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借金取りの王子 君たちに明日はない2/垣根涼介
「誰かが辞めなければならないなら、私、辞めます」
企業のリストラを代行する会社で働く真介の今回の面接相手は――真面目で仕事もできるのになぜか辞めたがるデパガ、女性恐怖症の生保社員に、秘められた純愛に生きるサラ金勤めのイケメンなどなど、一筋縄ではいかない相手ばかり。
八歳年上の陽子との恋も波瀾の予感!?
勤労者にパワーをくれる、笑って泣ける人気シリーズ、第二弾。


連作短編で
「二億円の女」「女難の相」「借金取りの王子」「山里の娘」「人にやさしく」
の計5編を収録。

タイトルにある通り『君たちに明日はない』(参考)の続編です。
日本ヒューマンリアクトというクビ切り請負会社にいる村上真介は、外部委託されたリストラのため、対象社員の面接を日々生業としている。
時に罵倒され、時に泣かれ、待ち伏せされて殴られることもある仕事だが、面接で人生を垣間見ることも……というストーリーです。

第二弾となる本作では、真介と仕事上で知り合った恋人・陽子の関係を背景にして、それぞれのリストラ対象者の持つ人生を描いています。
著者の作品にしては大人しく、暴力描写もないですし、人生模様も様々で、読みやすいシリーズですね。
デパートに生保、サラ金、旅館…と業界もいろいろで飽きさせません。
あくまで軽い男の主人公の調子も、それに内心ツッコミを入れつつ付き合ってしまう陽子も、前作同様のテンポの良さ。
もしかしたら、著者の作品で今後買うのはこのシリーズだけになるかもしれません。
(上手いと思うのですが、著者の暴力と色事の描写がやや苦手なんです)
主役二人のその後も気になりますが、アシスタントの美代ちゃんがツボです。

5作ともそれぞれ面白かったですが、一番好きなのは「二億円の女」でしょうか。
年二億を売り上げる敏腕営業でありながら、心は夢見る女の子なのが、見事にありそうでした。


JUGEMテーマ:読書
| [国内作家:か行]垣根涼介 | 15:58 | comments(0) | - |
君たちに明日はない/垣根涼介
評価:
垣根 涼介
新潮社
¥ 620
(2007-09-28)

「私はもう用済みってことですか!?」
リストラ請負会社に勤める村上真介の仕事はクビ切り面接官。
どんなに恨まれ、なじられ、泣かれても、なぜかこの仕事にはやりがいを感じている。
建材メーカーの課長代理、陽子の面接を担当した真介は、気の強い八つ年上の彼女に好意をおぼえるのだが……。
恋に仕事に奮闘するすべての社会人に捧げる、勇気沸きたつ人間ドラマ。
山本周五郎賞受賞作。


「日本ヒューマンリアクト」というリストラを専門とする会社につとめている真介の仕事は依頼のあった会社に乗り込んでは候補に挙がった社員に面接をし、決まった数の“希望退職者”を出すもの。
そんな仕事のひとつで、真介は建材メーカーの課長代理である陽子という気の強い女と面接をし、彼女に惹かれていく。
一方その陽子はリストラの候補に挙がったというだけで腹が立っていたというのに、面接官が年下の優男だったことが頭にきていた。
絶対に辞めてやるものか、と決意しながらも自分の周囲と過去を見直してみると……というストーリー。

長編というよりは連作短編の形式で読めました。
「怒り狂う女」「オモチャの男」「旧友」「八方ふさがりの女」「去り行く者」
の5部構成です。

リストラをテーマにした小説ですが、非常に軽く読めます。
首を切られて家族に言えず公園のベンチで一日中過ごす……ようなことにならないのは、主人公が切る側であることと登場人物たちが明るいせいでしょう。
状況だけなら二進も三進もいかないものなのですが、リストラしたいのですが、と言われたことをバネにして「ようし!」とこぶしを握って立ち上がって叫びそうな面々ばかりなのですね。
そして全体を通してなら、真介と恋人のお付き合いの過程がお互いの過去や現在の仕事事情を交えて語られており、そういう観点で読んでも楽しめると思います。
なかなかこういうタイプの作品に出会うことはないだろうな、と感心した軽さでした。
| [国内作家:か行]垣根涼介 | 18:06 | comments(0) | - |
ラティーノ・ラティーノ!―南米取材放浪記/垣根涼介
某年某月、作家は小説執筆のため、ブラジルとコロンビアの二十数都市を訪れた。
かっぱらい、強盗は当たり前。
誘拐、暴動、テロで渡航延期勧告も日常茶飯事!
喜怒哀楽全開で人々と語り、大地の音に耳を澄ましながら突き進む放浪取材。
二ケ月間の旅の末に辿り着いた“大切な感覚”とは?
三賞受賞作『ワイルド・ソウル』はこうして描かれた。


