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手のひらの蝶/小笠原慧
評価:
小笠原 慧
角川書店
¥ 780
(2005-08-25)
児童精神科医の小村伊緒が勤める児童福祉センター「のぞみ園」に母殺しの容疑者である九歳の少年・真下裕人が保護された。
伊緒が治療にあたるうちに、裕人は心を開きはじめるようになる。
同じころ「のぞみ園」の近くでは、奇妙な連続殺人事件が起きていた。
その現場には母親殺害現場のものと同じ成分の黒い染みが残っていた――。
「悪」の本質に挑む驚愕のサイコサイエンス・ミステリ。


総合児童福祉センターに勤める医師・伊緒は、母親を殺害した容疑をかけられた9歳の少年を担当することになる。
そこでかつての恋人と再会する伊緒はやりにくさを感じつつも、少年のケアに専念する。
一方、連続吸血殺人事件が世間を騒がせていた。
現場には飲血を思わせる状況と、黒い染みのようなものが残されており、その染みは少年の事件でも……というストーリー。

ありえないような設定の事件を、あり得るように読ませてくれる手腕はさすがです。
その一因である医学用語や科学的な説明もスムーズ。
しかもあらかた筋が読めてからも、エンタテイメント性を失わずにラストまで突っ走ってくれて、嬉しい限り。
ただ、主人公以下キャラクタに魅力はありません。
文章もところどころに首を捻りたくなる表現があり、何か無理をして書いたのかな?と。
淡々とし過ぎている部分もあるかと思いますので(それ故残酷な描写も受け入れられるのですが)もっと設定を生かす雰囲気が作れればなと思います。
| [国内作家:あ行]小笠原慧 | 09:49 | comments(0) | - |
DZ/小笠原慧
評価:
小笠原 慧
角川書店
¥ 700
(2003-05)
アメリカ・ペンシルベニア州で、夫婦の冷凍死体が発見された。
五歳の息子は行方不明のまま、事件は迷宮入りする。
一方、日本では、異常な兆候を示す少女がいた。
数年後、恋人を亡くし、重度障害児施設に赴任した女医・志度涼子は、保護室に閉じ込められた少女に出会う。
そして、運命の歯車は容赦なく回り始めた――。
人類という種が背負った哀しい宿命を、壮大なスケールで描いたヒューマン・ミステリ。
第二十回横溝正史賞正賞受賞作。


アメリカで起きたある夫妻殺人事件及びその子の失踪事件は迷宮入りした。
担当であった刑事を退職したスネルは、その事件を個人的に追うことになる。
一方、恋人との悲しい過去を胸に秘めた涼子は重度の障害児施設に研修で赴任し、3年も保護室に入れられたままの少女・沙耶と出会う。
徐々に心を開いていく沙耶との交流に医師としての喜びを感じる涼子。
しかし、彼女の遺伝子検査を行ったことから、そしてそれを公表されてしまったことから涼子は事件に巻き込まれていく……というストーリー。

著者は現役の医師であるそうで、その利点をフルに生かした作品でした。
ミステリというよりはサスペンス色の強い作品で、よって犯人や動機などはすぐにわかります。
印象的なのは、専門的な用語の頻出と、言っては悪いですがグロさ。
それにいかにも理系の方が書きそうな、人物描写の拙さでしょうか。
ですが、それらの小説としては欠点になりそうな特徴が物語のテーマとよく合っていて、私は違和感を憶えませんでした。
主人公にも誰にも感情移入出来ない物語でも、単発物ならありですね。
| [国内作家:あ行]小笠原慧 | 03:26 | comments(0) | - |
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