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太平洋の薔薇/笹本稜平
評価:
笹本 稜平
光文社
¥ 700
(2006-03-14)
伝説の名船長・柚木静一郎は最後の航海を迎えていた。
横浜への帰路を襲った海賊の罠。
船を乗っ取った彼らの目的は、積荷や身代金ではなかった。
裏で、悪名高いテロリストが糸を引いていたのだ。
乗組員の命を楯に取られ、柚木は無謀とも言える嵐の海への航海に挑んでいく。
同じ頃、ロシアでは100トンにも及ぶ、史上最悪の生物兵器が盗み出されていた―。
大薮春彦賞受賞作。


思い出の船「パシフィック・ローズ」での引退を決めていた航海で、柚木は海賊に襲われ捕虜となる。
積荷や身代金目当てだと思われた海賊たちは、その後おかしな行動を取るようになり、柚木に無謀な操船を強要し船はロシアへ。
そこで積みこまれた荷物は何なのか。
一方、国際海事局海賊情報センター勤務の柚木の娘は海上保安庁やインドネシア政府と協力して父を救おうとするが……というストーリー。

バイオテロを目論む組織や、それを知り「犠牲者」を最小限にしようと画策する各国、天才的な主人公に父を慕う娘と、てんこ盛りと言ってよい内容の海洋冒険小説でした。
私がこの手の小説を好むということもあるでしょうが、かなり満足した作品です。
特に物語の後半部分は多くの伏線が消化され、読者としては先が読めるというのに、先が読みたくって仕方がなくなる程どっぷりと世界にはまらさせていただきました。
甘い部分もあるのでしょうが、その甘さまで含めてそのラストシーンには「冒険小説らしい」と思わせてくれます。

上下巻完結。
太平洋の薔薇 (下)
太平洋の薔薇 (下)
笹本 稜平
| [国内作家:さ行]笹本稜平 | 17:29 | comments(0) | - |
フォックス・ストーン/笹本稜平
評価:
笹本 稜平
文藝春秋
¥ 700
(2005-08-03)
傭兵経験のある桧垣耀二は、除隊後の事業に失敗し、鬱々とした日々を送っていた。
ある日、かつての戦友であり親友でもあったダグが東京で謎の死を遂げた。
彼の死に不審を抱いた桧垣は、真相を調べるうちに、北米、アメリカ両大陸にまたがる大きな陰謀の存在に気付く!
国際謀略小説の決定版ここに登場。


かつてフランス人外人部隊除隊後に国際的傭兵カンパニーで仕事をし足を洗った檜垣は、部隊で生死を共にしたジャズピアニスト・ダグが薬物の過剰摂取で死亡したことを知る。
麻薬の影がなかった彼の不審な死に興味を抱いた檜垣は真相を追うが……というストーリーです。

傭兵上がりのジャズピアニストが一人殺された背後に浮かび上がる戦争の影。
最近映画界ではアフリカの暗い利権を扱った作品が流行していますが、この作品もそうだと言えるかもしれません。
加えて主人公の檜垣は傭兵として戦っていたことのある男で、戦争の悲惨さや馬鹿馬鹿しさを知り代弁しつつも、いわば人殺しをしてきた人間で暴力に慣れていて感情移入しにくいし、非常に暗い。
内容自体は派手で読み応えがあるのですが、読後のすっきり感がなくて、どちらかというと「美味しかったけど胃もたれしちゃった」感じでした。
| [国内作家:さ行]笹本稜平 | 02:29 | comments(0) | - |
ビッグブラザーを撃て!/笹本稜平
評価:
笹本 稜平
光文社
¥ 720
(2003-09)
一人の会社員が巨大組織の陰謀に立ち向かう!
ソフト開発会社員・石黒悠太は、目の前で変死を遂げた友人から、1枚のディスクを託された。
中には、スーパーコンピュータを駆使しても解読に50年はかかる、世界最強の暗号ソフトが。
国際的謀略組織“ビッグブラザー”の魔手が、悠太と家族に迫る―。
圧倒的なリアリティ!
冒険小説界の大器、衝撃の処女長編。


「時の渚」でサントリーミステリー大賞を受賞しデビューした笹本稜平が別名でそれ以前に発表していた「暗号――BACK−DOOR」の文庫改題版です。

天才肌の先輩・滝本が目の前で青酸カリによって死亡する。
犯人ではないかという疑惑に耐えながら滝本が残したMOディスクのせいで、世界的な陰謀に巻き込まれていく石黒。
会社を追われ、危険な目にあいながら滝本の開発した暗号ソフト<クロノス>を発表しようと目論むのだが……というストーリー。

冒険小説や国際謀略小説の醍醐味は、現実味が薄いはずの規模の大きな事件を魅力的な登場人物たちによって身近に描き、興奮と共に一気読みさせてくれることだと私は思っています。
そう考えると、この作品には「面白くなりそうな要素」がたくさんあるというのに、特有の嘘っぽさが壮大な展開になりえず、ただただ安っぽい。
主人公の性格もなんとなく気に入らないし(会社を解雇されて生活の糧を求めて<クロノス>を発表するあたりが何とも言えない現実味があってげんなり)彼の妻や子供といった家庭がクローズアップされ過ぎています。
黒幕も何だかしょぼいし……。
たぶんモノが暗号ソフトなだけあって、動的展開が少ないんですよね。
ちょっとがっかりしました。
| [国内作家:さ行]笹本稜平 | 01:54 | comments(0) | - |
時の渚/笹本稜平
評価:
笹本 稜平
文藝春秋
¥ 650
(2004-04-07)
元刑事で、今はしがない私立探偵である茜沢圭は、末期癌に冒された老人から、35年前に生き別れになった息子を捜し出すよう依頼される。
茜沢は息子の消息を辿る中で、自分の家族を奪った轢き逃げ事件との関連を見出す…。
「家族の絆」とは何か、を問う第18回サントリーミステリー大賞&読者賞ダブル受賞作品。


私立探偵となった茜沢が刑事をやめた根元にあるのは、妻子のひき逃げ事件。
その事件をいまだ追いつつも、この作品は末期癌で余命いくばくもない老人から生き別れの息子を探して欲しいという依頼を受けることからはじまります。
そこに元同僚の追いかける殺人事件が絡み、その容疑者・駒井が浮かび上がります。
そしてその男は、人生の転機となったひき逃げ事件の容疑者でもあり…というストーリー。
ミステリとしては、わりと先が読める作品ではあります。
そしてハードボイルドな雰囲気で淡々と綴られる物語の核があまりに劇的。
作られすぎではないかと思う一方、作品全体の雰囲気の良さがそれをカバーするという感じでしょうか。
それに、主人公の茜沢やその父親、特に依頼人の老人の造形が気に入ってしまって、全体として好ましい読後感でした。
| [国内作家:さ行]笹本稜平 | 01:18 | comments(0) | - |
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