小説家である著者が取材で訪れた南米での出来事を描いたエッセイです。
「ワイルド・ソウル」と同時発売だったので続けて読んだのですが、そちらで書かれたいたことがもっとストレートに作者の声として発せられていて、はっきり言って蛇足。
これだけを読めば、コロンビアなんてコカの輸出地とか国土の3分の1は非政府組織の“領土”とか、その程度の知識しかなく他の南米地域にも同じようなイメージしかない人間にはそれなりに面白いと思います。
読みやすいですしね。
ですが、あくまで小説から入った方からすると「そんなことは小説で表現しろよ」とうんざりします。
しかも著者の視点がまたうざい。
これは合う合わないの問題でしょうが、バブル期の人間の匂い(つまりは自分よりひとつ上の世代ですが)がして不愉快。

今読んでみると、「ギャングスター・レッスン」にもエッセイの内容と同じものがありますね。
こんな風に使いまわすのなら、エッセイは書かなかった方が著者のためにもなった気がします。
| [国内作家:か行]垣根涼介 | 12:53 | comments(0) | - |
ワイルド・ソウル/垣根涼介
一九六一年、衛藤一家は希望を胸にアマゾンへ渡った。
しかし、彼らがその大地に降り立った時、夢にまで見た楽園はどこにもなかった。
戦後最大級の愚政“棄民政策”。
その四十数年後、三人の男が東京にいた。
衛藤の息子ケイ、松尾、山本――彼らの周到な計画は、テレビ局記者の貴子をも巻き込み、歴史の闇に葬られた過去の扉をこじ開けようとする。


政府の言葉を信じ南米に渡っていった多くの家族たちが、辛酸をなめた。
それから60年。
恨みを晴らすべく、男たちは日本にきていた……というストーリー。

第6回大薮春彦賞、第25回吉川英治文学新人賞、第57回日本推理作家協会賞の三賞を受賞した作品です。
確かにそれぐらいは評価されてもおかしくないレベルにあると思います。
復讐劇となれば自然暗い話になりがちですし、このお話では相手が政府ですから、余計に酷い結末を迎えそうな感じがします。
しかし全然そんなことはなく、妙に派手で華やかで笑えました。
登場人物たちの根が暗くないからでしょう。
最初から最後までテンションを保ったまま読ませてくれて大満足。
著者の描く女性は魅力的だなと思うのですが(逆に男は全部駄目。絶対に関わりたくない)ここに登場する貴子も凄く良いです。
ラストも爽やか。
かなり前に読んだままでしたが、最近垣根作品をまとめて読んだついでに。

上・下巻完結。
ワイルド・ソウル〈下〉 (幻冬舎文庫)
ワイルド・ソウル〈下〉 (幻冬舎文庫)
垣根 涼介
| [国内作家:か行]垣根涼介 | 10:53 | comments(0) | - |
サウダージ/垣根涼介
故郷を捨て、過去を消し、ひたすら悪事を働いてきた日系ブラジル人の高木耕一は、コロンビア人の出稼ぎ売春婦DDと出逢う。
気分屋でアタマが悪く、金に汚い女。
だが耕一はどうしようもなくDDに惹かれ、引き摺られていく。
DDのために大金を獲ようと、耕一はかつて自分を捨てた仲間――裏金強奪のプロである柿沢に接触する。


かつて柿沢らがグループの一員にしようと教育し途中で放棄した男・耕一は悪事を繰り返して生きていたが、コロンビア人売春婦のDDと出会う。
馬鹿で感情過多で金に汚いDDの情夫として扱われることに何故か落ち着いていく耕一。
一方裏金強奪集団の柿沢と桃井は、新入りのアキを鍛えていた。
そんな折、DDの部屋から金が盗まれ、その犯人を耕一が追ったことで事態は展開していき……というストーリー。

