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イン・ザ・プール/奥田英朗
評価:
奥田 英朗
文藝春秋
¥ 500
(2006-03-10)
「いらっしゃーい」。
伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。
色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。
そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。
プール依存症、陰茎強直症、妄想癖…訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。
こいつは利口か、馬鹿か?
名医か、ヤブ医者か。


短編集で
「イン・ザ・プール」「勃ちっ放し」「コンパニオン」「フレンズ」「いてもたっても」
の5編を収録。

順に水泳依存症の男、性器が勃起したままおさまらない陰茎強直症になってしまった男、ストーカーに悩まされて不眠症になった女、携帯依存の高校生に失火に怯える強迫神経症の男が患者です。
そのすべてが、結果としての「病」はともかく、そのあたりに転がっていそうな日常のストレスや思わず頷いてしまいそうな性格が原因だったりするので、お話に入り込みやすい。
文章や展開もうまいので、かなり読みやすいです。
逆にその読みやすさで物足りない感じもしました。
奇矯な精神科医・伊良部の、これまた眉を顰めてしまうような様々なアドバイスの「オチ」が簡単に読めます。
もっとブラックなところがあっても良いのではないかと私は思ってしまいました。
| [国内作家:あ行]奥田英朗 | 01:04 | comments(0) | - |
延長戦に入りました/奥田英朗
ボブスレーの二番目の選手は何をしているのかと物議を醸し、ボクシングではリングサイドで熱くなる客を注視。
さらに、がに股を余儀なくされる女子スケート選手の心の葛藤を慮る、デリケートかつ不条理なスポーツ無責任観戦!
読んで・笑って・観戦して、三倍楽しい猛毒エッセイ三十四篇。


「空中ブランコ」で直木賞を受賞した著者が、作家になる以前に書いたというスポーツエッセイです。
スポーツでの怪我・故障を自慢する日本人の妙な「病気」やレスリングのタイツから乳首が出ているのは何故かに首を捻ったかと思いきや、高校野球の地区大会に注目し正月駅伝番組の視聴率の高さを考察する……といった具合で、「スポーツをやってみる」「過去経験者としての意見を述べる」もしくは「プレーヤーを真剣に取材する」といったものではなく、視点が庶民的。
内野席からヤジを飛ばすオッサンの楽しみを、ちょっと昇華させたかなというレベルの笑い話です。
不謹慎な、とこれを読んで思う方は手を出さない方がいいですが、もっぱら観戦オンリーの洒落のわかる方はどうぞ。
私は「サッカーの精神と高校生の拡大解釈」に吹きました。
独自の解釈によってサッカーとはちょっと違うスポーツとなった、著者の高校時代の体育風景がほのぼのしていて好きです。
難点は、笑わせよう、面白くしよう、という意図がみえみえで、笑えなかった時の萎え具合が凄い。
全編ほとんど同じノリなので、くどく感じる面があります。
| [国内作家:あ行]奥田英朗 | 17:02 | comments(0) | - |
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