スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
パパ・ユーアクレイジー/ウィリアム・サローヤン、伊丹十三
評価:
ウィリアム サローヤン
新潮社
¥ 420
(1988-01)
マリブの海辺にある父の家で、僕と父の新しい生活が始まった。
父は僕に、僕自身について小説を書くように言った。
僕は海を、月を、太陽を、船を知ってはいるけれど、僕自身や世界をほんとうに理解するにはどうすればいいんだろう。
――10歳の少年ピートは父親との時に厳しく、時にさわやかな会話を通じて、生きることの意味を学んでゆく。
名匠が息子に捧げた心あたたまる詩的小説。


作家である父から誕生日に本をプレゼントされると同時に宿題を出された“僕”。
それは小説を書くことだった。
“僕”は母と妹と暮らす家を離れ、マリブにある父の家で暮らすことにする。
“僕”と父は食事を取り、車を走らせ、そして会話を交わす……というストーリー。

確かに、この作品の「パパ」はやや「クレイジー」かもしれませんが、何とも美しい父と子の関係でした。
著者が息子に捧げたというのですから、ある意味理想が反映されているせいかもしれません。
気安く会話が出来、父は息子をからかい、時には息子が父に意見することすらあるというのに、歴然として存在する親への尊敬と子への尊重。
「人生とはこういうものなのだ」と直接的に言わなくても、悟ってもらえる関係。
そして会話のひとつひとつが、詩のように概念的でした。

そして、もう一人「クレイジー」なのは訳した伊丹十三。
極力主語を排除せずに直訳した文章は、最初は読みにくいかと思います。
「僕と僕の父は僕の母に彼女の車で…」といった感じなのですから。
ですが、その硬質さが作品に合っている気がします。
訳者としては、自己と他者を日常の言葉ですら厳然と区別する英語という言語で育った人間のありようを表現したかったということで、それも納得できるのですが、私は単純に好感を持ちました。
| [海外作家:P〜T]ウィリアム・サローヤン | 09:42 | comments(0) | - |
ママ・アイラブユー/ウィリアム・サローヤン、内藤誠、岸田今日子
評価:
W. サローヤン
新潮社
---
(1987-10)
あたしの名前はキラキラヒメ。
ニューヨーク・ジャイアンツのエースを目指す9歳の女の子。
パパと別れてブロードウェイのスター女優を夢見るママ・ガールに連れられて、ある夜突然、カリフォルニアからニューヨークへやってきたの。
気まぐれなママ・ガールは、興奮したり悩んだりで大忙しだけど、あたしはそんなママ・ガールが大好き。
この街で一緒に、夢を追いかけてゆくの…。


カリフォルニアでママ・ガールと暮らしていた“あたし”は、ママの突然の思い立ちでニューヨークへ。
ブロードウェイで大女優になるのだというママ・ガールの夢のため。
でも舞台のお話がきたのはたまたま電話を取った“あたし”。
ママ・ガールは悩んで、怒って、泣いて、でもそんなママが“あたし”は大好き!……というストーリー。

ストーリーを書いていて鳥肌が立つかと思いましたが、本当にこんな感じの語り口の作品でした。
キラキラヒメと呼ばれる女の子の物語です。
母親は少し大人になりきれていない、夢を追いかける女性。
逆に娘は大人。
幸せが一体どこからやってくるのかを本能で知っている、とても可愛い女の子です。
こういうキャラクタ設定ならば、いくらでも皮肉な終わり方に出来るかと思うのですが、これは爽やかなラストでした。
訳も自然で読みやすいです。
| [海外作家:P〜T]ウィリアム・サローヤン | 09:20 | comments(0) | - |
| 1/1PAGES |