「ヒートアイランド」の続編です。
順番から言うと「ギャングスター・レッスン」の次、第3弾になるのでしょうが、主役は高木耕一という男になります。

もうちょっとどうにか出来なかったかな?と思いました。
耕一とDDの関係、それによる耕一の変化は面白いです。
ですがどうせならそこにだけフォーカスして、柿沢らは添え物ぐらいで良かった気がします。
集団に受け入れられた男・アキの成長と恋と、拒否された男・耕一のものとが比較してあるのでしょうが、後者のドロドロとしたバックグラウンドと肉感的な恋の印象が強すぎてアキが単なるヘタレ男にしか見えません。
それでもシリーズ作として見れば、馴染みのあるアキにも注意は当然行くわけで、ひとつの作品としてみた時のバランスがあまりよくない気がします。
それでも「ギャングスター・レッスン」よりはマシでしょう。
一見さんにもついていける作品にはなっております。

最近著者の作品を立て続けに読んでいるのですが、ここまでくると著者のアナル好きは明白です。
どうなんだろうこの性描写……。
| [国内作家:か行]垣根涼介 | 18:42 | comments(0) | - |
ギャングスター・レッスン/垣根涼介
渋谷のチーマー百人を率いたアキは、チーム解散後、海外放浪を経て帰国。
犯罪プロフェッショナルへの参加を決意する。
そんな彼を、あらゆるクライム・テクニックを修得するための過酷な試練が待ち受けていた。
長編ピカレスク・アクション。


チームとヤクザと犯罪集団を巻き込んだ事件から1年。
アキは柿沢と桃井らと共に組みアンダーグラウンドな世界に身を投じることを決める。
仲間としてやっていけるようになるため、柿沢と桃井によってアキは様々な訓練を受けるが……というストーリー。

「ヒート・アイランド」の続編です。
ですが、第2弾というよりは(解説にもあるように)1.5弾という曖昧な位置づけでしょう。
第3弾というか正当な続編というか、な「サウダージ」があるだけに余計に。
内容もLesson1、2……という風にアキがギャングとなる訓練を描いていて、あまりこれといった良さが見つからない作品です。
訓練の様子もありがちですし、どちらかというと「《後日談》コパカバーナの棹師……気取り」という作中登場した人物が主役となる番外編の方がいいです。

「ヒート・アイランド」を読んで気に入ったという人以外には読む価値があるのかどうか悩む作品でした。
| [国内作家:か行]垣根涼介 | 16:49 | comments(0) | - |
ヒートアイランド/垣根涼介
ヒートアイランド
ヒートアイランド
垣根 涼介

渋谷でファイトパーティーを開き、トップにのし上がったストリートギャング雅。
頭のアキとカオルは、仲間が持ち帰った大金を見て驚愕する。
それはヤクザが経営する非合法カジノから、裏金強奪のプロフェッショナルの男たちが強奪した金だった。
少年たちと強奪犯との息詰まる攻防を描いた傑作ミステリー。


ストリートギャングがメインとなると少し使い古された感があるかもしれませんが、この小説の持ち味は疾走感とキャラクタの造形に尽きます。
主人公のアキとカオルだけでなく、問題を起こすチームのメンバーや裏金強奪犯人も、どうかハッピーエンドになってくれと願わずにはいられない好ましさ。
展開も飽きさせず、最後まで読ませてくれました。
世間の評価では著者の代表作とは言われていないのでしょうが、私は一番好きです。
| [国内作家:か行]垣根涼介 | 18:48 | comments(0) | - |
午前三時のルースター/垣根涼介
午前三時のルースター
午前三時のルースター
垣根 涼介

旅行代理店に勤務する長瀬は、得意先の中西社長に孫の慎一郎のベトナム行きに付き添ってほしいという依頼を受ける。
慎一郎の本当の目的は、家族に内緒で、失踪した父親の消息を尋ねることだった。
現地の娼婦・メイや運転手・ビエンと共に父親を探す一行を何者かが妨害する…最後に辿りついた切ない真実とは。


サントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞した著者デビュー作。
面白いか面白くないかと聞かれれば「面白かった」と言えますし、納得できる出来であるのは認めますが、物語が非常に甘い。
ミステリというよりハードボイルドよりのサスペンスなのですが、そのわりに登場人物やストーリーに読者に対する挑戦的な部分があまりないのです。
薄氷を踏むような、ドキドキ感が持てない。
デビュー作だからかと思いきや、後に著者の他作品を読んでも同じ感想を持ったので作風なのでしょうね。
それが気に入らない人は評価が低くなると思います。
ただ私は「少年の成長を見守ることになった大人」視点が大好きなので、欠点は気にせず、最後のシーンには素直に感じ入りました。

ルースターとは一番鶏のこと。
| [国内作家:か行]垣根涼介 | 18:32 | comments(0) | - |
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