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暗号解読/サイモン・シン、青木薫
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古代ギリシャの昔から、人は秘密を守るため暗号を考案してはそれを破ってきた。
密書を解読され処刑された女王。
莫大な宝を今も守る謎の暗号文。
鉄仮面の招待を記した文書の解読秘話……。
カエサル暗号から未来の量子暗号にいたる暗号の進化史を、「フェルマーの最終定理」の著者が豊富なエピソードとともに描き出す。
知的興奮に満ちた、天才たちのドラマ!


秘密保持のためにいかに暗号が作り出され、そしてそれを破ろうと人々が努力してきたかを古代から、途中ヒエログラフや線文字Bの解読に脱線しながらも、現在のインターネット上で使用されているRSAや未来の量子コンピュータのもとで使用されるかもしれない暗号までを、一気に読ませてくれる作品でした。
面倒で細かくて難しい話題を一般読者のもとへ引き摺り下ろして読ませる著者の手腕はさすが。

また、暗号と言えば、戦争・闘争とは切り離せないのだな、と再確認させられました。
上巻はエニグマのあたりがクライマックスでしょう。
下巻は冒頭で日本軍についての描写もあり情けない気分にもさせてくれますが、一気に身近になったRSAについてが面白かったです。
わからないまま読んでいたSF作品に登場する量子コンピュータについても、わかったようなわからないことがわかったような気になれましたし。
しかし序盤は、私自身が暗号に興味がなくかつ苦手なせいで、初期の単純なものでさえ理解するのに時間がかかって(具体的に説明されているので一々検証しないと気がすまない)苦痛でした。

前作「フェルマーの最終定理」の、結果的にはたった一つの問題が中心があって最後にそれが現代の天才によって解かれる様が取材の結果示されたような盛り上がりにはやや欠けるかなぁと思いました。
もちろんテーマは暗号で貫かれているのですが、「作られました」「破られました」の連続なわけで、のめりこむ感情は生まれない。
著者の筆力や構成力がどうこうというより、単に私の題材への好き嫌いでしょうが、上下巻で長いだけに思ったより読むのに時間がかかりました。

上下巻完結。
暗号解読 下巻 (3) (新潮文庫 シ 37-3)
サイモン・シン
| [海外作家:P〜T]サイモン・シン | 03:37 | comments(0) | - |
フェルマーの最終定理/サイモン・シン、青木薫
評価:
サイモン シン
新潮社
¥ 820
(2006-05)
17世紀、ひとりの数学者が謎に満ちた言葉を残した。
「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」
以後、あまりにも有名になったこの数学界最大の超難問「フェルマーの最終定理」への挑戦が始まったが―。
天才数学者ワイルズの完全証明に至る波乱のドラマを軸に、3世紀に及ぶ数学者たちの苦闘を描く、感動の数学ノンフィクション。


“フェルマーの最終定理”という言葉や、それにまつわるフェルマーの人を食ったような台詞も知ってはいましたが、こんなにシンプルな定理だとは思ってもいませんでした。
それもこれも、著者が関連するピュタゴラスのお話から丁寧に解説してくれた故の感想でしょう。
もともと文系というより、数字にまつわるものはすべてお断りの態度を中学時代から続けている私に、ここまで面白いと思わせ、かつ「わかったような気」にさせるのですから、うまい内容です。
もちろん描いているのが数学そのものではなく数学の歴史だということも影響しているのでしょうが、どうしても登場する様々な定理や公式、その内容を読者に説明するに当たっての的確な例示が見事。
最終定理を解いたワイルズの描き方も好感が持て、大満足で読み終えた一冊でした。
| [海外作家:P〜T]サイモン・シン | 21:57 | comments(0) | - |
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