかなりなトリックを仕掛けてくる著者らしく、いちいちなるほど〜と思わせてくれました。
どこまで書いたらネタバレになるのか、さっぱりわからないうえに、それとなく説明して感想を書くスキルが私にないので、残念なことに詳しく記述できませんが、ミステリ好きならきっとどこかに感心するはずです。
私は誘拐モノが大好きなので、どう処理するのかとわくわくしながら読み進めましたが、びっくりしました。
こうきたか、と。
加えて下関を舞台にしたわけがわかって、すっきりしました。

ただ、残念なのが伏線回収が駆け足なこと。
後半にもっと重点を置けなかったのかなと思います。
ラストは好き嫌いがあるかと。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:は行]東川篤哉 | 23:30 | comments(0) | - |
学ばない探偵たちの学園/東川篤哉
私立鯉ケ窪学園に転校した赤坂通は、文芸部に入るつもりが、何故か探偵部に入部してしまう。
部長の多摩川と部員・八橋とともに部活動に励むなか、学園で密室殺人事件が発生!
被害者は、アイドルを盗撮しようとしたカメラマン。
妙な名前の刑事コンビや、個性派揃いの教師たちが事件をかき回すなか、芸能クラスのアイドルも失踪!
学園が誇る探偵部の推理は。


鯉ケ窪学園探偵部シリーズ第1弾。

転校生の赤坂通は、文芸部に入ろうとしたところを勘違いから「探偵部」なるあやしい部に入部してしまう。
部長の多摩川に部員の八橋は揃っていい加減で、実はミステリのミの字も知らない通。
部室も存在しない探偵部だったがしかし、保健室で密室殺人事件が発生してしまう。
解決しようと乗り出す三人だったが……というストーリーです。

ゆるい雰囲気の長編ミステリです。
ゆるいのは、もちろん著者の作風ですが、今回は舞台が学園、主要登場人物が高校生という設定だけあって、余計にそう感じました。
しかも二つ発生する密室のトリックまで笑えてしまう始末で、大いに楽しませていただきました。
この著者の作品が好きだったら、当然のようにおすすめ。
一冊でも読んで「無理」と思ったことがあるならば、これもやめておいた方が良いでしょう。
(私は前者です)

ただ、今回散漫な印象を得たのは、登場人物たちが多いせいかもしれません。
探偵部なだけに探偵がたくさんいると考えれば良いのでしょうが……。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:は行]東川篤哉 | 11:58 | comments(0) | - |
館島/東川篤哉
評価:
東川 篤哉
東京創元社
¥ 819
(2008-07)
天才建築家・十文字和臣の突然の死から半年が過ぎ、未亡人の意向により死の舞台となった異形の別荘に再び事件関係者が集められたとき、新たに連続殺人が勃発する。
嵐が警察の到着を阻むなか、館に滞在していた女探偵と若手刑事は敢然と謎に立ち向かう!
瀬戸内の孤島に屹立する、銀色の館で起きた殺人劇をコミカルな筆致で描いた意欲作。
驚愕のトリックが炸裂する本格ミステリ!


岡山の名士であり天才建築家でもある十文字和臣が、瀬戸内海にある島の六角形をした別荘の階段から「墜落死」する。
現場も移動方法もわからないまま、事件は迷宮入りするかと思われた。
しかし、十文字家の関係者であり事件の捜査に携わった相馬刑事や、女性探偵、そして事件が起きた際に館にいた人々が、未亡人に集められ、再び事件が……というストーリーです。

ユーモアミステリみ見せかけて、謎は本格でストレートに読者に挑戦してくる著者の作品の中でも、なかなかに楽しみました。
というか大好きです。
読む人を選ぶと断言できますが、こればかりは私の趣味ですから仕方がありません。
瀬戸大橋という大プロジェクトの完成前夜、嵐に閉じ込められた島、奇妙な形をした館での連続殺人……と、これでもかという要素を持ってきて、いくらでも古典だろうが芯本格だろうが始められそうな雰囲気にしておきながら、作中にばら撒かれたしょうもないギャグが受け入れられるがどうかでしょう。
野球ネタに関しては、わからない人はサッパリわからないのではないかと。

それでも、烏賊川市シリーズよりちょっと真面目な印象を受けました。
トリックが派手なことも影響しているかもしれません。
あれこれ書くと、この手の作品に慣れた方々には展開が読めてしまうかもしれないので多くは書けませんが、謎の見せ方は相当上手いと思います。
まあ、動機に若干の違和感は憶えましたが……これはほとんどのミステリで思うことなので。
ボケとツッコミが同居している主要キャラクタには好感が持てました。
シリーズ化するやも、という話なので、続編を待ちたいと思います。


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| [国内作家:は行]東川篤哉 | 05:29 | comments(2) | - |
完全犯罪に猫は何匹必要か?/東川篤哉
『招き寿司』チェーン社長・豪徳寺豊蔵が破格の金額で探偵・鵜飼杜夫に愛猫の捜索を依頼した。
その直後、豊蔵は自宅のビニールハウスで殺害されてしまう。
何故か現場には巨大招き猫がおかれていて!?
そこでは十年前に迷宮入りした殺人事件もおきていた!
事件の鍵を握るのは“猫”?
本格推理とユーモアの妙味が、新しいミステリーの世界に、読者を招く!


