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亜智一郎の恐慌/泡坂妻夫
評価:
泡坂 妻夫
東京創元社
¥ 693
(2004-01)
二百五十年の泰平を経て腑抜け同然となった御庭番に代わり、隠密方を拝命したよったりの雲見番―長裃がひたすら似合う俊足の男前、亜智一郎。
総身に普賢菩薩を刻む小普請方、古山奈津之助。
遠祖役小角の奥義を極める甲賀忍者、藻湖猛蔵。
安政の大地震に片腕を持っていかれた優男、緋熊重太郎。
内憂外患こもごも至る幕末、将軍直直の下知を受ける雲見番衆の、馳駆奔走や如何。


連作短編集で
「雲見番拝命」「補陀落往生」「地震時計」「女方の胸」「ばら印籠」「薩摩の尼僧」「大奥の曝頭」
の計7編を収録。
タイトルからおわかりのように、「亜愛一郎シリーズ」の主役や印象的な登場人物たちのご先祖様が登場します。
ですが、まったくそれがわからなくても物語そのものが面白いのでご心配なく。
亜愛一郎シリーズがお好きな方に加えて、時代ミステリが好物という方にも胸を張っておすすめできるかと思います。
というか、短編なだけにやや強引かなと思われる謎解きが、何故か時代ミステリに合っている気までしてきて、大好きです。

最初の「雲見番拝命」は、亜智一郎、古山奈津之助、藻湖猛蔵、緋熊重太郎の面々が安政の大地震を機に密名を帯びるに至ったお話です。
そこに著者らしい家紋のトリックがあって、にやりとさせられます。
以降は話ごとに1年ずつ時間がたち幕末の情勢がめまぐるしく動きながら、様々な謎を解いていくというスタイル。
特に後半になるにつれ、その度合いが大きくなっていきます。
最初が黒船来襲を背景にした安政の大地震なら、次は将軍の後嗣問題、尊皇攘夷運動に安政の大獄、桜田門外の変、和宮降嫁……という歴史上の「事実」をうまく利用しながら物語が進みます。
一話一話を見れば、どれも好きですが、やや異色な「薩摩の尼僧」は印象が強いですね。
| [国内作家:あ行]泡坂妻夫 | 18:11 | comments(0) | - |
亜愛一郎の逃亡/泡坂妻夫
亜愛一郎の逃亡
亜愛一郎の逃亡
泡坂 妻夫

完璧な密室状態の丸いカプセルの中に、前頭部に打撲傷、背中に突き傷を負った男の死体が……。
ネス湖の怪獣よろしく、北海道の湖に現われたという双頭の蛸を取材するために駆けつけた記者の目前で起こる殺人事件……等々、一見何気ない事件の陰に潜む作為を嗅ぎ取って真相を言い当てる亜愛一郎。
シリーズ掉尾を飾る傑作。
さらば名探偵!


収録は
「赤島砂上」「球状の楽園」「歯痛の思い出」「双頭の蛸」「飯鉢山山腹」「赤の賛歌」「火事酒屋」「亜愛一郎の逃亡」
の計8作。
「赤の賛歌」と「火事酒屋」がお気に入り。
私は日頃女性作家を毛嫌いしたりするくせに、語り手が女性で、またそれが可愛らしかったりすると嬉しくなってしまう性質です。
最終話となった「亜愛一郎の逃亡」は、これまたびっくりな“逃亡”。
オールスターのような登場人物ににんまりする一方、最後がこれとは驚いた一作。
| [国内作家:あ行]泡坂妻夫 | 21:27 | comments(0) | - |
亜愛一郎の転倒/泡坂妻夫
亜愛一郎の転倒
亜愛一郎の転倒
泡坂 妻夫

完璧な写実性で注目された画家の絵の中に見出される数々の不思議――手の指が六本ある少女、針の間違っている時計、開けられないドアなどは何を意味するのか?
さらに一夜にして忽然と消失した合掌造りの家、タクシーの後部座席に突然出現した死体……等々、ちょっとした不合理から思いもかけぬ結論を導き出す亜愛一郎。
快調の第二弾。


収録は
「藁の猫」「砂蛾家の消失」「珠洲子の装い」「意外な遺骸」「ねじれた帽子」「争う四巨頭」「三郎町路上」「病人に刃物」
の計8作。
アナグラムの「意外な遺骸」も楽しいですが、やはり「藁の猫」が良い。
“一病息災”の語り手・丘本氏がお気に入りです。
語り手としては「ねじれた帽子」の大竹氏も素敵です。
シリーズ3作の中ではこの「転倒」が一番好きですね。
| [国内作家:あ行]泡坂妻夫 | 21:13 | comments(0) | - |
亜愛一郎の狼狽/泡坂妻夫
亜愛一郎の狼狽
亜愛一郎の狼狽
泡坂 妻夫

雲や虫など奇妙な写真を専門に撮影する青年カメラマン亜愛一郎は、長身で端麗な顔立ちにもかかわらず、運動神経はまるでなく、グズでドジなブラウン神父型のキャラクターである。
ところがいったん事件に遭遇すると、独特の論理を展開して並外れた推理力を発揮する。
作家・泡坂妻夫のデビュー作「DL2号機事件」など全8話を収録した。


収録は
「DL2号機事件」「右腕山上空」「曲がった部屋」「掌上の黄金仮面」「G線上の鼬」「掘出された童話」「ホロボの神」「黒い霧」
の計8作。
どの作品も一筋縄ではいかない謎ですが、個人的には「掘出された童話」が一番お気に入りです。
ただこのシリーズの作品としての面白さは、主人公以下のキャラクタ設定にもあるはず。
亜の間抜けさや真相にたどり着いた際の大袈裟な演出はパターン化してもなお楽しいです。
作品全体に嫌らしさがない、何となく憎めないシリーズ第一作。
| [国内作家:あ行]泡坂妻夫 | 00:31 | comments(0) | - |
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