烏賊川市シリーズ第3弾。

招き猫を各店舗の前に置く寿司チェーン店の創業者である豪徳寺豊蔵が所持するビニールハウスで、主治医の矢島が殺害される。
その事件が迷宮入りして10年、再びビニールハウスで今度は豊蔵が殺されてしまう。
担当するのは砂川警部と志木刑事、それに豊蔵の死の直前に三毛猫探しを依頼されていた探偵・鵜飼とその部下の戸村、それに大家の朱美は事件に頭を悩ませるが……というストーリーです。

相変わらず笑わせていただきました。
このシリーズたまらなく好きです。
3作目にして雰囲気が落ち着いたような気もしますが、探偵社のとぼけた3人に刑事コンビのキャラクタは相変わらずで、合間合間に挟まれるギャグがくすりとおかしい。
途中挟まれる薀蓄や映画やミステリの話もわかるだけに面白い。
物語は、この長さは必要だったのかとやや思いますが、メイントリックにはなるほどと納得いたしました。
笑いとナンセンスでくるんでおきながら、核は本格というスタイルは変わりません。
こんな風に書ける著者は凄い。
ラストのオチは予想の範囲内でしたが、最後まで楽しんで読みました。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:は行]東川篤哉 | 21:12 | comments(0) | - |
密室に向かって撃て!/東川篤哉
烏賊川市警の失態で持ち逃げされた拳銃が、次々と事件を起こす。
ホームレス射殺事件、そして名門・十乗寺家の屋敷では、娘・さくらの花婿候補の一人が銃弾に倒れたのだ。
花婿候補の三人の調査を行っていた《名探偵》鵜飼は、弟子の流平とともに、密室殺人の謎に挑む。
ふんだんのギャグに織り込まれた周到な伏線。
「お笑い本格ミステリー」の最高峰!


烏賊川市警の砂川警部と志木刑事は、傷害の容疑で逮捕しようとした容疑者が拳銃の密造を行っており発砲される。
そして逃げようとして転落死したその容疑者の傍らからは、直前まで持っていたはずの密造銃が紛失してしまった。
何か犯罪が起きるのではないかという懸念は、ホームレス射殺事件という形で現実のものとなるが、その後烏賊川市の名家・十乗寺家でも事件が起き……というストーリー。

烏賊川市シリーズ第2弾です。
前作の登場人物と事件を踏まえているので、是非第1作目からお読みいただくとして、今回も笑わせていただきました。
ノリは同じです。
軽いテンポにおかしな会話(いえ、地の文もですが)でさくっと進みながら、ミステリとしての謎は本格そのもの。
謎に関しては、やっぱり途中でわかってしまいましたが、前回よりも好きでした。
それに解説にもあるように、お笑いの中に伏線があるのが良いですね。

今回のタイトルは「明日に向かって撃て!」が元でしょうか。
オープニングの密造銃で威嚇する容疑者のシーン以下、映画ネタがまたもやあって嬉しいです。
| [国内作家:は行]東川篤哉 | 10:59 | comments(0) | - |
密室の鍵貸します/東川篤哉
しがない貧乏学生・戸村流平にとって、その日は厄日そのものだった。
彼を手ひどく振った恋人が、背中を刺され、4階から突き落とされて死亡。
その夜、一緒だった先輩も、流平が気づかぬ間に、浴室で刺されて殺されていたのだ!
かくして、二つの殺人事件の第一容疑者となった流平の運命やいかに?
ユーモア本格ミステリの新鋭が放つ、面白過ぎるデビュー作。


かつてイカが大量に水揚げされ繁栄した街は、そこに流れる川を烏賊川とした。
そこに由来して街の名は烏賊川町。
それが市制に移行することになり、そのままその名も烏賊川市(いかがわし)となった。
その市にある大学の映画学科に通う戸村流平は、先輩のツテで地元の小さな映画会社に就職の内々定を貰うが、そのせいで彼女に振られてしまう。
鬱々とした彼を、その先輩が映画鑑賞に誘ってくれたその夜。
彼女は殺され、そしてその先輩も……というストーリー。

烏賊川市シリーズの第1弾にして著者のデビュー作だそうです。
いやはや、たまらなく好きです。
軽くてテンポが良くて馬鹿馬鹿しいノリで、それでいてトリックはしっかりしてて、面白かったです。
解説の有栖川有栖氏の言う通り、本格モノを土台にして飛び越えた作品が横行するなかで、この作品のような実は正統派的なミステリは大歓迎。
細かいところはともかく設定もトリックもそのままで真面目に書くことはいくらでも可能でしょうに、あえて崩しているようなところがいいです。
もちろんもっとストレートに笑えたら良いのでしょうが、個人的には外している感も好き。
こういう作品を読むとホッとします。

主人公が映画学科在籍で映画鑑賞をする云々の話があるだけでなく、タイトルはあの「アパートの鍵貸します」のもじり。
ワイルダーとジャック・レモンの組合わせが大好きな私としては、これにもにんまり。
| [国内作家:は行]東川篤哉 | 02:59 | comments(0) | - |
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